ElringKlinger AG 2016年12月期の動向
業績 |
(単位:百万ユーロ) |
2016年 12月期 |
2015年 12月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 1,557.4 | 1,507.3 | 3.3 | 1) |
EBITDA | 231.2 | 222.8 | 3.8 | - |
OE部門 | ||||
売上高 | 1,294.3 | 1,255.8 | 3.1 | 2) |
要因
1) 全社
-2016年12月期の売上高は、前年比3.3%増の1,557.4百万ユーロ。為替および買収の影響を除くと約4.7%の増収。為替のマイナス影響によって2.5%の減収要因となった一方、買収によって0.8%の増収要因となった。同社が事業を展開する全地域で増収を記録し、特にアジア太平洋地域およびその他欧州地域で好調を示した。
2) OE部門
-2016年12月期の売上高は、軽量および高性能プラスチック製品の需要増によって前年比3.1%増の1,294.3百万ユーロ。軽量/エラストマー技術および特殊ガスケット部門は大きく増収した一方、シリンダーヘッドガスケットの売上は減少した。
買収
-ドイツのエンジニアリング会社hofer AGの株式27%を取得すると発表した。この取引には、hofer傘下で同じくドイツNurtingenを本拠とするhofer powertrain products GmbHの株式53%の取得も含まれる。取得金額は総額で数千万ユーロ、手続きは2017年1月1日以降に完了する見込み。取引完了後、hofer powertrain productsはElringKlingerの傘下となる。hoferは自動車用システムの開発を行っており、主にドライブトレインシステムや測定、試験、設定などの技術に注力している。今回の株式取得によりElringKlingerは、主にスポーツカーやラグジュアリーカーなど少量生産のモデル向けに、代替駆動システムの開発・生産能力を強化する。バッテリーや燃料電池に加え、トランスミッションシステム、電気エンジン、エレクトロニクス、ソフトウェアなどの分野でも製品ポートフォリオを拡大する計画。(2016年10月27日付プレスリリースより)
受注
-米国の自動車メーカーよりコックピットクロスカービームを受注したと発表した。金属とポリマーで作られた軽量構造部品で、次世代の車両に搭載される。5年以上の契約で、受注額は数億ユーロになる見込み。2017年生産開始予定で、サプライチェーンの最適化を図るため、納入先の近くに新工場を建設する。(2016年11月30日付プレスリリースより)
-Broseよりドアモジュールキャリアの大口受注を獲得した。今回受注したのは有機シートを用いたドアモジュールキャリアで、グローバル自動車メーカーのコンパクトカー向けとなる。契約期間は2024年まで、受注総額は100百万ユーロ超。欧州では、2017年末にハンガリーでこの製品の生産を開始し、2018年に中国とメキシコでも量産開始となる予定。また、同社はハンガリーとメキシコの拠点を拡張するほか、中国では新工場建設も予定している。(2016年6月7日付プレスリリースより)
受賞
-GMより「Supplier of the Year 2015」を受賞したと発表した。同社がこの賞を受賞するのは、今回が6度目となる。(2016年3月31日付プレスリリースより)
研究開発費 |
(単位:百万ユーロ) |
2016年12月期 | 2015年12月期 | 2014年12月期 | |
全社 | 74.8 | 71.2 | 66.5 |
売上に占める割合 (%) | 4.8 | 4.7 | 5.0 |
注: 外部からの出資に基づく研究開発費を含む
研究開発体制
-2016年12月31日現在、研究開発に従事するスタッフは570名。
技術提携
-ドイツKaufbeurenを本拠とするSensor-Technik Wiedemann (STW) とリチウムイオンバッテリーモジュールおよびシステムの開発・生産に関して提携している。両社は、国際産業技術見本市「Hannover Messe 2016」で最初の製品を公開する予定。この製品は、冷却機能と電池監視機能を統合したバッテリーモジュールで、24Vおよび48Vシステムや最大1,000Vまでのバッテリーセルシステムに対応する。また、STWの「mBMS」シリーズのバッテリーモジュールとバッテリーマネジメントシステムを用いて、ElringKlingerのバッテリーモジュールキットの開発にも取り組んでいる。さらに、24~1,000Vに対応するバッテリーシステムの生産も予定されている。これらの製品は、定置式アキュムレーター、フォークリフト、電動車両やEV商用車、移動機械、船舶、電動スクーターなどに使用される。(2016年4月19日付プレスリリースより)
製品開発
-軽量化
- オルガノシート: 熱可塑性素材を使用し、耐久性と剛性に優れた軽量強化繊維。車体、バッテリーマウント、シートパンなどに使用される。2017年に量産開始の予定。
- 軽量底面パネル素材: 騒音、振動、空気抵抗を低減し、車両の空力性能を向上させる圧縮繊維素材。
-E-モビリティ
- バッテリーセル:EV向けバッテリーモジュールを中国のパートナー企業と共同開発している。
- フューエルセル:高分子電解質型燃料電池 (PEMFC) および高温度固体酸化物形燃料電池 (SOFC) を開発する長期プロジェクトに従事している。
特許
-2016年、同社は68件の特許申請を行った。
設備投資額 |
(単位:百万ユーロ) |
2016年12月期 | 2015年12月期 | 2014年12月期 | |
全社 | 183.1 | 189.8 | 163.1 |
-2016年12月期の設備投資額のうち、約90%はOE部門に投じられた。
国内投資
-2016年12月期の主なドイツ国内投資は以下の通り。
- Dettingen:軽量/エラストマー技術部門の物流センター建設、2016年7月に操業開始
- Gelting:特殊ガスケット拠点の製造機械
- Langenzenn:シールド技術施設の製造機械
- Bietigheim-Bissingen:エンジニアリングプラスチック工場の製造機器
海外投資
-2016年12月期の主な海外投資は以下の通り。
- ハンガリーKecskemet:新工場の初期化、2017年に建設開始
- フランスNantiat:工場の操業拡大
- 米国BufordおよびメキシコToluca:ガラス繊維強化熱プラスチック製の軽量底面部品の生産機械
- 米国Southfield:拠点の最適化および生産立ち上げ
- 中国長春:生産工場の製造機械
<トルコ>
-Bursaに新工場を建設したと発表した。新工場では主にサーマルシールドシステムと特殊ガスケットの生産を行う。新工場の面積は約10,500平方メートルで、12カ月かけて建設が行われた。生産、物流エリアのほか、3階建てのオフィス、エンジニアリング施設が含まれる。現在、同社のトルコでの従業員数は約170名。(2016年11月21日付プレスリリースより)
<中国>
-中国蘇州に最先端設備を有する新工場を開設した。新工場の敷地面積は67,000平方メートル、延床面積は約30,000平方メートル。製造フロアが4分の3を占め、主に軽量樹脂成形品を製造する。その他オフィス棟、食堂等も新設された。従業員数は370名。2020年までに500名に増員する予定。(2016年6月8日プレスリリースより)