タカタ (株) 2014年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2014年
3月期
2013年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 556,998 415,521 34.0 -円安効果、全地域で二桁成長を達成したことが寄与
営業利益 26,275 14,493 81.3 -
経常利益 25,656 17,050 50.5 -
当期純利益 11,144 (21,122) - -
セグメント別売上高
日本 73,485 64,716 13.5 -上半期は自動車生産高が減少したものの、下半期は景気の復調、消費税増税前の需要増で回復基調となった。
米州 227,804 166,642 36.7 -景気が堅調に推移したため、自動車生産および販売が増加。円安効果も寄与。
欧州 148,587 108,590 36.8 -下半期にかけて各国の自動車生産高が回復基調に転じたこと、および円安効果が寄与。
アジア 107,120 75,752 41.4 -タイやインドで自動車生産高が減少したものの、中国やその他アジア各国の増産分が減少分を上回った。
-円安効果も寄与。

新会社

-ハンガリーに子会社「Takata Safety Systems Hungary Kft.」を設立。同国Miskolcに新工場を建設し、欧州自動車メーカー向けにエアバッグおよびエアバッグ部品を生産する。2014年10月に操業を開始し、最大1,000名の従業員を雇用する予定。

2015年3月期の見通し

(単位:百万円)
  2015年3月期
(予測)
2014年3月期
(実績)
増減 (%)
売上高 560,000 556,998 0.5
営業利益 25,000 26,275 (4.9)
経常利益 24,500 25,656 (4.5)
当期純利益 16,000 11,144 43.6

-2015年3月期の各セグメント別の売上動向予測:
  • 日本:増税に伴い自動車販売が減少するため、前年比9.2%の減少
  • アジア:タイは政情不安等の影響で前年比15.8%の減少を見込むが、中国では同10.5%増加
  • 米州:北米は前年比1.2%増加を見込むが、南米では需要の減少とレアル安による材料費の高止まりを受け、同10.3%減少
  • 欧州:前年比で0.4%の微増にとどまる見込み

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
  2014年3月期 2013年3月期 2012年3月期
日本 2,470 3,140 5,032
米州 8,991 6,991 6,576
欧州 9,186 7,461 5,721
アジア 2,302 1,916 1,297
調整額 125 42 (366)
合計 23,075 19,552 18,261
-売上に占める割合 (%) 4.1 4.8 4.7

-2015年3月期の研究開発費は、前年度比12.6%増の26,000百万円 (売上高に占める割合:4.6%) を計画。
製品別内訳
  • エアバッグ:43%
  • シートベルト:25%
  • その他製品:32%
地域別内訳
  • 欧州:38%
  • 米州:37%
  • 日本:13%
  • アジア:12%

研究開発体制

-研究開発拠点は、日本 (滋賀)、米国 (デトロイト)、欧州 (ベルリン) の3極に設置。

-中国 上海市に新R&Dセンターを建設中。2014年12月に完成する見通し。

製品開発

中空梁構造を採用したカーテンエアバッグ
-世界で初めて中空梁構造を採用したカーテンエアバッグ「Dシェイプカーテンエアバッグ」を開発し、生産を開始したと発表。日系自動車メーカーが日本で生産し、北米に輸出するモデルに採用された。ガス発生装置を従来並みの性能としながらも、エアバッグの厚みを2倍にし、乗員保護性能を高めた。カーテンエアバッグはサイドウインド上部のルーフラインに沿って搭載されており、側面衝突などの際に、前席から後席までのサイドウインドを覆うように膨らんで乗員の頭部を保護する。(2013年7月3日付日刊自動車新聞より)

フロントセンターエアバッグ
-GMと共同でフロントセンターエアバッグを開発。側面衝突時に運転席の背もたれの中央側からエアバックが膨張。前席乗員をシートに留め、頭部や上胴部が反対側のインテリアや隣りの乗員にぶつかることで受ける傷害を軽減するという。GMの2013年モデルから搭載されており、すでに量産開始。また、PACE Awardで「2013 Inovation Partnership」を受賞。

アクティブステアリングホイール
-同製品は走行速度や運転状況に応じて操舵角を制御し、安全運転を支援するシステム。従来のシステムから大幅に小型化を実現。すでに製品化開発は完了しており、2015年に量産化予定。

運転者血中アルコール検出システム
-米国運輸省 (NHTSA)、 およびACTS (Automotive Coalition of Traffic Safety) と運転者血中アルコール検出システムを開発。同社独自の血中アルコール測定システムにより、車のエンジン始動制御を行なう製品。基本開発は完了し、車両搭載モデル開発に移行中。

ハンズオンホイール検知システム (Hands on Wheel sensing system)
-運転者がハンドルを握っている状況を、ステアリングホイールのリムに埋め込んだセンサーで検知。走行状況に応じて必要な警告を発したり、自動停車・発進などのシステムを制御することで「運転手主体」による安全運転を支援するシステム。基本開発が終了し、量産化を推進中。

ドライバーモニタリングシステム
-ステアリングホイールの裏側に設置されたカメラにより、運転者の顔の表情やその動きから運転への注意度合いを判断。適時警告を発することで安全運転を支援するシステム。基本開発が終了し、量産化を推進している。

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
  2014年3月期 2013年3月期 2012年3月期
日本 1,786 3,447 3,406
米州 7,885 7,572 6,329
欧州 5,005 6,448 6,069
アジア 3,768 3,116 3,618
合計 18,445 20,584 19,422

-2014年3月期、中国で第3工場 (荊州市) の建設に着手するなど、各セグメントにおいて生産ラインの新設、拡充等を行い、各地域の需要増に対応可能な生産体制を整えている。

海外投資

<ハンガリー>
-Miskolcにある子会社Takata Safety Systems Hungaryが新工場の定礎式を実施。工場の面積は50,000平方メートルで、従業員数は約1,000名となる予定。新工場では、欧州の自動車メーカー向けにエアバッグモジュールおよびエアバッグ部品を生産する。2014年10月に操業を開始する見込み。(2014年3月12日付プレスリリースより)

<ロシア>
-ロシアのUlyanovskにおいて新工場を開設。すでに同工場からAvtoVAZ、Sollers、GAZ Groupなどロシアの自動車メーカー向けにシートベルト、エアバッグ、ステアリングホイールの提供を開始している。これに続き、欧州やアジアの自動車メーカー向けにも間もなく供給を開始する予定。(2013年9月5日付プレスリリースより)

<中国>
-中国における自動車生産増に対応するべく、湖北省荊州市に第3工場を建設中。2015年4月に稼働を開始する予定。

<米州・メキシコ>
-増産に対応した生産設備の増強を計画。

設備の新設計画

(2014年3月31日現在)
会社名/事業所名
(所在地)
設備の内容 投資予定
総額
(百万円)
着手年月 完了年月
Takata Safety Systems Hungary Kft.
(ハンガリー ミシュコルツ)
エアバッグ生産工場 9,220 2013年11月 2016年4月
Takata (Jingzhou) Automotive Component Co., Ltd.
(中国 湖北省)
シートベルト、エアバッグ、ステアリングホイール生産工場 2,647 2013年12月 2015年3月
Takata Shanghai Vehicle Safety System Technical Center Co., Ltd.
(中国 上海市)
SLED衝突試験設備 1,307 2013年7月 2014年12月