Kautex Textron GmbH & Co. KG 2015年12月期の動向

近年の動向

業績

-2015年12月期の売上高は、前年比5.2%増の2,078百万ドル。販売量の増加が増収につながったが、一部は為替の影響により相殺された。

買収

-2005年7月、Kautexは合弁企業Kautex Textron Keylex (KTK) の少数株主持分35%を、合弁相手である日本のキーレックスから取得し、出資比率を100%に引き上げたと発表した。これによってKautexは、日本市場での製品投入までの時間を短縮し、競争力を高め、事業を拡大できるとしている。取引の詳細は発表されていない。KTKは2001年に設立され、日本における厳しい排気規制要求に応える先端燃料システム技術を供給している。広島の各工場の従業員数は約130名で、年間60万セット以上の燃料システムを生産している。

製品開発

-2015年6月、ハイブリッド車向けオール樹脂製加圧タンクシステムの生産を開始した。

受注

-2012年、Audi、BMW、Jaguarなどから燃料システムを受注。

-2011年、GMからChevroletおよびBuickモデル向け燃料タンクを年間550,000ユニット供給する契約を獲得。

-2011年、BMWから燃料タンクを400,000ユニット供給する契約を獲得。

-2009年、同社が保有する厳格な排気ガス規制に対応した費用効率の高い新燃料システムがFordに認められ5年契約を締結。

-2007年、新しい次世代燃料システムの製造工程を採用した燃料システムを受注。この工程により、燃料システムからの排気ガスを減らし、製造コストをおさえることができる。

-2004年、フランス大手OEMから受注を獲得し、今までカバーしきれていなかった地域を埋めることができた。

受賞

-2015年6月、Unipart Manufacturingとの合弁会社がJaguar Land Rover Quality Awardを受賞。現JaguarおよびLand Roverモデル向けに供給している樹脂製タンクの品質が高く評価されたもの。(2015年6月15日付プレスリリースより)

製品開発

2015年フランクフルトモーターショー出展製品
-2015年フランクフルトモーターショーで、ハイブリッド車用樹脂製燃料タンクや次世代アクティブカーボンキャニスター等の主要製品を展示。ハイブリッド車用樹脂製燃料タンクは業界初のオールプラスチック製で、同社のツインシート技術を採用。また真空・高圧環境下の使用に耐えるよう補強材を使用。容量は50L、重量は約19kg、-150mbarから350mbarの圧力に耐えるという。次世代アクティブカーボンキャニスターは独自の形状により、蒸気の取り込み・放出性能を高め、排出ガス低減に貢献するもの。 (2015年9月14日付プレスリリースより)

-同社の製品・製造技術に関する開発分野は以下のとおり:

  • 次世代アクティブカーボンキャニスター (Next-generation active carbon canisters: NGCC): ガソリンタンクシステムに装備、低排出ガス基準に対応
  • ハイブリッド車に搭載するタンクシステム: 真空・高圧下で最適な燃料貯蔵を実現
  • 車載タンクシステムの先行開発: 代替エネルギー車に対応

次世代燃料システム (Next Generation Fuel System: NGFS)
-付属部品と新機能をタンク内に統合する燃料システム。構造的な自由度が増し、フレキシビリティが向上する。カリフォルニア州の厳しい排出基準 (炭化水素0.35g/24h) を大幅にクリアしている。

設備投資

-2012年、中国、欧州、北米に生産工場、開発センター、評価センターを設立。

-2011年、選択的触媒還元システムの旺盛な需要に対応するため、アジア、欧州、北米に新工場を建設する予定。

海外投資

<中国>
-Kautexは、2015年10月28日、武漢開発区で生産拠点の建設を開始した。同社にとって長春、上海、広州、重慶に続く中国5番目の工場となる。第1期の投資額は100百万元。2017年に生産開始予定で、年間生産高は500百万元に達する見込み。最新の設備と生産技術を導入し、次世代の樹脂製燃料タンクを生産する。製品は武漢 (Wuhan)、襄陽 (Xiangyang)、長沙 (Changsha)、鄭州 (Zhengzhou) など華中地区の自動車メーカーに供給する。まず上海GM武漢工場が生産する新型SUV向けの製品から供給を開始する計画。その他のモデル向け製品は現在受注獲得に注力しているという。(2015年10月30日付け各種リリースより)