(株) ジェイテクト 2014年3月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万円) |
2014年 3月期 |
2013年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 1,260,192 | 1,067,526 | 18.0 | - |
営業利益 | 58,207 | 29,158 | 99.6 | - |
経常利益 | 61,856 | 34,240 | 80.7 | - |
当期純利益 | 23,384 | 13,862 | 68.7 | - |
機械器具部品 | ||||
売上高 | 1,104,233 | 921,798 | 19.8 | -ステアリングの販売が大幅に増加。 |
営業利益 | 52,027 | 17,494 | 197.4 | -増収および円安の効果等。 |
事業動向
ラックパラレル式電動パワーステアリング市場参入-2016年にもラックパラレル式の電動パワーステアリング (RP-EPS) 市場に参入する。RP-EPSはEセグメント以上の大型車、スポーツ車向けのシステム。競合他社の同等軸力製品に対して減速部外径を約15%小型化した新製品を開発した。軽量化や足回りの設計自由度を高める効果も期待できる。世界展開を視野に入れて既存製品と部品を共通化しながら実用化しており、16年以降は日米欧、アジアで供給体制を構築する。同分野は独ZFや米TRWが製品化しているが、操舵性能や搭載性を高めた新製品を用意して受注を目指す。(2013年11月29日付日刊自動車新聞より)
パワーステアリング販売計画
-2016年3月期までにパワーステアリングの生産、販売を年1,500万台規模に拡大する方針を明らかにした。2014年3月期の生産、販売規模は年1,300万台程度で推移している。電動パワーステアリング分野で新製品を積極投入。さらにグローバル供給体制の拡充によって、受注増に結びつける。(2013年11月22日付日刊自動車新聞より)
軽自動車向けコラム式電動パワーステアリングを増産
-軽自動車向けに開発した次世代タイプのコラム式電動パワーステアリング (C-EPS) の増産を始めた。同製品は2012年末にダイハツ工業 「Move」向けに供給開始したもので、重量を2割、部品点数を3割低減した同社製品のなかで最軽量クラスの新型EPS。三菱自動車 「eK Wagon」、ダイハツ 「TanTo」でも受注を拡大し、供給体制を拡充することになった。C-EPSの中核生産拠点となる奈良工場 (奈良県橿原市) で今秋から増産体制を構築。生産シフトなどを見直し、生産量を従来の月約5万台から4割増の月約7万台に増やした。(2013年10月23日付日刊自動車新聞より)
2015年3月期の見通し |
(単位:億円) |
2015年3月期 (予測) |
2014年3月期 (実績) |
増減 (%) |
|
売上高 | 12,700 | 12,601 | 0.8 |
営業利益 | 630 | 582 | 8.2 |
経常利益 | 620 | 618 | 0.3 |
当期純利益 | 350 | 233 | 50.2 |
2015年3月期 事業別売上高の見通し |
(単位:億円) |
2015年3月期 (予測) |
2014年3月期 (実績) |
増減 (%) |
|
機械器具部品計 | 11,070 | 11,042 | 0.3 |
-ステアリング | 6,005 | 5,991 | 0.2 |
-ベアリング | 3,675 | 3,653 | 0.6 |
-ドライブライン | 1,390 | 1,397 | (0.5) |
工作機械等計 | 1,630 | 1,559 | 4.6 |
合計 | 12,700 | 12,601 | 0.8 |
>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)
開発動向
研究開発費 |
(単位:百万円) |
2014年3月期 | 2013年3月期 | 2012年3月期 | |
全社 | 40,151 | 36,355 | 34,704 |
日本の研究開発拠点
事業部 | 名称 | 所在地 |
自動車部品事業本部 | 東部テクニカルセンター | -神奈川県 横浜市 |
中部テクニカルセンター | -愛知県 岡崎市 | |
西部テクニカルセンター | -奈良県 橿原市 | |
軸受事業本部 | 東部テクニカルセンター | -神奈川県 横浜市 |
中部テクニカルセンター | -愛知県 豊田市 | |
西部テクニカルセンター | -大阪府 柏原市 |
製品開発
ステアリング部門-大型車にも採用可能な高出力 (従来比30%以上の高出力化) の電動パワーステアリングの開発に注力している。2011年に欧州OEM向けに生産を開始したデュアルピニオン式電動パワーステアリング (DP-EPS) の更なる進化に取り組む一方で、アシスト用モータ動力をボールねじ機構を介して直接出力軸へ伝えるラックパラレル式電動パワーステアリング (RP-EPS) を新たに市場に投入すべく取り組んでいる。
駆動系部品
-高性能新電磁クラッチを用いた第3世代電子制御AWD (全輪駆動) カップリングITCC (Intelligent Torque Controlled Coupling) を開発した。これはAWDシステムにおいて最適なトルク配分を実現する。このITCCの低温環境下における流体の粘性低下により起こる性能変化を、電磁クラッチの表面形状などを改良することにより、引きずりトルクは50%低減、トルクの温度依存性は85%低減の改善に成功した。
ベアリング部門
-ピックアップトラックや大型SUV向けに次世代型のテーパーローラーハブユニットを開発し、量産を開始したと発表した。従来型はハブユニットとハブシャフトを別々に配置していたが、新型はユニットの一部とシャフトを一体化。設計の最適化により、強度や剛性の向上と軽量化を両立した。軸強度を従来に比べて20倍に引き上げた上で、車両1台当たり600グラムの軽量化に貢献する。シーリング機能の改良によって耐泥塩水性を2倍に向上し、砂漠や寒冷地などの過酷な環境にもマッチする製品に仕上げた。第1弾として米国メーカーの新型車向けを受注し、2013年12月から納入を開始した。米・サウスカロライナ州の工場で生産している。今後、日米の自動車メーカーのピックアップトラックやSUV向けを受注し、年36億円程度の売り上げ規模を目指す。(2014年3月7日付日刊自動車新聞より)
設備投資
設備投資額 |
(単位:百万円) |
2014年3月期 | 2013年3月期 | 2012年3月期 | |
全社 | 76,457 | 109,602 | 65,864 |
-機械器具部品 | 67,807 | 95,771 | 59,289 |
機械器具部品
-2014年3月期は、主に新興国をはじめとした各地域の生産拠点の増強整備、大型軸受技術開発センターの開設等に投資。
国内投資
-2015年度までに奈良工場 (奈良県橿原市) で手掛けるパワーステアリングの生産規模を現状の約2割増となる月産50万台強に拡大する。奈良工場は同製品の中核工場。部品事業の主力製品となる電動パワーステアリング (EPS) でホンダとの取引を約20年ぶりに復活し、新型「Fit」向けにコラム式EPSの供給を開始した。中堅メーカーが13年度後半に全面改良する主力車種向けのコラム式EPSも生産する。国内総需要は増加が期待できない状況だが、主要納入先のトヨタ自動車向けに加えて日系各社への受注活動が順調なことから増産する。(2013年10月8日付日刊自動車新聞より)海外投資
<ブラジル>-ブラジルの生産子会社ジェイテクト・オートモーティバ・ブラジルでコラム式電動パワーステアリング (EPS) の一貫生産を開始すると発表。工場を拡張し、EPSの生産ラインを新設した。2月から新ラインを稼働しており、順次、生産を本格化する。投資額は約30億円。従来、ブラジル工場では油圧パワーステアリングなどを手がけており、EPSは日本からコラムユニットを輸出して現地でアセンブリーしていた。自動車メーカー各社の現地化ニーズに対応し、最適な供給体制を確立する。(2014年3月26日付日刊自動車新聞より)
<メキシコ>
-2016年3月期をめどにメキシコに初の生産拠点を設置すると発表。14年2月に生産子会社ジェイテクト・オートモーティブ・メキシコを設立し、サンルイスポトシ州で工場の建設に着手する。15年末から電動パワーステアリング (EPS) を生産開始する。投資額は約80億円で、年90万台の生産能力を確保する。日産自動車、ホンダ、マツダなどが現地生産を拡大する傾向にある。こうした日系メーカー向けに供給体制を構築し、競争力を高める。 (2013年12月25日付日刊自動車新聞より)
<中国>
-中国江蘇省無錫市の軸受製造子会社2社を移転新築し、開所式を行ったと発表。無錫光洋軸承有限公司 (WKB)、光洋滾針軸承 (無錫) 有限公司 (KNBW) を近隣のフータイ工業園に移転した。移転に伴い、WKBでは小型玉軸受の生産設備の一部を更新するとともに、ラインやストアを集約し工場内の物流効率を高めた。KNBWではロッカーアームの生産ラインを新設し、現地生産体制を構築した。今後、設備更新、生産能力の向上により、生産性や品質をさらに高める。2014年には生産量を約3倍に拡大することを目指す。(2013年6月1日付日刊自動車新聞より)
<韓国>
-韓国子会社Koyo Jico Korea Co., Ltd.は、京畿道の平澤 (Pyeongtaek) 市に位置する工場を同市の玄谷工業団地 (Hyeongok Industrial Park) 内に移転したと発表。ウォーターポンプベアリングを生産し、現代・起亜自動車などに供給する。設備投資額は1,300万ウォン。Koyo Jico Koreaはジェイテクトと韓国のJico Korea Co., Ltd.の合弁会社で、2003年に設立された。出資比率はジェイテクトが84.4%、Jicoが15.6%。(2013年5月15日付プレスリリースより)
設備の新設計画 |
(2014年3月31日現在) |
事業所名 | 所在地 | 設備の内容 | 投資予定 総額 (百万円) |
着手 | 完了 予定 |
香川工場 | 香川県 東かがわ市 |
機械器具部品 製造設備等 |
3,700 | 2014年 4月 |
2015年 3月 |
国分工場 | 大阪府 柏原市 |
機械器具部品 製造設備等 |
2,000 | 2014年 4月 |
2015年 3月 |
刈谷工場 | 愛知県 刈谷市 |
機械器具部品 製造設備等 |
1,700 | 2014年 4月 |
2015年 3月 |
ダイベア (株) 本社・和泉工場ほか |
大阪府 和泉市 |
機械器具部品 製造設備等 |
1,100 | 2014年 4月 |
2015年 3月 |
JTEKT (Thailand) Co., Ltd. | タイ バンパコン郡 |
機械器具部品 製造設備等 |
8,900 | 2014年 4月 |
2015年 3月 |