(株) イノアックコーポレーション 2014年12月期の動向

近年の動向

新会社

-2013年12月、スリランカにウレタンフォームを手がける新会社「Inoac Polymer Lanka (PVT) Ltd.」を設置し、10月に稼働が開始したと発表。アジア地区では中国、タイ、インドネシアに続く生産拠点となる。当面はインドの衣料業界向けに製品を供給する。中期的に自動車部品向けの供給も視野に入れており、需要動向次第では工場の拡張も検討するとしている。今回の工場建設に伴う投資額は、約2千万ドル。

事業提携

-2011年、同社とABC Groupは、グローバル提携契約を締結したと発表。両社の生産拠点・技術・顧客関係を活用することで、グローバル体制を強化する。また、それぞれの製品群強化を目指し、共同の研究開発プロジェクトも行う計画。(2011年10月11日付プレスリリースより)

合弁事業

<中国>
-寧波華翔電子股份有限公司 [Ningbo Huaxiang Electronic Company]は、 (株) イノアックコーポレーションの子会社「Polyfoam Asia Pte. Ltd.」、台湾建上工業とイノアックの合弁会社「Kenjou Investment Co., Ltd.」とともに、それぞれ40.8百万元、17.3百万元、18.3百万元を出資し、合弁会社「寧波井上華翔汽車零部件有限公司 [Ningbo Inoac Huaxiang Automobile Products Co., Ltd.]」の増資を行うと発表した。発表によると、増資後合弁会社の出資比率は、寧波華翔50%、Polyfoam 30%、Kenjou 20% へと変更される。また寧波井上華翔は寧波華翔が保有する以下資産を取得する:
・上海華翔汽車零部件有限公司 [Shanghai Huaxiang Auto Parts Co., Ltd.] の株式100%
・上海大衆聨翔汽車零部件有限公司 [Shanghai VW Lianxiang Automobile Products Co., Ltd.] の土地を除くすべての資産と業務
・成都華翔汽車零部件有限公司 [Chendu Huaxiang Auto Parts Co., Ltd.] の株式100%
・寧波華翔汽車飾件有限公司 [Ningbo Huaxiang Auto Trim Parts Co., Ltd.] の株式のうちFeigmei Deutschland GMBHの持ち分25%

また、寧波井上華翔はPolyfoamの保有する硬質、軟質発砲品業務と資産およびKenjouの保有する「東莞井上建上汽車部件有限公司 [Dongguan Inoac Kenjou Automotive Co., Ltd.]」の株式100%を取得する。 (2015年2月11日付け会社公告より)

-2014年7月、Cooper-Standardは、アジア太平洋地域におけるフルイドトランスファーシステムの拡販を進めるため、イノアックと合弁会社を設立すると発表。新会社の名称は「Cooper Standard Inoac Pte. Ltd.」。2014年第3四半期に設立予定で、出資比率はCooper-Standardが51%、イノアックが49%。第1段階では中国に拠点を置き、2015年第3四半期から生産を開始する予定。その後、別の国にも拠点を広げる計画。Cooper-Standardとイノアックは現在、アジア太平洋地域にあわせて50以上の生産拠点を保有している。今回設立する合弁会社の主要製品には、低圧ホースやトランスミッションオイルクーラーなどが含まれる。これらは、ラジエーター、排ガス制御、バキュームブレーキ、ターボチャージャー、ヒーター、エアコン、パワーステアリングなどの製品向けとなる。 (2014年7月31日付プレスリリースより)

-2011年、ABC Groupは、寧波井上華翔汽車零部件 [Ningbo Inoac Huaxiang Automobile Products Co., Ltd: IHX] と、中国の浙江省寧波市に合弁会社を設立することで合意した。新会社の名称は「寧波艾倍思井華汽車零部件 [Ningbo ABC Inoac Huaxiang Co., Ltd.: AIH]」。納入先にはVolkswagen、トヨタ、日産、Daimlerが含まれる。内装・外装部品およびエンジンサポート部品を生産する予定。なお、IHXはイノアックと中国の寧波華翔電子 [Ningbo Huaxiang Electronic Company] の合弁会社。(2011年4月5日付プレスリリースより)

<北米>
-2007年、カナダのWoodbridge Foamと自動車シートクッション用のウレタンフォーム事業で北米に合弁会社を設立すると発表。日本およびアジアにおけるこれまでの提携関係を発展させ、長期的な関係拡大を図る。同社は2007年12月31日をめどにウッドブリッジグループ内の北米4拠点を買収し、折半出資の合弁会社を設立する。同社は米テキサス州の3拠点、メキシコの1拠点に50%ずつ、ウッドブリッジも九州イノアック (福岡県) に50%資本参加する。(2007年11月20日付日刊自動車新聞より)

研究開発拠点

名称 所在地 備考
同社 グローバル技術開発本部 - -
(株) イノアック技術研究所 神奈川県秦野市 産業界の最優先領域における新素材の開発を核に、環境技術・バイオマス関連を重点的に研究開発。
Inoac USA Inc. 米国ミシガン州 新技術調査・追跡と情報収集、アカデミーとの共同研究を推進。
蘇州井上高分子新材料有限公司
[Suzhou Inoac New Polymers Co., Ltd.]
中国蘇州市 マーケット指向の技術を中心に研究。

研究開発活動

-2014年12月現在、以下の研究開発を実施。

  • 高性能ポリウレタン材料の開発
  • ゴム素材、タイヤの開発
  • 機能性プラスチック製品の開発
  • 各種高分子材料による新規用途開発
  • リサイクルおよび環境改善

各種データ

従業員数

  2014年12月末 2013年12月末 2012年12月末
合計 1,741 1,513 1,403
  (単位:百万円)
  2014年12月期 2013年12月期 2012年12月期 2011年12月期 2010年12月期
売上高 163,000 162,900 171,100 149,400 168,400