(株) 村上開明堂 2007年3月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万円) |
2007年3月期 | 2006年3月期 | 増減率 | 要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 61,887 | 53,657 | 15.3% | - |
営業利益 | 1,766 | 648 | 172.5% | - |
経常利益 | 1,963 | 1,013 | 93.8% | - |
当期純利益 | 777 | (437) | - | - |
ミラーシステム事業 (*セグメント間の内部取引は除く) | ||||
売上高* | 55,758 | 47,552 | 17.3% | 下記1)参照 |
営業利益 | 1,998 | 946 | 111.2% | 下記2)参照 |
要因
1)売上高は55,758百万円(前期比17.3%増)。主力製品である自動車用バックミラーは、国内及び海外拠点において、販売数量、売上高ともに順調に伸長。また、国内においてはターンランプ付ドアミラー等の高付加価値商品の販売や用品向け販売が好調に推移。
2)原油価格高騰などの影響により原材料費の高止まり、減価償却費の増加や新製品立ち上げ費用の増加などがあったものの、国内外での売上増に加え、生産性向上や原価改善活動を推進した結果、営業利益は1,998百万円(前期比111.3%増)。
地域別業績
<日本>
主力製品である自動車用バックミラーの販売が好調に推移し、売上高は48,175百万円(前期比10.0%増)、営業利益は1,187百万円(前期比43.2%増)。
<アジア>
主に中国子会社の業容拡大が順調に推移し、売上高は7,744百万円(前期比62.2%増)となり、営業利益は1,122百万円(前期比81.9%増)。
<北米>
北米子会社の売上増に支えられ生産性の改善等により赤字幅が前年度より縮小。この結果、売上高は5,967百万円(前期比17.6%増)となり、営業損失は514百万円(前年度 営業損失845百万円)。
国内事業
新生産拠点
九州地区における生産・供給体制の拡充を目的に、福岡県朝倉市内の工業団地に工場用地を取得したと発表した。新工場を建設、2008年秋にバックミラーの生産を開始する計画だが、詳細は検討中。総投資額は15億円を見込んでいる。同社の生産は静岡県内の3工場に集中している。九州地区での工場開設は、同地区での自動車生産台数が急速に増加することから、顧客対応の強化やリスク分散、拡販などを考慮し、決定した。朝倉市内の烏集院工業団地に約3万7千平方メートルの用地を取得した。新工場では、材料投入から組み立てまでの一貫ラインを導入、バックミラーを生産、自動車メーカー各社に供給する。当初の従業員数は約100人を予定。(2007年3月22日付日刊自動車新聞より)
オプトエレクトロニクス分野の拡販活動
同社グループの湘南光膜研究所は、車載カメラ向けに親水機能付き(光触媒)ガラスを拡販する。独自の薄膜技術による親水性と汚れの浄化作用、長期間にわたる効果などを自動車メーカーや電装部品メーカーに売り込む。車載カメラは、バックモニターやドアミラーカメラの普及で需要拡大が見込める。常に良好な視界を維持するための外装部品として、親水機能付きガラスとのセット化を提案、普及促進を図る。同社の親水機能付きガラスは、シリカとチタンの薄膜による2層構造が特徴で、最前面のシリカ層表面を凹凸形状でコーティングしている。これにより、チタン化合物の反応による親水現象を利用した一般的な親水膜に比べ、優れた効果を発揮する。また、樹脂フィルムを基材とした製品より、効果の持続期間も長く、10年以上、効果が持続する。(2006年10月27日付日刊自動車新聞より)
湘南光膜研究所は、光の透過率を電気的に制御できる薄膜(ECD=エレクトロ・クロミック・デバイス)事業の拡充に向け、自動車メーター向けの光フィルターパネルを拡販する。パネル最前面に組み込むことで、メーター本体の視認性を確保しながら、外光の反射を抑えることができるなどのメリットを自動車や部品メーカーに売り込み、大型受注の獲得を目指す。現在は、トヨタ「レクサス」の最新モデル用としてデンソーに製品供給しているが、今後は、自動車メーカーや有力部品メーカーへの技術提案などに注力し、早期の受注獲得に結び付けたい考え。(2006年10月21日付日刊自動車新聞より)
海外事業展開と今後の課題
ミラーシステム事業は近年、完成車メーカーの現地生産化の拡大に対応すべく海外拠点の拡充を推進。2006年3月期は、連結売上高に占める海外売上高が23.7%となり年々増加傾向。今後、更に海外売上高比率は高まる見込みで、それに対応すべく海外拠点での設備投資額も増加することが予想される。また、各海外拠点の損益状況がグループの連結業績に与える影響度も高まるため、各海外拠点においては、安定した品質を確保出来る生産体制の確立とともに製造コストの低減により収益基盤を固めていくことが、早急に対処すべき経営課題として認識。
開発動向
研究開発費 |
(単位:百万円) |
2007年3月期 | 2006年3月期 | 2005年3月期 | |
研究開発 | 452 | 523 | 508 |
研究開発体制
・グループ全体に対応する研究開発部門と各事業部門の技術グループと連携
・自動車用後方視認システムの研究及び高機能ファインガラスの開発をメインテーマに推進。
・研究開発スタッフは本社組織の研究開発部と各事業部に所属する技術グループを含め38名
<研究開発の主な注力領域>
(1)自動車用後方視認システム
・死角解消カメラユニット/新機構ミラーの開発/軽量化/共通化構造の開発/親水膜用途開発/安全性向上ミラー開発
(2)自動車用品
・足元灯、カメラ内蔵等ドアミラーの付加価値商品開発/ウエルカムランプ内蔵、ハンズフリー携帯機能付インナーミラー、ドライブレコーダー機能付インナーミラー
(3)高機能ファインガラス
・各種光学フィルター、高反射ミラーの開発/高精度曲面ミラーの開発/調光フィルター(ミラー)の開発/ECD工法開発
技術援助契約 (2007年3月時点)
相手方の名称 | 所在地 | 契約の内容 | 契約期間 |
健生工廠股份有限公司 Ken Sean Factory Co., Ltd. |
台湾 | 福特六和汽車(Ford Lio Ho Motor) を除く日系自動車メーカーを含む台湾自動車メーカー向けバックミラーに関する設計、製造技術の供与 | 2007.02.01-2008.01.31 * |
Ampas Industries Co., Ltd. | タイ | バックミラーに関する設計、製造技術の供与 | 2006.12.29-2007.12.28 * |
Delloyd Industries (M) Sdn. Bhd. | マレーシア | バックミラーに関する設計、製造技術の供与 | 2006.12.05-2007.12.04 * |
福華明鏡股份有限公司 Fu-Hwa Glass Co., Ltd. |
台湾 | 國瑞汽車(Kuozui Motors)を除く日系自動車メーカーを含む台湾自動車メーカー向けバックミラーに関する設計、製造技術の供与 | 2007.04.01-2008.03.31 * |
Shefenacker Poong Jeong Co., Ltd. | 韓国 | バックミラーに関する設計、製造技術の供与 | 2007.04.01-2008.03.31 * |
TATA FICOSA Automotive Systems,LTD. |
インド | バックミラーに関する設計、製造技術の供与 |
2004.09.01から契約対象製品の納入終了まで |
FICOSA Do Brasil ,LTDA. |
ブラジル | バックミラーに関する設計、製造技術の供与 |
2004.09.01-2009.08.31 |
FICOSA INTERNATIONAL S.A. |
スペイン | バックミラーに関する設計、製造技術の供与 | 2006.06.30-2007.06.29 * |
MURAKAMI AMPAS (THAILAND) CO., LTD | タイ | バックミラーに関する設計、製造技術の供与 | 2006.07.01-2007.06.30 * |
Murakami Manufacturing U.S.A. Inc. | 米国 | バックミラーに関する設計、製造技術の供与 | 2007.01.01-2007.12.31 * |
Murakami Manufacturing (Thailand) Co.,Ltd | タイ | バックミラーに関する設計、製造技術の供与 | 2006.06.30-2007.06.29 * |
嘉興村上石崎汽車配件有限公司 Jiazing Murakami Ishizaki Corporation |
中国 | バックミラーに関する設計、製造技術の供与 | 2006.08.01-2007.07.31 * |
設備投資
設備投資額 |
(単位:百万円) |
- | 2007年3月期 | 2006年3月期 | 2005年3月期 | 2004年3月期 |
設備投資 | 3,063 | 4,315 | 2,788 | 2,137 |
ミラーシステム事業 | 3,036 | 4,259 | 2,749 | 2,101 |
ミラーシステム事業
・バックミラー製造拠点となる藤枝事業所及び大井川事業所、焼津事業所において、主に工場拡張、生産性向上のための合理化改善、並びに品質管理、新製品対応の生産準備等の設備投資を中心に実施。
・在外子会社において、生産数量拡大のため生産設備の新設を実行。
設備の新設 (ミラーシステム事業)
設備の内容 | 投資予定総額 (千円) |
着手 | 完了予定 | 完成後の 増加能力 |
村上開明堂 藤枝事業所 (静岡県藤枝市) | ||||
バックミラー製造設備 | 128,850 | 2007年3月 | 2008年3月 | ** |
ファインガラス製造設備 | 114,420 | |||
その他 | 185,314 | |||
村上開明堂 焼津事業所 (静岡県焼津市) | ||||
バックミラー製造金型 | 1,427,552 | 2007年3月 | 2008年3月 | ** |
バックミラー製造設備 | 123,200 | |||
その他 | 5,750 | |||
村上開明堂 大井川事業所 (静岡県藤枝市) | ||||
バックミラー製造設備 | 233,240 | 2007年3月 | 2008年2月 | ** |
その他 | 39,700 | |||
村上開明堂 藤枝事業所(静岡県藤枝市) | ||||
九州工場用地 | 347,769 | 2007年3月 | 2007年4月 | ** |
嘉興村上石崎汽車配件有限公司(Jiaxing Murakami Ishizaki Corp.) 本社事業所(中国浙江省) | ||||
バックミラー製造設備 | 312,110 | 2007年1月 | 2007年12月 | 生産能力 50%増 |
Murakami Ampas (Thailand) Co., Ltd. 本社事業所 (Samutprakarn, Thailand) | ||||
バックミラー製造設備 | 306,845 | 2007年4月 | 2007年12月 | 生産能力 20%増 |
Murakami Manufacturing (Thailand) Co., Ltd. 本社事業所(Ayutthaya,Thailand) |
||||
バックミラー製造設備 | 157,690 | 2007年4月 | 2007年12月 | 生産能力 15%増 |