シロキ工業(株) 2007年3月期の動向

ハイライト

業績
(単位:
百万円)
2007年
3月期
2006年
3月期
増減率(%) 要因
売上高 133,509 123,003 8.5% 各自動車メーカーの輸出好調に伴う国内生産の増加のほか、世界を視野に入れた受注活動や新製品開発などの効果
営業利益 3,182 2,019 57.6% 合理化活動による収益改善。
経常利益 3,189 2,984 6.9%
純利益 1,612 1,221 32.0%

地域別動向
(日本)

同社単体の売上高が前期比5,878百万円(6.2%)増の100,928百万円となり、過去最高の売上高を記録するとともに、単独では初めて1,000億円の大台に乗った。納入先自動車メーカーの輸出好調に伴う生産増とともに、「まったりモード機構付シート」や新型ウインドレギュレーターなどの新規開発品の受注増加、同社製品の装着率の高い車種の生産増加、また量産車種である新型「カローラ」の新規立上げに伴う新車効果などが寄与したことによる。納入先別では、トヨタグループ向けが好調に推移し、9.4%増の62,866百万円で5,397百万の増となった。この結果、日本における売上高は100,934百万円(前期比6.4%増)、営業利益は2,376百万円(前期比19.1%増)。

九州シロキ株式会社(北九州市)が、第2工場の2007年5月本格稼動に向けて、主力のウインドレギュレータの新規生産準備を開始するなど、九州地区における納入先自動車メーカーの生産増と新規受注に対応するとともに、2工場体制による生産の効率化を推進した。また、シロキ商事株式会社(安城市)が、2006年7月会社分割を行い、「シロキクリエイトサービス株式会社」(豊川市)を新設し、グループ経営の効率化を進めた。


(北米)
米国の生産拠点のSHIROKI North America, Inc. (テネシー州)の売上高が前期比1,498百万円(5.9%)増の27,020百万円となり、5期連続で過去最高を更新。これは2006年秋より新規生産を開始した現地日産自動車の量産車種「アルティマ」向けドアサッシが好調に生産を拡大したことによる。その結果、北米における売上高は27,003百万円(前期比6.3%増)となり、営業利益は3百万円(前期は141百万円の損失)。

2006年12月にSHIROKI-GA, L.L.C. (ジョージア州)は工場を拡張し、また北米第3工場のシロキGT LLC(テネシー州)も2007年3月より操業を開始するなど、好調な日系自動車メーカーの生産増と新規受注に対応するとともに、北米3工場のそれぞれの立地を活かす受注活動を展開。また、全社的に生産準備に取り組んだ現地日産の北米最大級の量産車種「アルティマ」向けドアサッシの生産が2006年9月より始まるなど、生産体制強化とともに新規拡販にも取り組み、北米事業強化に注力してきた。

(アジア)
中国の広州白木汽車零部件有限公司(Guangzhou Shiroki Corp.)の売上高が大きく伸び、前期比1,865百万円(4.97倍)増の2,324百万円となった。これは現地トヨタの「カムリ」向け新規生産開始による生産増が貢献した結果。タイではShiroki (Thailand), Co., Ltd. (チョンブリ県)が、前期比39.9%増の3,279百万円で934百万円の増収。これは現地トヨタ自動車の国際戦略車「IMV」の好調な販売に伴う生産拡大が寄与したことによる。この結果、アジアにおける売上高は5,571百万円(前期比101.3%増)、営業利益は408百万円(前期は156百万円の損失)。

中国
広州白木汽車零部件有限公司(Guangzhou Shiroki Corp.)が、2006年5月トヨタの広州現地生産開始に伴い、ドアサッシとモールディングの増産およびウインドレギュレータの新規生産を開始した。また、今後の現地日系自動車メーカーの生産増と新規受注に対応するため、2006年11月敷地内に第2工場増設を着手するなど、中国・華南地区を基盤とした生産体制と事業基盤強化に取り組んできた。

タイ
Shiroki (Thailand), Co., Ltd. (チョンブリ県)が、現地トヨタの国際戦略車「IMV」の生産増などに引き続き対応するとともに、2006年6月より、新たな主力製品としてドアサッシを生産委託により現地日産に納入を開始するなど、事業基盤強化に取り組んできた。

インド
インドではウインドレギュレータの技術供与を行っている現地自動部品メーカーのTechnico Industries Ltd., (ハリアナ州) への資本出資を本年2月に決定し、提携先との関係強化を図った。


国内部品生産の外注化加速
同社が主力とするドア部品・ウインドレギュレーター(窓昇降装置)・シート機構部品の3分野はもとより、主要構成部品や電子制御に絡むメカトロ部品を除き、協力部品サプライヤーへの外部委託を拡大する。中・長期的に国内自動車生産の減少は確実とみられることから、主力分野の生産・開発に経営資源を集中するのが狙い。主力工場が集中する愛知県周辺では、同社の2次・3次サプライヤーで組織するNS(ニューシロキ)協力会のメンバー企業に業務委託を増やす。一方、日産自動車や日産車体、日野自動車、ニッパツ向けが中心の藤沢工場(神奈川県藤沢市)、ダイハツ工業や三菱自動車などへの供給が多い大阪工場(大阪府茨木市)、子会社の九州シロキ(北九州市八幡東区)など愛知県以外では、他系列の下請け企業にも委託を検討する。同社はすでに、07年度中にも豊田工場(名古屋工場製造第三課、愛知県豊田市)を閉鎖し、主要生産品目であるドアサッシを本社工場(同豊川市)に、シート関係を名古屋工場(同豊田市)などに移管するほか、九州シロキの増強に伴い大阪工場の繁忙を解消するなど、国内生産の再編に着手している。(2007年3月9日付日刊自動車新聞より)

開発動向

・2007年3月期の自動車部品事業の研究開発費は2,142百万円。

自動車部品事業の主な開発事例
1.次世代シートトラック(パワー/マニュアル)の開発
2.次世代パワーリクライニングの開発
3.新ワイヤ式レギュレータの開発
4.新アーム式レギュレータの開発
5.新ドアフレームの開発

技術援助契約(2007年3月時点)
技術導入
Keiper-Recaro GmbH und Co. ドイツ シートリクライナ 1988.4.1- 2008.3.31
技術供与
日本発条(泰国)有限公司 タイ シートリクライナ 1990.12.10-2007.12.10
サミットラムチャンバンオートボディ
(Summit Laemchabang Auto Body Co.)
タイ ドアサッシ 1994.2.21-2007.12.31
株式会社 亜山
(Asan Co., Ltd.)
韓国 自動車用ドアフレーム 2003.05.08-2008.10.31
協業契約
Brose Fahzeugteile ドイツ ウインド・レギュレータ
ドア・システム
シート・アドジャスタなど
2001.2.14-2008.2.13

設備投資

2007年3月期の自動車部品事業の設備投資費は、生産性向上と原価低減を図る設備改善及び新型車生産開始の生産準備を中心として7,371百万円。

海外での生産体制強化
<タイ>
海外の主力工場に相次ぎクリーンルームを導入する。同社が提携先の独ブローゼと共同開発した挟み込み防止機能付きウインドーレギュレーターの生産ラインを無塵化し、耐久性などの生産品質を高める。すでに、豊川工場(愛知県豊川市)に導入済みだが、8月末までにシロキ・タイランド(アマタナコン市)でクリーン化設備を完成させ、タイトヨタの「ヤリス(日本名=ヴィッツ)」向けに供給する。また、中国(広州)や米国にも同製品の現地化を機に展開する。(2006年9月1日付日刊自動車新聞より)

<中国>
中国(広州)工場に第2工場を新設すると発表。工場建屋への投資額は3億5千万円。ウインドーレギュレーターやモールディングなど外装部品を生産し、日系自動車メーカーの現地生産拠点に供給する。新工場を増設するのは「広州白木汽車零部件」。07年6月には竣工し、生産準備に取りかかる。広州白木は昨年末、ドアサッシやウインドーレギュレーターについてはプレスから組み立てまでの一貫生産体制を確立したほか、日産自動車の現地合弁会社「東風汽車」、およびトヨタ自動車の現地合弁工場である「広州豊田汽車」の生産開始に合わせラインも増設。ドアサッシとモールディングでそれぞれ月間10万個、ウインドーレギュレーターで同4万個体制に引き上げていた。(2006年8月4日付日刊自動車新聞より)

<米国>
北米における生産能力を増強すると発表した。ジョージア州の工場を増築しドアサッシ生産を拡大するほか、テネシー州内で現地企業から閉鎖工場を買収してシート機構部品を生産する北米第3工場を設立する。設備・金型を除く総投資額は約11億円に抑えられる。主力取引先のトヨタ自動車の生産拡大に対応するほか、日産自動車から量販車種の部品を新規受注したことに対応する。(2006年5月13日付日刊自動車新聞より)

米国に第3工場「SWM―GT」を設立したと発表。同社の北米統括会社であるSWマニュファクチャリングが全額出資した。8月にも着工し、07年1月から稼働する。総投資額は4億4千万円。従業員は現地雇用を中心に80人体制でスタート、初年度売上高17億円強を目指す。来年1月からリクライナーやアジャスターなどのシート機構部品、ウインドーレギュレーターやドアロックなどのドア部品を生産する。同社の海外拠点は、テネシー2工場とジョージア州の米3工場に、中国(広州白木)、シロキ・タイランドを加え5工場体制となる。(2006年6月22日付日刊自動車新聞より)

設備の新設計画

事業所 設備の内容 投資予定額
(百万円)
着手 完了予定
本店 藤沢工場
(神奈川県藤沢市)
生産準備設備 578 2007年4月 2008年3月
名古屋工場
(愛知県豊田市)
生産準備設備 1,694 2007年4月 2008年3月
名古屋工場 製造第3課
(愛知県豊田市)
生産準備設備 316 2007年4月 2008年3月
豊川工場
(愛知県豊川市)
生産準備設備 1,281 2007年4月 2008年3月
大阪工場
(大阪府茨木市)
生産準備設備 156 2007年4月 2008年3月
試作工場
(愛知県豊川市)
生産準備設備 15 2007年4月 2008年3月
豊川本社
(愛知県豊川市)
試験設備・厚生施設 251 2007年4月 2008年3月
事業所 設備の内容 投資予定額
(千USドル)
着手 完了予定
SHIROKI North America, Inc.
(米国テネシー州)
生産準備設備 313 2007年1月 2007年12月
SHIROKI-GA, LLC
(米国ジョージア州)
生産準備設備 776 2007年1月 2007年12月
SHIROKI-GT, LLC
(米国テネシー州)
生産準備設備 160 2007年1月 2007年12月
広州白木汽車零部件有限公司
(GUANGZHOU SHIROKI CORP.)
(中国広東省)
工場建設 203 2007年1月 2007年12月
生産準備設備 864 2007年1月 2007年12月