住友電気工業 (株) 2014年3月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万円) |
2014年 3月期 |
2013年 3月期 |
増減率 (%) |
備考 | |
全社 | ||||
売上高 | 2,568,779 | 2,159,942 | 18.9 | - |
営業利益 | 120,058 | 76,790 | 56.3 | - |
経常利益 | 145,354 | 94,116 | 54.4 | - |
当期純利益 | 66,748 | 37,955 | 75.9 | - |
自動車関連事業 | ||||
売上高 | 1,350,124 | 1,070,650 | 26.1 | -ワイヤーハーネスは北米・アジア等海外が好調で、円安効果・コスト低減もあり増収増益。 -事業買収により連結範囲が拡大した東海ゴム工業も増収増益。 |
営業利益 | 71,781 | 53,116 | 35.1 |
合弁事業
<ロシア>-同社と住友電装は、2014年春をめどにロシアにワイヤーハーネスの生産、供給体制を構築すると発表。今年8月をめどにロシアの通信機器、電線メーカー「ザボッド・ラジオアパラトリー (ZRA)」と合弁で新会社を設立する。ZRAがロシア国内に持つ既存工場を活用し、新会社の生産基盤を整える。住友電工グループは現地に販売会社を設置していたが、生産拠点を持つのは初めて。ロシアに進出している自動車メーカー各社に提案活動を展開し、受注増につなげる。(2013年7月6日付日刊自動車新聞より)
事業計画
車載充電器事業に参入-電気自動車 (EV) やプラグインハイブリッド (PHV) などの電動車に搭載する車載充電器事業に参入する。車への充電だけでなく、外部への給電機能も備えた双方向型の充電器を開発した。車から家庭や電気製品に給電する用途への需要も高まると見て自動車メーカーに提案し、早期の受注を目指す。(2013年12月5日付日刊自動車新聞より)
2015年3月期の見通し |
(単位:百万円) |
2015年3月期 (予測) |
2014年3月期 (実績) |
増減率 (%) |
|
売上高 | 2,700,000 | 2,568,779 | 5.1 |
-自動車関連事業売上高 | 14,000 | 13,510 | 3.6 |
営業利益 | 125,000 | 120,058 | 4.1 |
経常利益 | 142,000 | 145,354 | (2.3) |
当期純利益 | 111,000 | 66,748 | 66.3 |
-2015年3月期の自動車関連事業の売上高は、ワイヤーハーネス、東海ゴム工業ともに需要が引き続き堅調で増収となる見込み。両事業の今後の取り組み方針は以下の通り:
- ワイヤーハーネス:自動車の軽量化に寄与するアルミハーネスや環境対応車向けの高電圧ハーネス等の開発・拡販に引き続き注力していく。
- 東海ゴム工業:防振ゴム・ホースにおいて、2013年に買収した事業との相乗効果の最大化を図るとともに、グローバルサプライヤーとして世界各地での供給体制を確立する。
中期経営計画
-2013年、同社は2018年3月期を最終年度とする、新中期経営計画「17VISION」を発表。数値目標は以下の通り:(単位:億円) |
2015年3月期 (予測) |
2016年3月期 (目標) |
2018年3月期 (中計最終年度目標) |
|
売上高 | 27,000 | 26,000 | 30,000 |
営業利益 | 1,250 | 1,300 | 1,800 |
営業利益率 | 4.6% | 5.0% | 6.0% |
自動車関連事業
-同社は中期経営計画達成のため、コア事業としてのハーネス/コネクター、防振ゴム事業のさらなる拡大に加え、以下戦略を実行していく:
1) 非日系市場シェアの拡大
- ハーネス/コネクター、防振ゴムの市場シェアの拡大
- 軽量化 (アルミハーネス等)、モジュール化への対応
- エレクトロニクス製品 (セントラルゲートウェイ等) の拡大
- 次世代自動車/環境対応車向け製品 (アイドリングストップ・システム関連製品等) の投入
- 最適地生産の追求
- 自働化技術の開発
開発動向
研究開発費 |
(単位:百万円) |
2014年3月期 | 2013年3月期 | 2012年3月期 | |
全社 | 99,520 | 94,287 | 86,582 |
-自動車関連事業 | 62,069 | 57,866 | 49,017 |
-2015年3月期の研究開発費は、全社98,000百万円、自動車関連事業61,000百万円を計画している。
研究開発活動
ワイヤーハーネス/車載エレクトロニクス機器事業-同社と住友電装、および両社の共同出資によるオートネットワーク技術研究所を中心に、安全・快適・環境のニーズに対応した新製品の開発を実施。
-ワイヤーハーネス:
- 次世代車載システムに対応できるハーネスアーキテクチャーを構築し、それに必要な要素技術の開発を推進している。
- 環境対応としてハーネスの軽量化に取り組んでおり、銅に比べ軽量なアルミを使ったワイヤーハーネスを量産し、さらに適用範囲拡大の取り組みを進めている。
- 市場規模が拡大している電気自動車/ハイブリッド車用高圧ハーネスやコネクター、バッテリー内配線モジュール等の開発を推進している。
-車載エレクトロニクス機器:
- 電動系、情報系のネットワーク化に対応すべく、PD (Power Distributor) 等のエレクトロニクス機器や半導体デバイス、ボディ制御ECU、次世代の車載LAN (Local Area Network) の開発をソフトウェアを含めて推進している。
低コスト化、環境対応、乗り心地性向上、グローバル対応に資する先進技術開発を推し進めている。
設備投資
設備投資額 |
(単位:百万円) |
2014年3月期 | 2013年3月期 | 2012年3月期 | |
全社 | 150,823 | 147,883 | 135,039 |
-自動車関連事業 | 88,237 | 76,914 | 60,498 |
-自動車関連事業では、ワイヤーハーネス・防振ゴムの増産および合理化のための投資を実施。
設備投資の見通し (2015年3月期)
-全社で160,000百万円の投資を計画。-自動車関連事業では、ワイヤーハーネスと防振ゴムの製造設備等に85,000百万円の投資を予定している。