(株) エフ・シー・シー 2018年3月期の動向

業績

(単位:IFRS、百万円)
2018年
3月期
2017年
3月期
増減率 (%) 要因
全社
売上収益 173,174 157,217 10.1 -インドにおける二輪車用クラッチの販売増加に加え、Ford向け、中国の四輪車用クラッチ販売の増加により増収。
営業利益 14,052 11,236 25.1 -全社での増益に対し、四輪車用クラッチの営業利益は、国内四輪事業における減損損失計上・メキシコの費用増加により減益。
税引前当期利益 14,083 11,419 23.3 -
親会社の所有者に帰属する当期利益 9,691 7,204 34.5 -

海外動向

-タイでクラッチ部品を生産している合弁会社を完全子会社化。現地の生産会社に出資しているHSHが保有する39%分と、タイスズキの持分3%の株式の両方を取得した。100%出資とすることで、意思決定の迅速化を図ると同時に、エフ・シー・シーグループの連携を強化し、業績拡大につなげる。(2017年3月30日付日刊自動車新聞より)

ー米国ライトトラック市場堅調推移。
2018年3月期現在、Ford、GM向け10速AT用クラッチの増産対応中。
摩擦材、電動トランスミッション等の開発力強化を行っている。

 

受注

-現代自動車から、FF 8AT中容量用とCVT用のクラッチディスクを受注し、本格生産を開始したと発表。ともに韓国京畿道始興市にあるSeojin Automotiveに納入し、ディスクセットASSYとして組み立て後、現代グループの現代パワーテックに納入される。2020年度の売上見通しはCVT用が約5億円、FF 8AT用が3億円。両製品は、エフ・シー・シーの渡ケ島工場 (静岡県浜松市) で生産される。(2018626日付プレスリリースより)

-現代WIAから電子式AWDシステム用クラッチディスクを受注し、本格生産を開始したと発表。韓国京畿道始興市にあるSeojin Automotiveに納入し、クラッチASSYとして組み立て後、現代WIA昌原工場(韓国慶尚南道昌原市)へ納入される。同社の渡ケ島工場、浜北工場(ともに静岡県浜松市)および鈴鹿工場(三重県鈴鹿市)の3拠点で生産する。2019年度の売上見通しは約40百万円。(20171110日付プレスリリースより)

第10次中期経営計画 (2018年3月期~2020年3月期)

ー当初中期経営計画における2年目の利益目標を初年度(2018年3月期)に達成。業績目標を上方修正。
当初目標は、2017年度営業利益102億円であったが、実績140億円と上回った。
それを踏まえ、営業利益目標2018年度で145億円、2019年度は165億円と上方修正を行った。


>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)



研究開発費

(単位:百万円)
2018年3月期 2017年3月期 2016年3月期
全社 4,052 3,713 3,417
-四輪車用クラッチ部門 2,200 2,206 2,050

研究開発体制

-研究開発施設として、技術研究所 (静岡県浜松市)、生産技術センター (静岡県浜松市) を保有。

研究開発活動

四輪車用クラッチ部門
-CVTを含めたオートマチックトランスミッション用の湿式摩擦材およびマニュアルトランスミッション用乾式摩擦材を骨格として、小型軽量化、低コスト化および燃費向上に寄与するクラッチの研究開発を実施。

-独自技術であるセグメント方式の摩擦板製造方案及び燃費性能向上と軽量化を実現する独自技術を活用したAT用クラッチアッセンブリーの量産化。

-優れた減衰性能を有する新構造ダンパーを有したロックアップクラッチの量産化。

-商品性と耐久性向上を図った新摩擦材の開発。



設備投資額

(単位:百万円)
2018年3月期 2017年3月期 2016年3月期
二輪車用クラッチ 3,863 2,856 3,472
四輪車用クラッチ 10,526 11,942 13,278
共通 625 569 414
合計 15,014 15,367 17,164


<2018年3月期の主な設備投資>
-ノースカロライナ州の工場に800,000ドルを投資して拡張を行うと発表した。同社はインディアナ州およびメキシコSan Luis Potosiにも拠点を有するが、今回はノースカロライナ州Scotland County工場の拡張を決定した。州からの発表によると年間にかかる人件費は約780,000ドルで、うち90,000ドルは実績ベースでOne North Carolina Fundから助成金が支払われる。(201775日付 Mexico-Nowより)

設備の新設計画

(2018年3月31日現在)

-2019年3月期の設備投資額は11,305百万円を計画。このうち四輪車用クラッチは6,886百万円。
-米国やインド、日本及びベトナムにおける新機種対応や生産能力拡充伴う投資等を行う。