(株) エフ・シー・シー 2019年3月期の動向

業績	(単位：IFRS、百万円)

	2019年 3月期	2018年 3月期	増減率 (%)	要因
全社
売上収益	177,605	173,174	2.6	-インドネシアやタイの二輪車用クラッチの販売増加に加え、Ford・GM向けの四輪車用クラッチ販売の増加により増収増益。
営業利益	15,843	14,052	12.7
税引前当期利益	16,503	14,083	17.2
親会社の所有者に帰属する当期利益	11,779	9,691	21.5

受注

ジヤトコ：「Jatco CVT-S」搭載トルクコンバーター用摩擦材
-直接納入先となるユニプレス向けでは初受注となるという。（2019年4月9日付プレスリリースより）

スバル：大容量CVT用ドライブプレート
-スバルからの受注は初めて。同社の渡ケ島工場で生産し、スバルの大泉工場（群馬県邑楽郡）に納入する。量産開始は2018年3月で、2020年度の売上見通しは約60百万円。(2018年10月16日付プレスリリースより)

Toyota Motor Manufacturing, West Virginia：クラッチASSY
-同社は、トヨタ自動車向けにFF8AT用クラッチを2016年5月から日本で量産しているが、米国で新規に受注し、FCC (INDIANA) で現地生産を開始したという。量産開始は2017年6月で、2020年度の売上見通しは約17百万ドル。(2018年7月24日付プレスリリースより)

現代自動車：FF 8速AT中容量用/CVT用クラッチディスク
-ともに韓国京畿道始興市にあるSeojin Automotiveに納入し、ディスクセットASSYとして組み立て後、現代グループの現代パワーテックに納入される。2020年度の売上見通しはCVT用が約5億円、FF 8速AT用が3億円。両製品は、同社の渡ケ島工場 (静岡県浜松市) で生産される。(2018年6月26日付プレスリリースより)

第10次中期経営計画 (2018年3月期～2020年3月期)

ｰ2019年3月期、中期経営計画を修正。2020年3月期売上高1,800億円、営業利益160億円を計画。四輪事業においては10速AT用クラッチの増産対応、欧米顧客への開発営業、中国ローカル向け販売拡大等に取り組む。

ｰ2019年4月、新事業開発のスピードアップのため、燃料電池・水処理、EV製品開発、工業用触媒についてそれぞれ取り組みを行う機関を統合し「新事業開発部」を新設。

>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

研究開発費

(単位：百万円)

	2019年3月期	2018年3月期	2017年3月期
全社	4,179	4,052	3,713
-四輪車用クラッチ部門	2,302	2,200	2,206

研究開発体制

-研究開発施設として、技術研究所 (静岡県浜松市)、生産技術センター (静岡県浜松市) を保有。
　

研究開発活動

四輪車用クラッチ部門
2019年3月期、四輪事業において以下の研究開発活動に従事。

-独自技術であるセグメント方式の摩擦板製造方案及び燃費性能向上と軽量化を実現する独自技術を活用したAT用クラッチアッセンブリーの量産化。

-優れた減衰性能を有する新構造ダンパーを有したロックアップクラッチの量産化。

-商品性と耐久性向上を図った新摩擦材の開発。

設備投資額

(単位：百万円)

	2019年3月期	2018年3月期	2017年3月期
二輪車用クラッチ	3,550	3,863	2,856
四輪車用クラッチ	6,815	10,526	11,942
共通	496	625	569
合計	10,861	15,014	15,367

海外投資

-米国インディアナ州経済開発公社(IEDC : Indiana Economic Development Corporation)は、エフ・シー・シーの米国子会社FCC (Adams)が24百万ドル超を投じてインディアナ州Berne工場を拡張すると発表した。2019年2月に拡張開始予定で、436,700平方フィートの工場に88,000平方フィートの施設を増設し、アルミダイカストマシン、6基のCNC旋盤機、4基のCNC掘削機を導入する。FCC (Adams)は、トランスファープレススタンプ/成形、グローブ成形、フロー成形、アルミ鋳造、電子ビーム溶接、機械加工および組立により製品を生産する。今回の投資は、2015年に発表された128.9百万ドルの投資に続き、2003年の事業開始以来6回目の主要な拡張となる。FCC (Adams)はホンダ、トヨタ、スバル、Ford、GM、FCAなどに製品を供給している。(2018年12月12日付 IEDCプレスリリースより)