サンデン (株) 2013年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2013年
3月期
2012年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 241,780 214,282 12.8 -
営業利益 (896) 712 - -
経常利益 253 300 (15.6) -
純利益 1,084 1,204 (9.9) -
自動車機器部門
売上高 152,697 140,901 8.4 -欧州の景気減速による需要減の影響を受けたものの、米国・アジア・日本での市場回復に加え、新規受注の獲得・既存事業の拡大を図ることにより売上高は増収。
営業利益 (2,761) 1,687 - -欧州の景気減速による需要減の影響を受けたものの、米国・アジア・日本での市場回復に加え、新規受注の獲得・既存事業の拡大を図ることにより売上高は増収。

業務提携

-同社ケーヒンは自動車用空調システムでの協業に向け基本合意したと発表。HVAC (エアコンの室内ユニット) や空調用熱交換器の分野でのメガサプライヤーを目指し、両社の開発力や販売力を持ち寄る。空調システムの共同開発、生産販売体制の補完などを目的に2014年4月に共同出資会社の設立を目指す。自動車用空調機器での両社の世界市場シェアはサンデンが4%、ケーヒンが3%だが、協業による競争力強化により、両社合わせて10%の獲得を目指す。 (2013年6月8日付日刊自動車新聞より)

販売計画

-カーエアコン用コンプレッサーの2015年度の販売計画を、12年度実績の1500万台から33.3%増となる2千万台に設定した。自動車生産が拡大する米国や中国、ASEAN (東南アジア諸国連合) を始め、日本と欧州での受注が拡大する。生産と調達の現地化の推進で、グローバルでのコスト競争力を高める。省エネ性能が高いコンプレッサーは欧米で新規顧客を獲得するなど、事業規模拡大につなげる。需要増に対応するため、グローバルで生産能力増強と生産と調達の現地化を進めている。北米はメキシコの工場が稼働、欧州ではポーランドの第2工場が稼働する。中国では工場を拡張するほか、東南アジアでは、タイ、インドネシア、マレーシア、インドでそれぞれ生産能増などを図る。現地生産の拡大と現地調達率の引き上げにより、コスト競争力を強化する。 (2013年5月14日付日刊自動車新聞より)

海外調達

-コンプレッサー駆動時のNVH (騒音・振動・ハーシュネス) と省エネ性能が高く、欧州と米国で販売が増加しているカーエアコン用コンプレッサー「PXシリーズ」の現地調達率を、2012年度中に現在の約30%から75%に引き上げる。同シリーズは欧米での販売が伸びているが、日本からの部品供給率が約7割と高く、円高により収益性が悪化している。構成部品の生産設備を日本から移設し、日本からの供給部品を減らして現調化を進めることで為替変動の影響を回避し、収益の確保につなげる。他のシリーズは欧米で現調率80~90%を達成しており、PXシリーズでも同レベルに引き上げることにした。さらに13年度以降も部品生産の現地化を推進し、14年度から15年度をめどに現調率を80%まで高める。 (2012年10月30日付日刊自動車新聞より)

>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
  2013年3月期 2012年3月期 2011年3月期
全社 6,890 7,431 6,138
自動車機器事業 4,555 4,816  3,936

研究開発活動

自動車機器事業
-プラグインハイブリッド車や電気自動車など車両の変化に対応したコンプレッサーならびにカーエアコンシステムの開発を急務と捉え、日本およびドイツに所在するサンデンテクニカルセンターおよびフランスの開発部門との連携を強化。

-環境対応のための次世代商品の開発や省エネ対応を自動車機器事業の最大の課題とし、電動コンプレッサー、ハイブリッドコンプレッサー、インバータ一体型コンプレッサー、自動車用小型・軽量の熱交換器等の開発を実施。

設備投資

設備投資額

 (単位:百万円)
  2013年3月期 2012年3月期 2011年3月期
全社 15,500 13,900 9,800
自動車機器事業 11,100 10,900 7,800
-日本 2,800 4,700 3,900
-欧州 4,200 2,500 1,300
-北米 1,200 1,200 700
-アジア 2,700 2,300 1,700

- 2013年3月期は、生産体制の強化および現調化・内製化等を目的に総額155億円の設備投資を実施。

設備の新設

- 2014年3月期は、2013年3月期に続き、主に海外生産体制強化および現調化・内製化等を目的とした設備投資を中心として総額120億円の設備投資を予定。このうち、自動車機器事業では欧州地区で22億円、北米地区で15億円、アジア地区で15億円、日本で25億円の総額79億円の設備投資を予定。

海外投資

<メキシコ>
-メキシコのSaltilloに車両空調用コンプレッサー部品の生産会社「Sanden Manufacturing Mexico (SMM) 」を設立し、2013年4月より本格稼動すると発表。同社は現在、米国テキサス州のWylieにあるSanden International USA (SIA) で北米市場向けに車両空調用コンプレッサーを生産している。今後、SMMが生産する部品はこのSIAに供給されることになる。なお、SMMの敷地面積は33,000平方メートル、建屋面積は20,000平方メートル。サンデンは2014年までに約35億円 (約37.5百万米ドル) を投資する計画。 (2013年2月5日付プレスリリースより)

<タイ>
-タイ現地法人Sanden (Thailand) Co., Ltd.に新しくコンプレッサー用ダイカスト工場を建設し、12月12日より生産を開始すると発表。建屋面積は1,700平方メートルで、投資額は約14 億円 (約16百万米ドル) となる。 (2012年12月11日付プレスリリースより)

-サンデンの現地法人Sanden (Thailand) Co., Ltd. (STC) は、新規にコンプレッサーの生産ラインを設置し11月1日より生産を開始すると発表。このコンプレッサーの新生産ラインについては、2011年4月より工 事を進めていたが、同年10月の洪水被害により一旦中止。2012年8月から工事を再開したもの。同社はこの生産ラインに22億円を投じている。 (2012年10月29日付プレスリリースより)

<インド>
-現地法人会社Sanden Vikas (India) Limited (SVL) が新規に小型スクロール式 (TR) コンプレッサーの生産ラインを設置し、11月5日より生産を開始すると発表。この生産ラインの設置に関しては、2011年夏より検討を始め、2012年1月よりライン設置工事を行った。投資額は5億円。なお、同社はインドにおいてカーエアコンの主要部品であるHVAC等を年間40万台、揺動板式の固定容量 (SD) コンプレッサーおよび可変容量 (SDV) コンプレッサーを年間50万台規模で生産し、インドのグローバル自動車メーカーを中心に供給している。 (2012年11月1日付プレスリリースより)