(株) エフテック 2015年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2015年
3月期
2014年
3月期
増減率 (%) 要因
売上高 175,579 172,456 1.8 -円安による為替影響、北米自動車販売の好調等。
営業利益 5,564 6,725 (17.3)
経常利益 5,791 7,077 (18.2) -
当期純利益 1,772 3,319 (46.6) -
日本
売上高 25,579 30,170 (15.2) -主要取引先における国内生産の減少、海外子会社での現地生産化の影響等。
営業利益 434 1,331 (67.4)
北米
売上高 110,189 102,209 7.8 -好調な北米市場の主要得意先への売上増加、北米における為替影響等。
営業利益 4,635 3,940 17.6
アジア
売上高 39,811 40,077 (0.7) -主要取引先における中国の生産の微増、タイの生産の減少等。
営業利益 758 1,157 (34.5) -タイ政情不安による生産減、インドネシア工場の立ち上げ費用負担等。

受注

ルノー日産、コモンモジュールファミリー (CMF) 向けペダル
-日産・ルノーの部品共用化構想「コモンモジュールファミリー」 (CMF) 用のベダルを受注し供給を始めた。CMFの第1弾となったC・Dセグメント車用のペダルで、米国と中国の工場で生産・供給する。日産自動車にはこれまでもペダル類を納入している。CMF用も受注したことにより、一部の地域ではルノー向けの供給も始まる。受注したのは「CMF1」と呼ばれるCMF第1弾車種用のペダル類。日産、ルノー向けの基本構造を共通化する必要があったため、欧州の部品メーカーと共同開発した。日産向けを主に同社が、ルノー向けを欧州部品メーカーが供給する。CMF1用のペダルは米ジョージア州、中国湖北省武漢市の2工場で生産し、日産がCMF1の車種を生産する米国、中国、英国向けに供給を始めた。韓国・ルノーサムソン向けは、現地の部品メーカーに生産を委託。ルノーと東風汽車集団の合弁会社 (武漢市) で生産する予定のルノー版CMF1にも武漢工場から供給する見通しだ。(2014年7月22日付日刊自動車新聞より)

-その他、2015年3月期の主な受注と金額は以下の通り:

  • 日産の中小型車向けペダルを日本、中国、米国で供給を開始。 (年間10億円規模)
  • 中国の偉福科技工業 (武漢) 有限公司が上汽GM 「Buick Excelle」向けにサブフレームの供給開始。(年間122百万元規模)
  • 中国の偉福科技工業 (中山) 有限公司が北京汽車 「紳宝 (Senova)」向けにサブフレームの供給開始。(年間15百万円規模)
  • F-Tech Mfg. (Thailand) Ltd.が三菱 「Triton」にサスペンションアームの供給開始。(年間200百万バーツ規模)

海外事業

GM向けシャシー部品の販売拡大
-GMへのシャシー部品の販売を2018年度に年間180万台分と、13年度の3倍に拡大する。15年度に中国、17年度にメキシコでの供給を開始することによるもので、供給地域と車種が増加する。同社はホンダ向けの売上高割合が全体の8割を占めており、欧米自動車メーカーなどホンダ以外のメーカーへの販売拡大が課題となっている。受注の拡大により、17、18年度のGM向けの売上高割合は、14年度見通しの2倍に当たる16%程度に上昇する見通しだ。同社はカナダと米国でGMと取引があるが、これまでは車体骨格部品が中心だった。新たにGMのグローバル車種で、主力のサブフレームやフロントロアアームといったシャシー部品を中国、メキシコで受注したことにより、販売数量が増加する。(2014年12月25日付日刊自動車新聞より)

事業計画

-2014年、第12次中期経営計画 (2015年3月期-2017年3月期) を策定。「圧倒的競争力を持つシャシーシステムメーカーになる」ことを方針として掲げ、売上高200,000百万円、営業利益10,000百万円を目指す。基本事業戦略は以下の通り:

1. シャシーシステム体制への変革

-サブフレーム、サスペンションアーム単体機能から組み付け部品を含めた複合機能でシャシーをシステムで開発する

2. グローバルオペレーションへの進化
-日本がマザー機能として、各拠点 (北米、中国、東南アジア) で営業、開発、技術、生産、購買を自ら進める。
-グローバル人材育成

3. 環境対応技術の強化
-シャシーシステムでさらなる軽量化設計、また、コア技術の深化 (ハイドロフォーム、摩擦攪拌接合、パイプフォーム焼鈍) を目指す。
-ペダル部品の電子化等、電子化関連技術をシャシーに採用していく。
-地域最適生産技術を立案する。また、独自技術 (精密成形プレス技術、レーザー接合) の創出を目指す。

2016年3月期の見通し

(単位:百万円)
  2016年3月期
(予測)
2015年3月期
(実績)
増減
(%)
売上高 185,000 175,579 5.4
営業利益 6,500 5,564 16.8
経常利益 6,200 5,791 7.1


>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

研究開発費

(単位:百万円)
  2015年3月期 2014年3月期 2013年3月期
全社 3,356 2,667 2,367


-2015年3月期の地域別セグメント内訳:日本1,316百万円、北米1,509百万円、アジア529百万円

研究開発拠点

名称 所在地
国内
芳賀テクニカルセンター 栃木県
芳賀郡
海外
F.tech R&D North America Inc. 米国
オハイオ州
Michigan /R&D NA Office 米国
ミシガン州
F.tech R&D North America Inc. European Branch ドイツ
デュッセルドルフ
偉福 (広州) 汽車技術開発有限公司
[F.tech R&D (Guangzhou) Inc.]
中国
広州市
F.tech R&D Philippines Inc. フィリピン
ラグナ州


-2014年度中に米国オハイオ州トロイの開発センターにロードシミュレーターを導入する。実車に近い走行条件を台上で再現できる試験機で、国内外の開発拠点で初めて導入する。海外の自動車メーカーがサスペンション部品をシステムとして開発するようサプライヤーに求めていることに対応する。同社はホンダを主要取引先とする一方、将来の事業拡大に向けGMなど海外メーカーとの取引拡大も目指している。欧米サプライヤーと同様にシステム開発を行える体制を整え、海外メーカーからの受注拡大につなげる。(2014年7月16日付日刊自動車新聞より)

研究開発活動

-2015年3月期、ホンダ「Step WGN」のサブフレームやサスペンションで大幅な軽量化や低コスト化、生産性の向上を実現。

-新プレス技術を開発し、久喜事業所 (埼玉県久喜市) で生産を始めた。材料の歩留まりと精度を大幅に向上させる高精度ブランキング技術で、新技術で生産する部品を国内だけでなく、海外にも供給して円安メリットを享受する。同社はホンダを主要取引先とする足回り部品メーカーだが、欧米自動車メーカーとの取引拡大も図っている。独自の加工技術によりコスト競争力を高めるとともに、製品ラインアップの拡充も図って、販売先のさらなる拡大につなげる。(2014年12月2日付日刊自動車新聞より)

主な技術供与契約

(2015年3月31日現在)
相手先 国名 契約の内容 契約期間
成宇工業股分有限公司
[Cheng YU Industry Co., Ltd.]
台湾 製造販売に関する技術援助契約 1994年12月21日-
1999年12月20日
以後一年の自動更新
Gestamp Tallent Ltd. 英国 製造販売に関する技術援助契約 2011年7月18日-
2016年7月17日
或いは対象製品の継続期間
Progressive Tools & Components Pvt. Ltd. インド 製造販売に関する技術援助契約 1996年11月29日-
以降出資中継続契約
YPS Limited トルコ 製造販売に関する技術援助契約 2010年9月30日-
2015年9月29日
或いは対象製品の継続期間
Benteler Componentes Automotivos Ltda. ブラジル 製造販売に関する技術援助契約 2011年5月20日-
2016年5月19日
或いは対象製品の継続期間
SMC Co. Ltd. 韓国 製造販売に関する技術援助契約 2006年4月4日-
2011年4月3日
以降一年の自動更新
Cosma do Brasil ブラジル 製造販売に関する技術援助契約 2015年1月30日-
2020年12月31日
技術援助対象商品の生産が終了するまで契約継続
VeeGee Industrial Enterprises Private Limited インド 製造販売に関する技術援助契約 2014年11月25日-
2019年11月24日
或いは対象製品の継続期間
上海匯衆汽車製造有限公司
[Shanghai Huizhong Automotive Co., Ltd.]
中国 製造販売に関する技術援助契約 2014年11月25日-
2019年11月24日
或いは対象製品の継続期間

技術導入契約

(2015年3月31日現在)
契約会社名 国名 相手先 契約の内容 契約期間
エフテック、
F&P Mfg Inc.、
F&P America Mfg Inc.
英国 TI Corporate Services Limited
(Variform, Inc.)
パイプ成形に関する技術導入 1994年10月20日-
2023年10月20日

設備投資額

(単位:百万円)
  2015年3月期 2014年3月期 2013年3月期
全社 15,631 12,715 10,696


-2015年3月期地域別セグメント内訳:日本2,061百万円、北米9,006百万円、アジア5,134百万円

設備の新設計画

(2015年3月31日現在)
会社名
事業所名
(所在地)
設備の内容 投資
予定金額
(百万円)
着手 完了 完成後の増加能力
久喜事業所
(埼玉県久喜市)
自動車部品関連設備 2,292 2015年4月 2016年3月 新機種立上げに伴う設備増強
亀山事業所
(三重県亀山市)
自動車部品関連設備 1,899 2015年4月 2016年3月 新機種立上げに伴う設備増強
F&P Mfg., Inc.
(カナダ オンタリオ州)
自動車部品関連設備 5,094 2015年4月 2016年3月 新機種立上げに伴う設備増強
F&P Mfg. de Mexico S.A. de C.V.
(メキシコ グアナファト州)
自動車部品関連設備 2,083 2015年1月 2016年12月 新機種立上げに伴う設備増強
偉福科技工業 (武漢) 有限公司
[F-Tech Wuhan Inc.]
(中国湖北省)
自動車部品関連設備 2,249 2015年1月 2015年12月 新機種立上げに伴う設備増強
F-Tech Mfg. (Thailand) Ltd.
(タイ アユタヤ県)
自動車部品関連設備 3,308 2015年1月 2015年12月 新機種立上げに伴う設備増強