太平洋工業 2007年度の動向

ハイライト

2008年3月期のハイライト

業績
(単位:
百万円)
2008年
3月期
2007年
3月期
増減率
(%)
主な要因
全社
売上高 89,862 82,641 8.7 プレス・樹脂製品、バルブ製品ともに業績好調。過去最高の売上高を記録。
営業利益 3,640 3,902 (6.7) 大型投資・税制改正による減価償却費の増加や、急激な円高による為替差損の発生。
経常利益 3,976 4,475 (11.1)
当期純利益 2,335 3,144 (25.7)
プレス・樹脂製品事業
売上高 63,024 60,308 4.5 国内では主要顧客の自動車生産台数の増加や車種構成の変化等により、売上が増加。また、海外でも連結子会社が減少した影響があったものの、米国子会社の業容拡大や中国・天津の子会社の生産開始により、売上が増加した。
営業利益 1,254 1,918 (34.6) 子会社での利益増加があったものの、同社において大型投資・税制改正によって減価償却費等が増加。
バルブ製品事業
売上高 26,085 21,629 20.6 タイヤバルブ・バルブコア製品およびバルブ関連製品の売上は前年度並みだったが、TPMS製品(直接式タイヤ空気圧監視システム)が搭載車種拡大により大きく増加。
営業利益 2,314 1,906 21.4 -

-生産能力の増強

タイヤ空気圧監視システム(TPMS)の生産能力を、2007年の夏にも現在の6割増に当たる年間1,600万個に引き上げる。TPMSを生産する北大垣工場(岐阜県神戸町)に約9億円を投資し、新たに2ラインを増設。合計6ラインでの生産体制とする。

東大垣工場の第3工場を増築する。設備投資額は約23億円で、完成は2008年4月の予定。

中国・天津市のプレス部品生産会社「天津太平洋汽車部件有限公司」が2007年5月に生産開始。また、2009年を目処に生産能力を倍増させる計画を発表。

>>> 詳細は 設備投資 参照


-子会社(孫会社)の増資 (韓国)

2007年7月、韓国の孫会社「太平洋エアコントロール工業(株)」(Pacific Air Controls Co., Ltd.)への第三者割当による増資を引き受けると発表。自己資本の充実および設備投資による事業拡大をを目的とする。太平洋エアコントロールは同社の連結子会社「太平洋バルブ工業(株)」の完全子会社で、空調用部品の製造・販売を行っている。増資金額は3,000百万ウォンで、2007年9月に完了予定。増資後の出資比率は同社が60%、太平洋バルブ工業が40%となる。(2007年7月31日付プレスリリースより)

-事業再編 (米国)

2007年4月、Pacific Manufacturing Ohio, Inc.はPacific Industries Air Controls, Inc.を吸収合併。北米事業の経営管理体制を一元化し、経営の効率化を図る。

2007年8月、Takumi Stamping Texas Inc.の所有株式の一部を売却し、持分法適用関連会社から除外された。

開発動向

研究開発体制

開発本部および各事業部の開発関連部署を中心に、新製品の研究開発を推進するとともに加工法の革新による原価低減を図っている。また、必要に応じて顧客・材料メーカー・大学・研究機関との共同開発により、新技術の開発を推進。

研究開発費

(単位:百万円)

2008年3月期 2007年3月期 2006年3月期
全社 926 1,012 899
プレス・樹脂製品事業 163 179

134

バルブ製品事業 518 651 607
全社共通 234 170 151

研究開発活動 (2008年3月期)

事業
セグメント
研究開発内容
プレス・樹脂製品

技術本部/技術部:

-環境負荷低減のため、塗装を要しない加飾化技術を用いた製品の開発や、樹脂の新廉価材開発に注力。

第一事業部/生産技術部:

-主要得意先からのオイルパン受注拡大や生産移管に対応するため、オイルパン生産ラインの構築を進めるとともに、プレス新工法による製品の量産を開始。

バルブ製品 技術本部/技術部:

-タイヤバルブ関連製品について、環境負荷物質を低減した製品、軽量化を目指した製品の研究を推進。

-制御機器関連について、省エネ法改定に向けた新製品の開発・性能向上に注力。

技術本部/TPMS技術部:

-TPMS製品(直接式タイヤ空気圧監視システム)の送信機の仕様拡大に向けた開発に着手するとともに、今後の市場拡大や環境負荷物質の低減を考慮した次世代送信機の開発を推進。

第二事業部/生産技術部:

-ネットシェイプ率向上(材料使用料低減)に向けた工法開発を推進するとともに、高精度プレス製品の品目拡大に向けた工法開発・生産準備に注力。
全社共通 技術本部/開発部:

-基盤技術の研究に産学連携して取り組み、センサーのエネルギー源に関する研究やシール機構解明の研究を行い、製品に適用すべく検討を行った。

-次世代TPMSの要素技術開発や、環境に配慮した各種制御バルブの開発、樹脂成形技術の深化、新規樹脂分野の開発および接合分野の新技術開発に取り組んだ。

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)

2008年3月期 2007年3月期 2006年3月期
全社 14,343 13,486 6,877
プレス・樹脂製品事業 13,064 11,488

4,933

-国内 9,279 7,730 N.A
-海外 3,785 3,758 N.A
バルブ製品事業 1,300 1,950 1,894

設備投資 (2008年3月期)

事業

主な目的
プレス・樹脂製品

国内:
東大垣工場第3工場の増築、九州工場2期工事、自動車の新型モデル用金型等の新製品対応・増産

海外:
中国・天津におけるプレス新生産拠点および工場増設、北米プレス製品事業の新製品対応・増産

バルブ製品 増産、新製品対応

国内投資

タイヤ空気圧監視システム(TPMS)の生産能力を、2007年の夏にも現在の6割増に当たる年間1,600万個に引き上げる。TPMSを生産する北大垣工場(岐阜県神戸町)に約9億円を投資し、新たに2ラインを増設。合計6ラインでの生産体制とする。米国で新車へのTPMS装着が2007年秋から義務化されるため、その需要の増加に対応する。同社のTPMSの売上高はこの数年で急速に拡大しており、2008年3月期は前年度比4割増の130億円を見込む。(2007年4月19日付日刊自動車新聞より)

東大垣工場の第3工場を増築する。設備投資額は約23億円で、完成は2008年4月の予定。同社はトヨタ自動車(株)よりガソリンエンジン用オイルパンの受注が決定し、プレス・溶接・塗装の一貫工場として、工場の増築を決定したもの。このガソリンエンジン用オイルパンは現在トヨタで生産されているが、今後の生産は2008年12月までに東大垣の第3工場に移管される予定。(2007年5月10日付プレスリリースより)

海外投資

中国・天津市で生産を開始した全額出資のプレス部品生産会社「天津太平洋汽車部件有限公司」の生産能力を、2009年を目処に倍増させる方針。同社の工場は2007年夏から製品納入を開始する新設工場だが、現地での需要増に対応するため25億円を追加投資、現在の工場建屋と同規模の新建屋を敷地内に建設、プレス部品を生産する。主要取引先であるトヨタ自動車の天津での生産拡大に対応し、供給体制を増強する。同子会社は、2005年4月に設立し、2006年8月に操業を開始した。2007年8月から製品納入を開始する予定で、当初はトヨタの天津第3工場で生産される新型「カローラ」向けにプレス部品を納入する。続いて、2007年秋には「ヴィオス」向けの納入も始める見通し。(2007年5月16日付日刊自動車新聞より)

設備の新設計画
会社名・
事業所名
(所在地)
事業
セグメント
設備の
内容・目的
投資
予定額
(百万円)
着手 完了
予定
完成後の
増加能力
同社
西大垣工場
(岐阜県大垣市)
プレス・
樹脂
新製品対応 5,326 2007年
3月
2009年
9月
若干増加
プレス・
樹脂
増産等 969 2007年
4月
2009年
5月
若干増加
同社
東大垣工場
(岐阜県大垣市)
プレス・
樹脂
新製品対応 3,238 2007年
4月
2010年
3月
生産能力15%程度増加
プレス・
樹脂
自動化・合理化等 1,026 2007年
4月
2009年
6月
生産能力15%程度増加
同社
養老工場
(岐阜県養老郡)
プレス・
樹脂 等
新製品対応 504 2007年
8月
2009年
5月
高精度プレスライン新設
プレス・
樹脂 等
維持更新等 727 2007年
10月
2010年
1月
高精度プレスライン新設
同社
九州工場
(福岡県鞍手郡)
プレス・
樹脂
新製品対応等 3,373 2007年
3月
2009年
4月

新プレス棟建設中(2008年12月稼動開始予定)

同社
北大垣工場
(岐阜県安八郡)
バルブ 増産 562 2006年
11月
2009年
12月
若干増加
バルブ 自動化・合理化等 682

2006年
7月

2009年
12月
若干増加
同社
美濃工場
(岐阜県美濃市)
バルブ 自動化・合理化等 291 2008年
2月
2009年
6月
なし
Pacific Industries USA Inc.
(米国 オハイオ州)
プレス・
樹脂、
バルブ
新製品対応等 1,718 2006年
12月
2008年
12月
生産能力10%程度増加
太平洋汽門工業股份有限公司
[Pacific Valve (Taiwan) Co., Ltd.]
(台湾 台中市)
プレス・
樹脂、
バルブ
新製品対応等 63 2008年
1月
2008年
12月
なし
太平洋バルブ工業株式会社
[Pacific Valve Industrial Co., Ltd.]
(韓国 梁山市)
バルブ 新製品対応等 22 2008年
1月
2008年
12月
なし
Pacific Industries (Thailand) Co., Ltd.
(タイ チャチョンサオ県)
バルブ 新製品対応等 47 2008年
1月
2008年
12月

なし

青島太平洋宏豊精密機器有限公司
[Qingdao Pacific Hongfeng Industrial Co., Ltd.]
(中国 青島市)
バルブ 新製品対応等 20 2008年
1月
2008年
12月
なし
天津太平洋汽車部件有限公司
[Tianjin Pacific Auto Parts Co., Ltd.]
(中国 天津市)
プレス・
樹脂
新製品対応等 1,537 2007年
9月
2008年
12月
生産能力20%程度増加