(株) TBK 2016年3月期の動向
業績 |
(単位:百万円) |
2016年 3月期 |
2015年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 47,086 | 47,058 | 0.1 | -国内:堅調な内需に対し、トラックメーカー等の海外輸出向け製品需要が大きく落ち込んだ影響を受け大幅に減少 -海外:タイを中心に新商権を拡大 |
営業利益 | 1,345 | 2,934 | (54.2) | -メーカーの輸出減少による国内売り上げの大幅減少 -国内における生産合理化投資の効果回収の遅れ -タイでの事業拡大に伴う新工場建設や設備投資の増加 -人員の先行投入 |
経常利益 | 1,150 | 2,870 | (59.9) | |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 633 | 2,152 | (70.6) |
中期経営計画
第13次中期経営計画 (2017年3月期~2019年3月期)
-売上高の拡大
- 最終年度に、連結売上高550億円、連結経常利益44億円、連結経常利益率8%を目指す
-グローバル競争力の強化
- タイ: アジア地域での新規商権の獲得、日系トラックメーカーの現地生産化に対応した増産投資、新工場の早期立ち上げ
- 日本: 省エネ環境対応商品 (電動ポンプ、アシストシステム等) の開発・受注活動、生産合理化投資による競争力強化
第12次中期経営計画 (2014年3月期~2016年3月期)
-売上高の拡大
- 最終年度に、連結売上高500億円、海外売上高比率40%を目指す
- 実績値は、連結売上高471億円、海外売上高比率38%
-グローバル競争力の強化
- タイ: 新工場建設、B/H事業の大幅な拡大
- インド: 売上拡大、連結化
- 米国: 2014年3月期より黒字の定着化
海外投資
<タイ>
-タイ連結子会社のTBKK (Thailand) がチョンブリ県Amata Nakorn工業団地に新工場を建設中と発表。ウォーターポンプ、オイルポンプ、ブレーキなど自動車関連部品を生産する。投資金額は10.79億バーツ (約37.77億円) で、土地面積は93,000平方メートル、建屋延面積は32,500平方メートルとなる。2015年9月竣工、2016年前半の本格稼働を目指す。 (2015年5月8日付プレスリリースより)
研究開発体制
-第一開発部、第二開発部、新製品開発部および実験部により推進。
-研究スタッフは80名で、総従業員の約4.5%に相当。
-北海道帯広市に十勝試験場 (テストコース) を保有。
研究開発活動
<ブレーキ部門>
-国内メーカー全社に採用されたエアウェッジドラムブレーキは、大幅に軽量・低コスト化した次世代モデルの開発を進め、展開拡大を図っている。
-次期ブレーキとしてのエアディスクブレーキは、モジュール化商品として、独自開発のパッド、ローターを含めた商品の開発を進め、採用に向けて展開している。
-新興国向けに、Sカムブレーキの構造合理化を行い、幅広いニーズに対応できる様に開発を推進している。
-安全性向上、環境対応、省エネルギー対応を主眼とした研究・開発に注力、将来への敬称技術を蓄えている。
<エンジンコンポーネント他部門>
-小型、中型、大型トラック・バス用エンジンのウォーターポンプとオイルポンプの改良・開発を推進。
-海外メーカー向けに新規にウォーターポンプとオイルポンプの受注を獲得し、開発を推進。
-リターダーは排出ガス規制対応エンジンに適した補助ブレーキとして中型、大型トラック用に採用。適用車種拡大に向けた研究・開発を実施。
技術供与契約 |
(2016年3月31日現在) |
相手方の名称 | 国名 | 契約品目 | 契約内容 | 契約期間 |
TBKK (Thailand) Co., Ltd. | タイ | 自動車用ブレーキ、カムシャフト、オイルポンプ、ウォーターポンプ、その他エンジン部品 | 1. 工業所有権の実施権の設定 2. 技術情報の提供 3. 製造権および販売権の許諾 |
2015年6月23日 発効日より10年 以後1年ずつ自動更新 |
Sangsin Brake Co., Ltd. | 韓国 | 大型車両用ブレーキ | 同上 | 1994年1月14日 量産時より10年 以後1年ずつ自動更新 |
Full Win Developments Ltd. | 中国 | ブレーキライニング | 同上 | 2002年8月1日 発効日より10年 以後1年ずつ自動更新 |
Changchun TBK SHILI Auto Parts Co., Ltd. | 中国 | 商用車用ブレーキ摩擦材 | 同上 | 2005年12月22日 量産時より10年 以後1年ずつ自動更新 |
TBK America, Inc. | 米国 | 自動車用ウォーターポンプ、オイルポンプ | 同上 | 2006年11月15日 頭金支払い後10年 以後1年ずつ自動更新 |
Sangsin Brake Co., Ltd. | 韓国 | 電磁式リターダー | 同上 | 2010年9月30日 販売開始日より10年 以後1年ずつ自動更新 |
TBK India Private Ltd. | インド | 自動車用ウォーターポンプ、オイルポンプ | 同上 | 2011年6月28日 新製品量産時より10年 |
Changchun FAWSN TBK Co., Ltd. | 中国 | 商用車用ブレーキ | 同上 | 2012年7月5日 量産時より10年 以後1年ずつ自動更新 |
Sansin Brake Co., Ltd. | 韓国 | 自己発電型リターダー | 同上 | 2014年4月30日 発効日より10年 以後1年ずつ自動更新 |
研究開発費 |
(単位:百万円) |
2016年3月期 | 2015年3月期 | 2014年3月期 | |
ブレーキ部門 | 568 | 689 | 468 |
エンジンコンポーネント他部門 | 634 | 727 | 708 |
合計 | 1,202 | 1,417 | 1,177 |
設備投資額 |
(単位:百万円) |
2016年3月期 | 2015年3月期 | 2014年3月期 | |
自動車部品等製造事業 | 7,638 | 6,791 | 4,673 |
セグメント別設備投資額 | |||
-日本 | 2,759 | 2,159 | 2,214 |
-アジア | 4,539 | 4,604 | 2,420 |
-北米 | 339 | 76 | 73 |
-2016年3月期の主要な設備投資 (自動車部品等製造事業):
- 日本: ブレーキ生産設備 417百万円、エンジンコンポーネント他生産設備 1,044百万円
- アジア: エンジンコンポーネント他生産設備 2,592百万円
-2017年3月期の設備投資額 (予想) は5,000百万円
2017年3月期の見通し |
(単位:百万円) |
2017年3月期 (予想) |
2016年3月期 (実績) |
増減 (%) |
|
売上高 | 47,000 | 47,086 | (0.2) |
営業利益 | 1,700 | 1,345 | 26.4 |
経常利益 | 1,400 | 1,150 | 21.6 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 900 | 633 | 42.1 |
>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)
-外部環境の悪化に対応し、拡販や新規商権の獲得に向け、コスト低減を加えた軽量化ブレーキを新規に投入する
-商用車分野以外にも電動ポンプの新商権の拡大や回生技術を活用したアシストシステムの開発を進める
-海外事業の拡大
- タイ: 乗用車ターボエンジン部品の生産拡大、商用車のブレーキ、ポンプ製品などの新規商権立ち上げ
- インド: ポンプ製品を中心に事業が拡大、2016年3月期より連結子会社化
- 米国: 既存商権を中心とした事業が拡大、損益の黒字化が定着しつつある
- 中国: 中長期的な事業機会の場と捉え、商権の獲得や原価低減を進める