(株) ユニバンス 2016年3月期の動向
業績 |
(単位:百万円) |
2016年 3月期 |
2015年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 63,087 | 64,781 | (2.6) |
-海外拠点は北米・アジアともに増収となったが、日本の四輪駆動配分装置、農業車両用トランスミッションおよび自動車用部品の販売減少により、ほぼ前年並み。 |
営業利益 | 160 | 770 | (79.1) | -日本拠点における売上減少および生産ロスの発生。 -海外拠点の強化に伴う費用発生などにより、減益。 |
経常利益 | (348) | 1,811 | - | -円安に伴う海外資産の評価損 (マイナス5.8億円) により、減益。 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | (604) | 1,779 | - | -事業構造改善費用の計上等により、減益。 |
ユニット事業 | ||||
売上高 | 35,938 | 37,200 | (3.4) | -日本での販売減少たあったものの、北米とアジアの四輪駆動配分装置の販売拡大により、ほぼ前年並み。 |
営業利益 | 320 | 1,276 | (74.9) | -海外拠点の売上の増加があったものの、国内における売上減少および生産ロスの発生により、減益。 |
部品事業 | ||||
売上高 | 27,078 | 27,507 | (1.6) | -日本地域での販売減少があったものの、米国の駆動系部品の販売拡大により、ほぼ前年並み。 |
営業利益 | (250) | (612) | - | -海外拠点の売上の増加があったものの、国内における売上減少および生産ロスの発生。 -海外拠点の強化に伴う費用発生などにより、赤字継続。 |
生産動向
<タイ>
-タイで四輪駆動装置の生産能力を1.5倍に増やす。新工場を建設し、2016年に稼働する。タイでは日産自動車とFord Motorに同製品を納入している。タイで輸出車の生産が増加していることによる需要の増加に対応する。四輪駆動装置は主に日産向けの販売が増えていく見通しで、タイのほか、米国、インドネシアでも生産している。タイ新工場では自動化や品質を徹底したラインを導入し、生産性の2割向上を目指す。(2015年7月29日付日刊自動車新聞より)
取り組む課題
-国内拠点における生産量の減少に対応した事業構造の変革および拡販活動の推進
- 国内工場再編
- 新規拡販戦略の実行
- 製品競争力強化へ向けた活動の推進
-海外拠点においては、急激な事業拡大に伴う立上費用の増加により圧迫している収益力の強化。
- 集中的な収益力向上活動の推進
中期事業戦略
-ビジョン「独立メーカーとして技術を中心に生きて行く」
-中期経営方針:以下を方針として、事業構造改革に取り組む。
- 「全社体質改善の徹底により、足元を固め筋肉質な企業体を築くこと」
- 「市場、顧客ニーズに合致した高付加価値製品を効率的にビジネス展開すること」
-施策
- 製品・技術開発力強化
- グローバル調達と海外拠点の強化
- 製品競争力と収益力の向上
- 「ユニバンス流ものつくり」 (UNIVANCE Production Way) の革新
- 新技術の実用化による次世代ビジネスの確立
2017年3月期の見通し |
(単位:百万円) |
2017年3月期 (予測) |
2016年3月期 (実績) |
増減 (%) |
|
全社 | |||
売上高 | 60,000 | 63,087 | (4.9) |
営業利益 | 1,000 | 160 | 525.0 |
経常利益 | (400) | (348) | - |
親会社株主に帰属する当期純利益 | (400) | (604) | - |
研究開発費 |
(単位:百万円) |
2016年3月期 | 2015年3月期 | 2014年3月期 | |
全社 | 1,161 | 1,359 | 1,430 |
売上高に占める割合 (%) | 1.8 | 2.1 | 2.2 |
研究開発体制
-研究開発は商品開発部を中心に実施しており、2016年3月末時点の研究開発スタッフは90名 (総従業員の約5.2%に相当)。
研究開発活動
1) ユニット事業
-ユニット事業内の全ての事業に共通した同社の開発方針として、以下3つの方針をもとに、コスト競争力の高い製品群、高度な制御技術を駆使した高付加価値な新製品の開発を実施。
- 高度メカトロニクスによる高機能化の追求
- 地域別に最適な製品とモノつくりの追求
- 環境性能とコストの両立
<自動車用の変・減速機>
-バン・トラック等の小型、中型商用車向けのマニュアルトランスミッションは、燃費向上、排ガス規制等の環境対応、エンジンの高出力化対応、およびドライバーへの負担軽減をより一層配慮した自動化のための研究開発に取り組んでいる。
-ハイブリッドおよび電気自動車の様々な車両レイアウトに対応した減速機の研究開発を強化。
<四輪駆動装置>
-主力商品であるトランスファーユニットは、グローバルに市場が拡大する中、ピックアップトラック、SUV、CUV用製品の研究開発に重点を置き、ラインアップ化と軽量・コンパクト化を図る開発、および更なる競争力を高める技術開発に取り組んでいる。
2) 部品事業
-燃費性向上やドライバーへの負担軽減を目的とした、無段変速機用の高精度部品の開発を推進している。
-今後は、さらに製品競争力を高めるために、歯車、動力伝達軸、コンパニオンフランジなどのコア製品を中心に、材料・工法技術、および設計要素技術の研究開発に重点的に取り組んでいく方針。また、海外生産の増加に対し、材料を含めた部品現地化を推進。
製品開発
軽量次世代トランファー
-SUVやピックアップトラックなど大型四輪駆動 (4WD) 車用の次世代型トランスファーの開発に着手した。トランスファーケースの一部を樹脂化するなど大掛かりな材料置換も検討しており、現行品に比べて2~3割の軽量化を目指す。今後、自動車メーカーへの提案活動も強化し、2021年頃に次世代品の出荷開始を目指す。世界的に根強い需要がある大型四輪駆動車でも環境志向が高まっている。駆動部のコアとなるトランスファーで大幅な軽量化を実現することにより、商品競争力を強化する。(2016年7月20日付日刊自動車新聞より)
設備投資額 |
(単位:百万円) |
2017年3月期 (予測) |
2016年3月期 (実績) |
2015年3月期 (実績) |
2014年3月期 (実績) |
|
ユニット事業 | 3,035 | 3,401 | 1,832 | 2,026 |
部品事業 | 763 | 1,960 | 2,563 | 1,946 |
その他 | - | 6 | 6 | 7 |
合計 | 3,799 | 5,367 | 4,402 | 3,980 |
-2016年3月期、2017年3月期ともに、主に新規立ち上がりおよび設備の増産投資を実施 (予定)。