(株) ケーヒン 2013年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)

  2013年
3月期
2012年
3月期
増減率
(%)
要因
売上高 294,943 259,994 13.4 -
営業利益 10,014 10,818 (7.4) -売上増に伴う利益の増加や合理化効果などはあったものの、研究開発費、減価償却費や労務費などの増加により減益。
経常利益 11,013 11,458 (3.9)
当期純利益 2,656 4,239 (37.3)

地域別動向

<日本>
-四輪車製品は、国内向け製品の販売は減少したが、自動車空調用熱交換器事業子会社を連結したことに加え、アジアや米州向け製品の販売が増加。これらにより売上高は、1,618億3,600百万円と前年度比168億5,400百万円の増収となった。

<米州>
-北米での四輪車製品の販売が大きく増加したことや、為替換算上の影響があり、売上高は931億43百万円と前年度比270億47百万円の増収となった。

<アジア>
-前年度の洪水からの復旧によるタイでの四輪車製品の販売増加により、売上高は786億44百万円と前年度に比べ72億74百万円の増収となった。

<中国>
-四輪車製品の販売減少はあるものの、二輪車製品の販売が増加したことや、為替換算上の影響があり、売上高は355億52百万円と前年度に比べ8億31百万円の増収となった。

<欧州>
-四輪車製品の販売増加により、売上高は64億87百万円と前年度に比べ20億42百万円の増収となった。

受注

-北米仕様ホンダ 「Accord」に直噴エンジンに対応した電子制御製品をはじめ、マグネシウム製インテークマニホールドや空調製品を搭載。
-バッテリーの電圧を監視する電子制御製品などがホンダ 「Fit EV」および北米仕様ホンダ  「Accord Plug-in Hybrid」に搭載。
-代替燃料製品では、天然ガス車用インジェクターがインドで発売されたマルチ・スズキ 「Alto 800」に搭載。
-自動車空調用熱交換器では、新たに開発したコンデンサーがフォルクスワーゲン 「New Golf」に搭載。
-圧縮天然ガス (CNG) 自動車用のガスインジェクター (燃料噴射装置) をゼネラル・モーターズ (GM) から初受注した。同製品を欧米自動車メーカーから受注するのは独ダイムラーに続き2社目となる。米国では頁岩 (シェール) に含まれる天然ガス (シェールガス) の生産増加が見込まれている。米国以外でも脱石油に向け車の燃料に天然ガスを利用する動きが広がっており、世界で販売を拡大するGMからの受注に結び付いた。 (2013年1月22日付日刊自動車新聞より)

事業再編

<日本>
-宮城県角田市の生産子会社2社を2013年1月に合併すると発表した。生産機能、管理運営を一本化し事業を効率化する。合併するのは金津製作所と京浜総業の2社。両社は二輪、四輪、汎用製品を製造販売しており、合併により競争力を一段と高める。合併会社は金津製作所を存続会社とし、社名を「ケーヒンサクラ」に改める。(2012年11月1日付日刊自動車新聞より)

-熊本営業所 (熊本県大津町) と鈴鹿営業所 (三重県鈴鹿市、鈴鹿工場内) の2営業所を新設した。主要取引先近くに営業拠点を配置し顧客ニーズに迅速に対応する。国内の営業所は朝霞営業所 (埼玉県朝霞市)、浜松営業所 (浜松市中区) を合わせ4カ所になった。

<欧州>
-欧州の営業体制を再構築したと発表した。独バイエルンにある欧州二輪車メーカー向け営業拠点、Keihin Sales and Development Europe GmbH に欧州熱交換事業の営業部門、Keihin Europe Ltd. (英グラスゴー) の四輪営業部門を統合した。欧州で製品をシステムとして提案できる体制とし新規顧客の獲得を目指す。

>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
  2013年3月期 2012年3月期 2011年3月期
全社 18,676 16,547 15,086

研究開発拠点

栃木開発センター
(栃木県塩谷郡高根沢町)
-システム開発を合言葉に、ソフトウェアの開発・検査から実車レベルでの研究・解析をトータルに実施。
-システム開発の主要拠点。システム化、集積化による領域拡大と電子制御ユニット (ECU) を主体とした先端技術を開発。
角田開発センター
(宮城県角田市)
-システムを支えるコア製品の開発を担い、同時に生産技術と連動し、品質向上を基盤とする性能、機能、耐久、経済性を追求。
-各種データ解析を行う解析棟、振動実験、耐温測定などを行う耐久棟、システム構成部品として二・四輪の実車レベルでの評価が行えるシャシー棟で構成。

-中国遼寧省瀋陽に中国で2カ所目となる研究開発拠点を開設したと発表した。開発拠点の増設により、中国国内の燃費規制強化に対応するための技術開発を加速す る。投資額は100万元 (約1200万円) とし、従業員数は12年末に50人を計画している。同社は2003年に上海に開発拠点を設け、開発の現地化を進めてきた。新拠点の開設により顧客サービスを充実するとともに、部品の現地調達によるコスト競争力の向上を目指す。(2012年6月4日付日刊自動車新聞)

研究開発活動

四輪事業
-環境先進対応エンジンの燃料供給系および吸気系製品の開発 (商品化)
-トランスミッション油圧制御系製品の開発 (商品化)
-代替燃料供給系製品とシステムの開発 (商品化)
-高性能、小型カーエアコンシステムの開発 (商品化)
-エンジンおよびトランスミッション電子制御ユニットの開発 (商品化)
-ハイブリッド車用モーター/バッテリー制御ユニットの開発 (商品化)
-リチウムイオンバッテリー用セル電圧センサーユニットの新開発 (商品化)

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
  2013年3月期 2012年3月期 2011年3月期
全社 24,365 13,013 12,518
投資対象別:生産投資158億7,100万円、研究開発投資15億7,300万円、その他投資 (無形固定資産含む) 69億1,900万円
地域別:日本58億8,800万円、米州26億4,800万円、アジア58億2,700万円、中国15億100万円、欧州700万円

海外投資

-四輪用エンジンの電子制御ユニット (ECU) の合理化ラインを開発し、タイの生産拠点に導入した。ホンダが今年からグローバルに展開する次期主力モデルのエンジンECUを集中生産し、タイのほか日本、アジア、メキシコに供給する。現行車向けは日本でも生産していたが、タイからの輸入に切り替えコスト競争力を高める。新ラインは8月に稼働するインドネシア第2工場にも導入し、タイとインドネシア合計で年間100万台分を生産する。(2013年2月26日付日刊自動車新聞より)

-Volkswagenグループ向けとして、カーエアコン用熱交換部品の生産能力を2013年度に年間100万台増強する。VWの世界販売拡大に伴って受注量が拡大することに対応するためで、メキシコ、チェコ、中国の3拠点でそれぞれ生産能力を増強する。VWなどへの拡販を通じ、連結売上高に占める非ホンダ向けの割合を18年度には11年度実績の300億円から3倍の1,000億円規模に引き上げる。(2013年1月18日付日刊自動車新聞より)

設備の新設計画

(2013年3月31日現在)
セグメントの名称 投資予定額金額 (百万円)
日本 7,386
米州 8,108
アジア 8,615
中国 2,458
欧州 26
合計 26,595