Bharat Forge Ltd. 2011年3月期の動向

ハイライト

地域別概況(2011年3月期)

<インド>
-小型商用車の登録台数は28.6%、中・大型商用車は37.7%、商用車の生産は28%増加するなど、インドにおける自動車業界は急速に成長した。多くのアクスルを使用する大型商用車の売上が増加したこと、また乗用車において排ガス規制やターボチャージャーの高性能化により、自動車鋳鉄製品から自動車鍛造製品への乗り換えが進んでいることが同社の業績に寄与した。

<米国>
-主に中・大型商用車のクラス8商用車向けシャシー、エンジン部品を中心に輸出している。米国における2010年のクラス8商用車の生産は2009年に比べ27%増加し15.4万台であったが、生産のピーク時であった2006年の37.6万台には及ばない規模にとどまっている。
-新排ガス規制や燃費効率向上のトレンドが自動車鍛造製品の需要を刺激している。また、経済成長が自動車の需要に好影響を与えており、同社による米国への輸出量の増加が業績に寄与したと見られる。

<欧州>
-廃車インセンティブ制度の段階的廃止等により、欧州における乗用車の販売台数が5%減少している一方、2010年下半期より商用車の販売は堅調に回復した。とりわけ同社が得意とする大型商用車の販売台数は、2008年の金融危機の直前に比べ半分以下ではあるが2010年は前年に比べ8%増加したことが寄与し、欧州への輸出が顕著に伸びた結果、同社の大型商用車部門の売上は増加した。

合弁事業

-2010年6月、同社はKPIT Cummins Infosystems Ltd.とハイブリッドテクノロジーソリューション「REVOLO」の製造販売に関する合弁会社を設立すると発表した。「REVOLO」は燃費、エンジンパフォーマンスの向上を飛躍的に向上させる一方で、温室効果ガスの削減を実現する技術であり、新車だけでなく現行車にも対応が可能である。「REVOLO」搭載車を試運転したThe Automotive Research Association of India (ARAI)によると、同技術によって燃費が40%以上向上することを示した。さらに一般道走行の条件下では60%以上の燃費向上、温室効果ガスの30%以上の排出削減を実現することが確認された。KPIT Cummins Infosystems Ltd.が合弁会社に同技術のライセンスを供与する一方、同社は製造、組立に関する技術を提供する。

開発動向

研究開発費

(単位:百万インドルピー)
  2011年3月期 2010年3月期 2009年3月期 2008年3月期
研究開発費 75.24 28.55 36.38 68.81
売上高 (単独) 29,935.47 18,887.36 21,063.54 22,849.00
研究開発費用の売上高に占める割合 0.25% 0.15% 0.17% 0.30%

研究開発体制

-2010年、新規のR&DセンターであるKalyani技術革新センターを設立。数年後に各種技術ラボを集約する予定。

技術導入

  技術導入内容
2004年 インドにおけるトヨタの合弁事業向けに鍛造部品を生産するため、日本の(株)メタルアートより技術ノウハウや技術援助の提供を受ける。

設備投資

生産能力(2011年3月期)

-現在進行中の設備増設も含め、年間700,000トンを超える世界最大の鍛造能力を確立。
-過去数年間に渡る合理化施策、また需要の増加に対応するため、プレス加工ラインを新設し2012年4月までに操業を開始する予定。
-機械加工製品の需要増加に対応するため、機械加工製品の生産能力を増強する。第一段階としてクランクシャフトの年間生産数を88万個から120万個に増加させる。
-生産能力増強に係る費用は今後2年間で約30億ルピーを予定している。