American Axle & Manufacturing Holdings, Inc. 2010年12月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万ドル)
  2010年12月期 2009年12月期 増減率(%)

要因

売上高 2,283.0 1,521.6 50.0 1)
総利益 401.7 (31.1) - -

要因
-同社2010年売上高は、北米の同社主要顧客であるGMおよびChryslerの小型トラックおよびSUVの生産量が前年比42%増となったことを受け、プラス成長に転じた。この増加の要因としては、世界経済が安定化したこと、自動車産業の市況が好調なこと、2009年に生産を止めたことによる反動(その影響額は304.3百万ドルと予測)によるものとみられる。この売上増は、乗用車およびクロスオーバー車向けに市場に投入した新製品に対してもよい影響を与えている。

-GMの北米仕様小型トラックおよびDodge Ram向けの部品単価がドル計算で2010年は1,441ドルに上昇した。これは、2009年の1,403ドル、2008年の1,391ドルと比較し上昇となっている。2010年のこの価格上昇の主たる要因は金属材料の高騰と、ダッジとの間での支払い契約の方法が変わったことによるもの。また、GMが2010年6月に発表した大型トラックの立ち上げの影響もあった。

-4WD/AWDの市場占有率は64.2%(2009年は64.1%、2008年は64.8%)。

受注

-同社は大手カーメーカーからEcoTrac(TM) AWDシステムの初受注を獲得した。このシステムが搭載された車両は、状況に応じて前輪駆動から四輪駆動へ自動切替することが可能となる。同社はこの AWDシステムを、2012年から乗用車・クロスオーバー車向けに供給する計画。(2010年11月16日付プレスリリースより)

-同社はVolkswagenのピックアップトラック「Amarok」(2010年モデル)向けにリアアクスルの供給を開始した。このアクスルにはAAMの電子制 御式ロッキングディファレンシャル「TracRite(R) ELD」が付属されている。アクスルの生産はブラジルのAraucaria工場で行い、VWのアルゼンチンPacheco工場に納入する。(2010年3月30日付プレスリリースより)

合弁事業

-同社は、Spyker Cars(オランダ)傘下のSaabと合弁会社「e-AAM Driveline Systems AB (e-AAM)」を設立すると発表した。乗用車・クロスオーバー車を対象に、電動式四輪駆動(AWD)システムやハイブリッド駆動システムの開発・販売を 行う。この新会社はSaab本社のあるスウェーデンTrollhattanを本拠とし、2010年10月1日から事業を開始する予定。e-AAMの株式は AAMが過半数を保有する。Saabは、e-AAM製システムを2012年から自社ブランド車に搭載する計画。なお、e-AAMは他のカーメーカーにも製 品を供給するという。(2010年9月24日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発費

(単位:百万ドル)
  2010年12月期 2009年12月期 2008年12月期
合計 82.5 67.0 85.0

-パワートランスファーユニット、トランスファーケース、ドライブライン、トランスミッションデフ、マルチピースドライブシャフト、等速ジョイント、トルクトランスファー装置、シャシー・モジュール、フロント/リアドライブアクスルなど。また、既存ならびに時期型製品との電子統合化や、ハイブリッド車両と電気自動車システムの研究開発にも注力している。

設備投資

設備投資額

(単位:百万ドル)
  2010年12月期 2009年12月期 2008年12月期
資本支出額 108.3 141.5 140.2

-2010年の設備投資額は受注分の新型モデルプロジェクトの立ち上げに配分された。

投資計画

-2011年12月期は140-150百万ドル(同社売上高のおよそ6%)の設備投資を見込んでおり、2011年と2012年に予定されている新規受注分の生産立ち上げを実施する計画。

国内投資

-同社は、米国ペンシルベニア州Lancasterに新工場を設立したと発表。2010年1月からクラス8トラック用アクスルを生産している。(2010年3月25日付プレスリリースより)