三菱電機 (株) 2014年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2014年
3月期
2013年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 4,054,359 3,567,184 13.7 -
営業利益 235,172 152,095 54.6 -
当期純利益 153,473 69,517 120.8 -
産業メカトロニクス
売上高 1,089,109 918,123 18.6 -北米・国内での新車販売の好調、中国での自動車メーカーの販売増、円安が寄与
営業利益 98,079 60,592 61.9 -

経営方針

会社の経営の基本方針
-三菱電機グループは、コーポレートステートメント「Changes for the Better」に基づき、変革に挑戦し、常により良い明日への探求を続けるとともに、「成長性」「収益性・効率性」「健全性」の3つの視点による「バランス経営」を継続し、持続的成長を追求する。

-2013年、今後の経営戦略を発表。自動車機器事業は、電気自動車 (EV) とハイブリッド車 (HV) 向け高効率システムの開発に取り組むほか、情報通信分野にも力を入れる。日本、タイ、メキシコで生産最適化なども進め、2015年度の自動車機器事業の売 上高を現在の5200億円から25%増の6500億円へ増やす計画だ。(2013年5月21日付日刊自動車新聞より)

目標とする経営指標
-継続的に達成すべき経営指標として「営業利益率5%以上」「ROE 10%以上」「借入金比率15%以下」の3項目を設定。
-2014年3月期は営業利益率は5.8%、ROE 10.9%、借入金比率は10.3%を達成。

2015年3月期の見通し

(単位:百万円)
  2015年3月期
(予測)
2014年3月期
(実績)
増減
(%)
売上高 4,180,000 4,054,359 3.1
営業利益 250,000 235,172 6.3
当期純利益 175,000 153,473 14.0

>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

開発動向

研究開発費

(単位:億円)
2014年3月期 2013年3月期 2012年3月期
全社 1,789 1,772 1,696
-産業メカトロニクス 634 589 549

研究開発体制

-国内研究所、海外研究所 (米、欧) および製作所・連結子会社の開発部門において、基礎研究から応用研究、製品化開発、生産技術開発を推進。また、国内外の大学、研究機関等と連携した研究開発活動を推進。

研究開発活動

産業メカトロニクス
-モーターおよびその関連製品、メカトロ機器、FA制御システム機器、電動パワーステアリングなどの自動車用電装品、カーマルチメディア機器などの開発を実施。

-2014年3月期の主な成果は以下の通り。
  • コンセプトEV「EMIRAI 2」
  • オーディオナビシステム「DIATONE SOUND. NAVI」
  • 車両用電動過給機
  • 大型ディーゼルエンジン用高出力スターター
  • 車載情報システムにおける省エネルギー走行支援技術

製品開発

計器類
-計器やカーナビの画面にスマートフォン (スマホ) のナビゲーション情報などを表示する技術を開発。スマホの情報を抜粋し、状況に応じて見やすい方の画面に表示する。同社はカーナビや車載ディスプレーを手がけているが、計器類の開発は初めて。スマホやディスプレー同士を連携させる技術を強みに、2016年を目標に計器分野への参入を目指す。(2013年11月29日付日刊自動車新聞より)

インテリジェントGUI搭載液晶モジュール
-産業用TFT液晶モジュール「DIAFINE (ダイアファイン)」の新製品「インテリジェントGUI (グラフィック・ユーザー・インターフェース) 搭載液晶モジュール」を開発したと発表。車載用途としてメーターパネルやカーナビゲーションシステムへの採用を想定している。(2013年5月8日付日刊自動車新聞より)

車載ディスプレイ
-さまざまな曲面や形状に自然な映像表示ができる光学エンジンの搭載により、車内空間のデザインと一体化した車載ディスプレイを実現するディスプレイシステムを開発。従来では表示するスクリーンの形状に合わせて多様な光学エンジンが必要であったが、今回、同一の光学エンジンでさまざまなデザインのスクリーンへの表示を可能にした。また、スクリーンで発生する歪みを考慮して入力映像を変形させることにより、さまざまな曲面や楕円・三角などの形状のスクリーンに歪みのない自然な画像を表示する。これらにより、曲面の多い車内デザインと一体化する車載ディスプレイを実現する。(2013年2月7日付プレスリリースより)

SiC (炭化ケイ素) パワー半導体モジュール
-自動車用のSiC (炭化ケイ素) パワー半導体モジュールを開発する。電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)など電動車両のインバーターに搭載する製品として、早ければ2018年にも量産を始める方向で検討している。パワー半導体にSiCを使用することで、駆動用モーターに不可欠なインバーターの小型・軽量化や冷却効率の改善といった効果があり、今年5月に鉄道車両や産業機器など向けに発売している。駆動の電動化が進む自動車向けの需要拡大を見込んで、早期の製品化を目指す。(2013年7月9日付日刊自動車新聞より)

インバーター駆動用車載パワー半導体モジュール
-2013年、電気自動車 (EV) やハイブリッド車 (HV) に搭載するモーターのインバーター駆動用車載パワー半導体モジュールの新シリーズとしてIGBTを6素子搭載した「J1シリーズ」2品種を9月30日からサンプル提供を開始すると発表。新製品は、6イン1化により、従来の2イン1製品を3台使用した場合に比べて実装床面積を約80%に縮小し、インバーターの小型化に貢献する。また、同社独自の「キャリア・ストアード・トレンチ―ゲート・バイポーラ・トランジスタ」構造を採用した第6世代IGBTの搭載で、コレクタ・エミッタ間飽和電圧を、同社従来製品より約15%低減し、低消費電力化に貢献する。(2013年5月15日付日刊自動車新聞より)

新開発拠点

-三菱電機は、産業用・車載用液晶モジュールに関する新技術および製品開発の加速を図るため、熊本県菊池市に技術管理棟を建設すると発表した。生産拠点であるメルコ・ディスプレイ・テクノロジーの泗水工場に隣接して建設する予定で、同社の開発・設計部門である液晶事業統括部を熊本県合志市から移転する。投資額は約10億円 (9.7百万ドル) で、延床面積は約4,000平方メートル。2015年1月から稼働を開始する予定。(2013年10月22日付プレスリリースより)

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
2014年3月期 2013年3月期 2012年3月期
全社 173,968 164,626 167,500
-産業メカトロニクス 48,550 53,376 45,271

-産業メカトロニクス事業においては、FA機器および自動車用機器における増産等を目的として投資を実施。

設備の新設計画

(単位:百万円)
2014年3月期
(計画)
主な内容・目的
全社 210,000 -
-産業メカトロニクス 55,000 FA機器および自動車用機器の増産等

海外投資

<米国>
-2013年、米子会社の三菱電機オートモーティブ・アメリカに約70億円を投資し、自動車用電装品の生産体制を強化すると発表。メイソン本社工場 (オハイオ州) とメイズビル工場 (ケンタッキー州) の生産設備を増強し、高効率オルタネーターと電動パワーステアリング用モーターコントロールユニットを現地で量産する。両製品とも2016年に年間約130万台の生産を目指す計画だ。新車市場が一時の落ち込みから回復に向かう米国では、燃費規制の強化に伴い低燃費化への要求が高まっている。燃費向上に貢献する製品を投入し、現地での事業規模を拡大する。(2013年10月9日付日刊自動車新聞より)

<メキシコ>
-2013年、メキシコ・ケレタロ州に自動車電装部品を製造販売する子会社「三菱電機オートモーティブ・メキシコ」を設立したと発表。工場を新設し、2014年10月に操業を始める。メキシコは、自動車メーカーが生産能力の増強や新規進出を相次いで打ち出している。現地への新拠点開設により伸長する北米や南米市場で、日本と米国メーカーからの受注拡大を図り、17年度に売上高300億円を目指す。 (2013年3月21日付日刊自動車新聞より)