(株) エフ・シー・シー 2015年3月期の動向

業績

(単位:百万円)
2015年
3月期
2014年
3月期
増減率 (%) 要因
全社
売上収益 154,395 145,433 6.2 -
営業利益 8,746 14,512 (39.7) -
税引前当期利益 12,104 16,871 (28.3) -
当期利益 8,042 13,012 (38.2) -
四輪車用クラッチ部門
売上収益 71,434 67,564 5.7 -ホンダグループのトランスミッションのCVT化による影響があったものの、米国においてホンダグループ以外の顧客への販売が増加したことに加えて、円安の影響を受け増収。
営業利益 (411) 5,026 - -減価償却費や立ち上げ費用の増加に加えて、国内生産拠点の再編に伴う減損損失を計上し、赤字に転落。

*2015年3月期より国際会計基準 (IFRS) を適用。比較する2014年3月期の数値もIFRSに準拠して作成。

会社設立

<インド>
-インドに二輪車・四輪車用クラッチの製造販売を行う連結子会社「FCC Clutch India Private Ltd.」を設立。資本金は1,250百万ルピー (約20.2百万ドル)。また、エフ・シー・シーは以前、Rico Auto Industriesとの合弁解消に伴い、インド合弁会社FCC Ricoの株式残り50%を取得する計画を発表していた。取得した株式のうち、新会社が45%、フィリピン子会社FCC (Philippines) が5%を保有する予定。また、株式取得後、FCC Ricoの商号は2015年1月に「FCC India Manufacturing Private Ltd.」へ変更となる。(2014年11月25日付プレスリリースより)

合弁事業の解消

<インド>
-インド合弁会社FCC Ricoに関してRico Auto Industriesとの合弁を解消すると発表。これにより、同社は、Rico Auto Industriesが保有するFCC Ricoの株式50%を全て取得し完全子会社化する。取得金額は4,950百万ルピー (約80.6百万ドル) で、2014年11月に取得する予定。FCC Ricoは、二輪車・四輪車用クラッチの製造・販売を行っている。(2014年9月25日付プレスリリースより)

中期経営計画

-2017年3月期に売上高1,750億円、営業利益125億円、ROE7%の達成を目指す。

-上記数値の達成に向けた四輪車用クラッチ事業における課題は以下の通り。
(1) 米国の増産対応とメキシコ子会社の円滑な量産立ち上げ
(2) 米国、中国の収益性向上
(3) 米国の新機種立ち上げ

2016年3月期の見通し

(単位:百万円)
2016年3月期
(予測)
2015年3月期
(実績)
増減
(%)
売上高 165,000 154,395 6.9
営業利益 10,800 8,746 23.5
当期純利益* 7,500 8,042 (6.7)

-2015年3月期より国際会計基準 (IFRS) を適用。

*2016年3月期の数値は「親会社の所有者に帰属する当期利益」の数値を採用。

>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

研究開発費

(単位:百万円)
2015年3月期 2014年3月期 2013年3月期
全社 3,163 3,168 2,983
-四輪車用クラッチ部門 1,957 1,909 1,745

研究開発体制

-研究開発施設として、技術研究所 (静岡県浜松市)、生産技術センター (静岡県浜松市) を保有。

研究開発活動

四輪車用クラッチ部門
-CVTを含めたオートマチックトランスミッション用の湿式摩擦材およびマニュアルトランスミッション用乾式摩擦材を骨格として、小型軽量化、低コスト化および燃費向上に寄与するクラッチの研究開発を実施している。

-2015年3月期、独自技術であるセグメント方式の摩擦板製造方案をおよび燃費性能向上と軽量化を実現する独自技術を活用したCVT用クラッチASSYの量産化、優れた減衰性能を有する新構造ダンパーを有したロックアップクラッチの量産化、ならびに商品性と耐久性向上を図った新摩擦材を開発。

設備投資額

(単位:百万円)
2015年3月期 2014年3月期 2013年3月期
二輪車用クラッチ 3,603 3,026 5,059
四輪車用クラッチ 15,501 16,115 6,038
共通 1,171 1,232 677
合計 20,276 20,374 11,774


<2015年3月期の設備投資>
-米国や中国における生産能力拡充、海外で初めてとなるペーパーベースの摩擦材工場やメキシコ子会社の立ち上げに加えて、国内における生産拠点の再編に伴う投資を行った。

同社
-浜北工場における国内生産拠点の再編に伴う工場増築やクラッチ製造設備

子会社
-FCC Automotive Parts de Mexico S.A. de C.V.における工場建設やクラッチ製造設備
-FCC (North Carolina), LLC.における新機種対応や生産能力拡充
-FCC (Indiana), LLC.における新機種対応や生産能力拡充
-FCC (Adams), LLC.における新機種対応や生産能力拡充
-PT. FCC Indonesiaにおける新機種対応や生産能力拡充
-FCC India Manufacturing Private Ltd.における内製化や生産能力拡充

設備の新設計画

(2015年3月31日現在)

-2016年3月期の設備投資額は23,230百万円を計画。このうち四輪車用クラッチは17,750百万円。
-米国や日本における新機種対応や生産能力拡充、インドや中国の成都における生産能力拡充に伴う投資等を行う。

同社
-天竜工場や浜北工場における新機種対応や生産能力拡充

子会社
-FCC (Adams), LLC.における新機種対応や生産能力拡充
-FCC (Indiana), LLC.における新機種対応や生産能力拡充
-FCC (North Carolina), LLC.における生産能力拡充
-FCC India Manufacturing Private Ltd.における生産能力拡充
-成都永華富士離合器有限公司 [Chengdu Yonghua F.C.C. Clutches Co., Ltd.] における生産能力拡充