(株) ユニバンス 2015年3月期の動向

業績

(単位:百万円)
2015年
3月期
2014年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 64,781 64,624 0.2 -
営業利益 770 1,462 (47.3) -海外拠点の強化に伴う費用発生。
経常利益 1,811 1,805 0.3 -
当期純利益 1,779 1,653 7.6 -
ユニット事業
売上高 37,200 36,166 2.9 -四輪駆動装置の販売増。
営業利益 1,276 1,304 (2.1) -海外拠点の強化に伴う費用発生。
部品事業
売上高 27,507 28,390 (3.1) -国内生産の減少。
営業利益 (612) 69 - -売上の減少。

受注

<ルノー日産>
-日産・ルノーからFF車用の四輪駆動装置 (トランスファー) を受注し、グローバルで供給を始めた。米国、タイ、インドネシアで生産し、2015年度に13年度の1.7倍に当たる年間50万台分を供給する計画だ。日産車では搭載が始まっており、ルノー向けにも供給する。日産自動車とルノーが部品共用化構想「コモンモジュールファミリー」(CMF) でグローバルに共用していく標準部品として採用された。同装置は日産のコンパクトSUV向けに国内で採用された実績がある。「ムラーノ」、「パスファインダー」といった車種にも搭載されている。今回、CMFの第1弾となった新型「エクストレイル」にも採用され、部品を共用化するルノー車にも基本仕様を共通化した装置を供給する。同社ではこれまでルノーとの取引実績はほとんどなかった。ルノーはこれまでFF用四輪駆動装置を欧州の部品メーカーから調達していたが、CMFの第1弾となるC・Dセグメント車用はユニバンス製に切り替わることになる。(2014年7月9日付日刊自動車新聞より)

事業再編

-浜松工場の生産終了計画を凍結すると発表した。国内生産体制の再編計画に基づき2014年度末までの生産終了を予定していたが、減産計画当初の見込みよりも遅れていることなど、今後の生産動向を踏まえ、生産活動を当面継続する。生産継続を決めたことにより、今後は生産効率化、省スペース化の活動を優先して進め、国内3工場の再編は16年度末をめどに改めて計画する。(2014年11月19日付日刊自動車新聞より)

事業方針

-将来の環境対応車を見据えた競争力がある低燃費な製品の開発、多品種少量生産を低コストで行う「ユニバンス流ものつくり」 (UNIVANCE Production Way) の強化と新技術の実用化を推進。グローバル販売戦略を達成するべく、経営資源の効率的な再配置を行い、製品競争力と収益力の向上を目的に以下の施策を実施している。

  • 技術開発による商品競争力の強化とビジネスの拡大
  • 海外3拠点 (北米・インドネシア・タイ) の強化・拡大
  • 国内拠点の再編と経営リソースの最適化

2016年3月期の見通し

(単位:百万円)
2016年3月期
(予測)
2015年3月期
(実績)
増減
(%)
全社
売上高 66,000 64,781 1.9
営業利益 1,000 770 29.7
経常利益 900 1,811 (50.3)
当期純利益 700 1,779 (60.7)


>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

研究開発費

(単位:百万円)
2015年3月期 2014年3月期 2013年3月期
全社 1,359 1,430 1,371
売上高に占める割合 (%) 2.1 2.2 2.1

研究開発体制

-研究開発は商品開発部を中心に実施しており、2015年3月末時点の研究開発スタッフは98名 (総従業員の約8.4%に相当)。

研究開発活動

1) ユニット事業
-ユニット事業内の全ての事業に共通した同社の開発方針として、以下3つの方針をもとに、コスト競争力の高い製品群、高度な制御技術を駆使した新製品の開発を実施。

  • 高度メカトロニクスによる高機能化の追求
  • 地域別に最適な製品とモノ造りの追求
  • 環境性能とコストの両立

<自動車用の変・減速機>
-バン・トラック等の小型、中型商用車向けのトランスミッションは、燃費向上、排ガス規制等の環境対応、エンジンの高出力化対応、およびドライバーへの負担軽減をより一層配慮した自動化のための研究開発に取り組んでいる。
-ハイブリッドおよび電気自動車の様々な車両レイアウトに対応した減速機の研究開発を強化。

<四輪駆動装置>
-主力商品であるトランスファーユニットは、グローバルに市場が拡大する中、ピックアップトラック、SUV、CUV用製品の研究開発に重点を置き、ラインアップ化と軽量・コンパクト化を図る開発、および更なる競争力を高める技術開発に取り組んでいる。

2) 部品事業
-燃費性向上やドライバーへの負担軽減を目的とした、無段変速機用の高精度部品の開発を推進している。
-今後は、さらに製品競争力を高めるために、歯車、動力伝達軸、コンパニオンフランジなどのコア製品を中心に、材料・工法技術、および設計要素技術の研究開発に重点的に取り組んでいく方針。また、海外生産の増加に対し、材料を含めた部品現地化を推進。

技術開発

フルトロイダルトラクションドライブ機構のディスクとローラーの量産化技術
-英国の自動車用エンジニアリング会社Torotrakと共同で、フルトロイダルトラクションドライブ機構のディスクとローラーの量産化技術を開発したと発表した。フルトロイダルトラクションドライブ機構は、CVTの動力伝達方式の一種。両社は今後、グローバルの自動車メーカーやトランスミッションメーカーとともに、製品化を進める計画。(2014年5月21日付プレスリリースより)

設備投資額

(単位:百万円)
2015年3月期 2014年3月期 2013年3月期
ユニット事業 1,832 2,026 1,981
部品事業 2,563 1,946 2,001
その他 6 7 2
合計 4,402 3,980 3,986


-主に、新規立ち上がりおよび設備の増産投資を実施。

国内投資

<本社工場>
静岡県湖西市の本社工場に無段変速機(CVT)用プーリーの生産ラインを新設する。ホンダからの受注が増えていることに対応するもので、新ラインの稼働によりホンダ向けプーリーの国内生産量は、現状に比べて3割以上の増加となる見通しだ。CVT用プーリーの生産は6月から米国工場でも開始した。国内外でホンダ向けの供給体制を拡充することによりプーリーの売り上げ拡大につなげる。(2014年7月25日付日刊自動車新聞より)

設備の新設計画

(2015年3月31日現在)
計画金額
(百万円)
主な内容・目的
ユニット事業 4,449 機械加工設備、新規立ち上がり等
部品事業 1,408 機械加工設備、新規立ち上がり
合計 5,857 -