Benteler International AG 2012年12月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万ユーロ) |
2012年 12月期 |
2011年 12月期 |
増減率 (%) |
要因 |
|
全社 | ||||
売上高 | 7,452 | 7,106 | 4.9 | 1) |
営業利益 | 122.0 | 178.9 | (31.8) | 2) |
自動車部門 | ||||
売上高 | 5,879 | 5,561 | 5.7 | 3) |
要因
1) 売上高
-2012年12月期の売上高は、前年比4.9%増加の7,452百万ユーロ。自動車部品部門およびスティール/チューブ部門の売上が増加したことが主な要因。一方で、物流部門の売上高減少により一部相殺。
2) 営業利益
-2012年12月期の営業利益は、前年比31.8%減少の122百万ユーロ。主な要因は、欧州を始めとする市場で自動車部門の継続受注案件の生産量が減少していること、また工場の運営に問題が発生したことも要因の一つ。さらに、自動車部品部門のリストラ費用も営業利益を押し下げた。
3) 自動車部門
-2012年12月期の同部門の売上高は、前年比5.7%増加の5,879百万ユーロ。継続受注案件の生産量が減少したが、新規受注案件の増加が減少分をカバー。さらに、鉄鋼価格等の価格転嫁が売上高増加に寄与。
企業買収
-同社の自動車部門は、ノルウェーを本拠とするFarsund Aluminium Casting AS (FAC) を買収した。FACは、自動車産業向けにアルミ製の低圧鋳造部品を生産している。従業員数は約200名で、2011年の売上額は38百万ユーロを記録。今回の買収により、FAC製のフロントナックル、リアナックル、シャシーサブフレーム、トレーリングアームなどがBentelerの製品群に加わることになる。(2012年9月発行プレスリリースより)事業再編
-2013年初頭、同社の自動車部門内のシャシー製品グループとモジュール製品グループを統合。従来の部品事業と並行してモジュール事業を拡大していくことが主な目的。-同社は、今後の収益改善のため自動車部門のリストラに着手した。リストラ計画は以下の通りで、2013年末に終了予定:
- 間接費・諸経費および製造工程の効率化
- 1,800名の人員削減 (ドイツ:500人)
- 世界に4拠点の工場を設立するため、提携パートナーの選定 (欧州:2拠点、北米:1拠点、南米:1拠点)
開発動向
研究開発費 |
(単位:百万ユーロ) |
2012年12月期 | 2011年12月期 | 2010年12月期 | |
全社 | 107.6 | 106.8 | 109.5 |
研究開発体制
-R&D要員はおよそ1,200名。18カ国32カ所にR&D拠点を保有している。-研究開発活動は、複合構造部品およびアルミ部品の開発・設計・製造を通して、構造材の軽量化に注力している。
製品開発
大型ハイブリッドトラックの新コンセプト-同社とRemy Internationalは、MAN向けに共同開発していた大型ハイブリッドトラックの新コンセプトが完成したと発表。同社はシステムインテグレーターとして参加。この新型トラック「Metropolis」は、Remy製の「HVH410」電気駆動モーターおよびジェネレーターを採用している。このトラックは、ごみ収集など大型車の搬送作業における排出ガスゼロを実現するとともに、ほぼ完全に騒音を発生させないことが可能になる。(2012年8月27日付プレスリリースより)
複合素材
-2012年、同社の自動車部門は高張力鋼、アルミおよび繊維強化プラスチック等の混合に関する研究を開始。この研究は複合素材を活用することで、量産車に魅力的な価格で軽量化技術を供給することを目的としている。
クラッシュボックス
-自動車部門内の構造製品グループは、クラッシュボックス用のチューブの製造を開始。従来はシートメタル製であったが、今回製造を開始したクラッシュボックスは、レーザー溶接による鉄製の被膜薄肉チューブで構成されている。
設備投資
設備投資額 |
(単位:百万ユーロ) |
2012年12月期 | 2011年12月期 | 2010年12月期 | |
グループ全社 | 444 | 386 | 247 |
自動車部門 | 335 | 286 | 209 |
-2012年12月期の設備投資額444百万ユーロのうち、429百万ユーロが生産拠点の設備・装置に投じられ、残りの15百万ユーロは無形資産の取得に充当された。
-自動車部門には、335百万ユーロが投じられた。主な投資は、特定のプロジェクト、生産拠点の設備・装置等に投じられた。
-同社は過去10年間でアジア、米州、アフリカおよび欧州の28カ所の生産拠点に投資を行なっている。
国内投資
-SGL Groupとの合弁会社Benteler-SGL GmbHの新工場がオーストリアのOrt im Innkreisで開設。投資額は36百万ユーロで、敷地面積は45,000平方メートル。2013年半ばより自動車用複合材料部品の初の量産を開始する。主な製品は、サイドブレード、ドア、カーボン部品などのボディーシェル部品。(2012年10月22日付プレスリリースより)海外投資
<トルコ>-同社は、トルコのCayirova-Kocaeliで新工場「Benteler Gebze Tasit Sanayi ve Ticaret Ltd. Sti.」の開所式を行ったと発表。敷地面積は8,500平方メートルで従業員数は83名。FordおよびRenault向けに、Aピラー、Bピラー、ロッカー、クラッシュシステム、ドア強化部品など熱間鍛造部品を納入する予定。(2012年6月8日付プレスリリースより)