Faurecia S.A. 2013年12月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万ユーロ) |
2013年 12月期 |
2012年 12月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
売上高 | 18,028.6 | 17,364.5 | 3.8 | 1) |
営業利益 | 538.3 | 516.3 | 4.3 |
要因
1) 売上高
-2013年12月期の売上高は、前年比3.8%増の18,028.6百万ユーロ。世界の自動車生産台数が前年比で3.5%増加したことが寄与。
顧客別売上高
2013年12月期 売上 (単位:百万ユーロ) |
2013年12月期 売上増加率 (%)* |
全社の製品売上高に 占める割合 (%)* |
|
VW Group | 3,380.3 | 1.4 | 24.7 |
PSA Peugeot Citroen Group | 1,912.2 | 1.9 | 14.0 |
Renault-Nissan Group | 1,456.3 | 6.6 | 10.6 |
Ford Group | 2,034.7 | 13.0 | 14.9 |
BMW Group | 969.1 | (7.7) | 7.1 |
GM Group | 1,088.5 | 0.8 | 7.9 |
Daimler Group | 835.9 | 15.0 | 6.1 |
Fiat-Chrysler Group | - | (3.9) | 6.1 |
Geely-Volvo | - | 8.6 | 1.5 |
現代/起亜 (Hyundai/Kia) | - | 5.5 | 1.6 |
トヨタ | - | 9.1 | - |
事業提携
-Magneti Marelliと、先進ヒューマン・マシン・インターフェース (HMI) を用いた自動車用内装部品の設計・開発・製造で提携すると発表。これにより両社は、センタースタック、フェイシアコンソール、オーバーヘッドコンソール、格納式タッチスクリーンおよびディスプレイのほか、スマートフォンやタブレットなどのモバイル機器など、さまざまな製品にHMIを追加し、内装システムの製品ポートフォリオを拡大するとしている。(2013年11月19日付プレスリリースより)-中国・第一汽車集団公司の完全子会社、一汽鋳造有限公司 (FAW Foundry、吉林省長春市) とマグネシウム合金製シートフレームの開発に係る3年間の提携関係を結んだと発表。マグネシウム合金製シートフレームは最新のスチール製フレームよりも25%の軽量化が可能。(2013年7月19日付日刊自動車新聞より)
合弁事業
-排気コントロール部門は、蘇州派格麗減排系統有限公司 [Suzhou PowerGreen Emission Solution System] との合弁会社を中国・上海に設立した。Faureciaが過半数株式を所有する新会社「Faurecia PowerGreen Emissions Control Technologies Co., Ltd.」は、尿素ポンプとインジェクターを除く排ガスコントロールシステムを生産する。2013年10月1日付で操業を開始しており、主に広西玉柴機器 [Guangxi Yuchai Machinery] に納入する。(2013年10月4日付プレスリリースより)-ニッパツと合弁でインドネシアにシート生産会社を設立したと発表。西ジャワ州プルアカルタに工場を建設し、2014年3月に日産自動車向けに生産を開始。15年度に売上高3,960億ルピー (約35億円) を目指す。
-内装システム部門は、タイの自動車部品メーカーSummit Auto Seatsとの間で合弁会社を設立することで合意した。タイをはじめとする東南アジアにおいて、Fordが事業を拡大することに伴うもの。新会社は、2013年4月中に操業を開始する予定。(2013年4月22日付プレスリリースより)
-長安汽車 (Changan Automobile) グループと、折半出資による合弁会社「CSM Faurecia Automotive Systems Company Ltd (CFAS)」を設立することで合意。投資総額は35百万ユーロ超 (293百万元) となる見込み。新会社では、自動車用内装部品の開発・生産・販売を行う予定。製品には、インストパネル、ドアパネル、センターコンソール、コックピットモジュールなどが含まれる。主な顧客は長安Fordおよび長安PSAで、新会社は既にこれらの自動車メーカーから新規受注を確保している。また、両社は広東省深圳 (Shenzhen) と浙江省杭州 (Hangzhou) に新たに工場を建設するほか、重慶 (Chongqing) にあるFaureciaの既存工場をこの新会社へ移転する予定。(2013年4月20日付プレスリリースより)
-ニッパツおよび現地部品メーカーのKrishna Groupと、インド南部に自動車用シート生産の合弁会社を設立し、2013年12月に生産を始めると発表。新会社「NHK F. Krishna India Automotive Seating Private Limited」はFaureciaが19%、ニッパツが51%、Krishna Groupが30%を出資。チェンナイ市近郊のオラガダム工業団地に敷地面積8,000平方メートル、延べ床面積3,500平方メートルの工場を建設する。主に日産のインド法人に供給予定。
受注
-ハイブリッド車用の排熱回収マニホールドが北米仕様のFord 「Fusion」のほか「C-Max」ハイブリッドに搭載されていると発表した。さらに、Daimler 「Mercedes-Benz SL-Class」にもインストパネル、ドアパネル、センターコンソールなど、さまざまな内装部品を納入している。(2013年4月19日付プレスリリースより)受賞
-2013年6月、PSA Peugeot Citroenより、価値創造部門で「Supplier Innovation Award」を受賞。評価された事業分野は以下の通り:- 内装システム:2色発光インストパネル
- シート:軽量シートフレーム、乗用車フロントシート用ふくらはぎサポート機構
- 排気コントロール:SCRシステム一体小型ディーゼル排気システム
開発動向
研究開発費 |
(単位:百万ユーロ) |
2013年12月期 | 2012年12月期 | 2011年12月期 | |
合計 | 916.5 | 943.0 | 759.6 |
研究開発体制
-5,800名のエンジニア・技術者が在籍。11カ国に30カ所のR&Dセンターを保有。研究開発拠点
<中国>-中国・上海市に2拠点目となる技術センターを開設したと発表。自動車用シート、内装部品、外装部品の3事業の研究開発の中核拠点としての役割を担う。上海市内には排気系部品の技術センターも有しており、中国での技術研究開発の拡充につなげる。新設した技術センターは、試験室、音響、エアバッグ、コンプリートシート、品質検査の五つの研究室と工業デザイン施設、二つのショールーム、レーザー溶接施設を含む試作部品の製作設備を備えている。今後は、技術者とエンジニアの数を現在の500人から800人へ増員する。(2013年7月18日付日刊自動車新聞より)
設備投資
部門別設備投資額 |
(単位:百万ユーロ) |
2013年12月期 | 2012年12月期 | 2011年12月期 | |
シート | 117.9 | 113.1 | 99.1 |
排気コントロール | 126.4 | 152.7 | 143.3 |
内装システム | 187.1 | 179.6 | 148.6 |
外装 | 60.9 | 88.8 | 47.1 |
その他 | 25.7 | 23.1 | 13.3 |
合計 | 518.0 | 557.3 | 451.4 |
地域別設備投資額 |
(単位:百万ユーロ) |
2013年12月期 | 2012年12月期 | 2011年12月期 | |
フランス | 79.2 | 72.5 | 85.2 |
ドイツ | 51.2 | 55.0 | 49.2 |
その他欧州諸国 | 113.9 | 152.3 | 106.8 |
北米 | 132.2 | 104.7 | 76.1 |
南米 | 57.0 | 87.2 | 43.9 |
アジア | 81.1 | 82.6 | 65.3 |
その他 | 3.4 | 3.0 | 24.9 |
合計 | 518.0 | 557.3 | 451.4 |
海外投資
<中国>-中国の湖北省武漢 (Wuhan) 市に工業団地「Faurecia Wuhan Automotive Seating Industrial Park」を開設。敷地面積は6万平方メートル。2012年の6月に建設が開始され、2013年8月にFaureciaに引き渡された。同社は、既存の自動車用シート工場FGWとFWACを新工業団地へ移転しており、神龍汽車 (DPCA) および日産へシートフレームおよびシート一式を納入する予定。また、自動車シート開発センターも設置され、切削、発泡、被覆などのさまざまな生産工程・技術も導入する。(2013年11月13日付プレスリリースより)
<ポーランド>
-ポーランドのLegnicaにアルミ製トリム部品の生産工場を開設した。工場面積は13,000平方メートルで、最終的に従業員数は約300名となる見込み。インストパネル、センターコンソール、ドアパネルなど自動車内装部品向けにアルミトリム部品を生産する。(2013年7月2日付プレスリリースより)
<インド>
-インドBangalore近郊のBidadiに新工場を開設したと発表。同工場は2012年9月に稼動を開始し、主に吸排気系部品、インストパネル用骨格部品などをToyota Indiaへ納入している。なお、同社の排気コントロール部門はBangalore拠点において、2004年3月にトヨタ向けの生産を開始。年間30万超の部品をトヨタ工場へ納入している。(2013年1月21日付プレスリリースより)