Zhejiang Asia-Pacific Mechanical & Electronic Co., Ltd. [浙江亜太機電股份有限公司] 2016年12月期の動向

業績

(単位: 百万元)
2016年12月期 2015年12月期 増減率(%) 要因
売上高 3,418.96 3,059.48 11.75 -新たな分野に参入し、新たな市場を開拓して、売上高の増加を達成。
営業利益 148.82 157.48 (5.50) -投資した新工場が生産開始していないこと、研究開発費用、人件費、減価償却費が増加したことが原因で、業績の増加幅は自動車産業の平均レベルに達していない。
経常利益 176.02 170.08 3.49
純利益 151.58 148.69 1.94

新会社

-広州汽車集団零部件有限公司と設立した合弁会社「広州亜太汽車底盤系統有限公司[Guangzhou Asia-Pacific Chassis Systems Co., Ltd.]」は、工商管理局への登記手続きが完了したと発表。出資金額と比率は、同社が42.84百万元で51%、広州汽車集団零部件が41.16百万元で49%となっている。(2017年5月25日付け会社公告より)

-吉林竜山有機硅有限公司[Jilin Longshan Organosilicon Co., Ltd.] と吉林市に合弁会社を設立すると発表。合弁会社の名称は「吉林市亜太竜山汽車底盤有限公司[Jilin Asia-Pacific Longshan Automotive Chassis Co., Ltd.]」。登録資本金は10百万元で、浙江亜太機電が51%、竜山有機硅が49%を出資する。合弁会社は主に自動車シャーシーモジュールの開発、生産、販売を行う。(2017年4月6日付け会社公告より)

-業務上の必要から上海に支社を設立すると発表。名称は浙江亜太機電股份有限公司上海分公司 [Zhejiang Asia-Pacific Mechanical & Electronic Co., Ltd. Shanghai Branch]。所在地は上海市嘉定区(Jiading District)。主に自動車及び軌道車両用ブレーキシステム、自動車用シャーシーシステム、エレクトロニクス、オーディオエンターテイメントシステムの開発、販売、テクニカルサービス、輸出入業務を行う。(2017年3月24日付け会社公告より)

-資本参加しているElaphe Propulsion Technologies Ltd.と新たに合弁会社を設立すると発表。合弁会社の名称は 「杭州亜太依拉菲動力技術有限公司 [Hangzhou Asia-Pacific Elaphe Power Technologies Co., Ltd.]」。浙江省杭州市に位置し、資本金は5百万ユーロ。同社が2.55百万ユーロ (51%)、Elapheが2.45百万ユーロ (49%) を出資する。主にインホイールモーターを生産する。(2016年4月26日付け会社公告より)

-中微汽博実業有限公司[Zonve Auto Exhibition]と合弁会社「重慶亜太汽車底盤系統有限公司 [ChongqingAsia-Pacific Chassis Systems Co., Ltd.]」を設立すると発表。出資額と持株比率は、同社が40百万元、80%、中微汽博が10百万元、20%。合弁会社設立後は、同社の現有子会社「重慶津栄亜太汽車部件有限公司[Chongqing Jinrong Asia-Pacific Automotive Co., Ltd.]」の業務を徐々に新会社に移す予定。(2016年3月15日付け会社公告より)

-同社は武漢 (Wuhan) に全額出資子会社 「武漢浙亜汽車底盤系統有限公司 [Wuhan ZA Chassis Co., Ltd.] を設立すると発表。登録資本金は10百万元。新会社は主に自動車ブレーキシステム、シャシーシステム、自動車電子部品および音響娯楽機器の生産と販売を行う。(2016年2月6日付け会社公告より)

登記抹消

-武漢(Wuhan) 支社の登記を抹消すると発表。武漢支社は2015年5月27日に設立したもので、主に自動車及び鉄道車両のブレーキシステム、シャシーシステム、自動車電子部品および音響娯楽機器の開発、製造、販売、輸出入業務を行っていた。登記抹消後、従業員は全て浙江亜太機電本社に移管される。(2016年2月6日付け会社公告より)

受注

-同社は、一汽VWよりF17M BC316 DY0260ブレーキのサプライヤーに指定された。(2017年5月20日付け会社公告より)

-同社は、一汽VWから「サプライヤー指名通知書」を受領したと発表。同社は一汽VWのAudi T99NF (新世代Audi A6L)向けに4つのブレーキディスクを供給する。受注シェアは20%になる見込み。新世代Audi A6LはVWグループがMLBモジュール化プラットフォームをベースに作ったモデル。MLBモジュール化プラットフォームはBセグメント-Dセグメントのセダン、SUVなどで共有される。将来Audiブランドの次世代A4、A6、Q5、Q7など15の新型車はすべてこのプラットフォームをベースに製造される。(2016年12月30日付け会社公告より)

-同社の支配株主である亜太機電集団有限公司 [Asia-pacific Machine & Electric Group Corp.]は、GMDの全株式を買収すると発表。GMDの評価額は約300百万ユーロ。GMDはフランスの車体、シャーシーメーカー。中国に生産拠点も持っている。現在、GMDの主要業務はダイキャスト、樹脂射出成型、ガスケット、プレス部品の4つで、主な顧客はPSA、ルノー、ベンツ、VWなどのOEMとZFなどの部品メーカー。2015年度の売上高は約688百万ユーロ、償却前利益は約61.9百万ユーロだった。(2016年12月2日付け会社公告より)

-同社は、長城汽車股份有限公司から「新製品開発通知書」を受領したと発表。同社は長城汽車の部品開発サプライヤーとして、哈弗H6(Haval H6)モデルチェンジ版のフロントブレーキキャリパーアセンブリとフロントブレーキディスクを開発、生産する。(2016年11月29日付け会社公告より)

-同社は、一汽VWと「自動運転実行機能を有するブレーキバイワイヤシステム」を共同開発することで合意し、開発協定書を取り交わした。ブレーキバイワイヤは自動運転のコアとなるシステムである。(2016年11月15日付け会社公告より)

-同社は、GMからGEMプラットフォーム向け部品を受注したと発表。同社はリアブレーキ製品を独占的にグローバル供給する。GEMプラットフォームは中国、メキシコ、ブラジルなどで使用される。中国市場への供給は2019年から2027年、メキシコ、ブラジル市場への供給は2020年から2032年となる予定。2019年から正式に製品供給を開始する計画である。(2016年10月24日付け会社公告より)

-同社は、重慶長安汽車商用車事業部から「製品開発指定会社通知書」を受領したと発表。同社は長安商用車R111(開発コード)向けフロント、リアブレーキコーナーモジュールを開発、生産する。(2016年10月11日付け会社公告より)

-同社は、前途汽車(蘇州)有限公司 [Qiantu Motor (Suzhou) Company Limited] から「製品開発指定会社通知書」を受領したと発表。同社は前途汽車の部品開発と生産を行うサプライヤーとして、HG11(開発コード)向けEPBモジュールを開発する。(2016年9月28日付け会社公告より)

-同社は、四川現代汽車有限公司から「新車QTc部品開発インビテーション」を受領したと発表。四川現代汽車の新車QTc(開発コード)向けにABS油圧コントロールユニット(HCU)を開発する。(2016年9月24日付け会社公告より)

-同社は、神龍汽車 (Dongfeng-Peugeot-Citroen) から新型車向け部品を受注したと発表。受注したのはPF2 (開発コード) (BZ3、B73Rモデル)、BVH1 (開発コード) (M3、M4、A94、M44モデル) プラットフォームの油圧クラッチリリースマスターシリンダー、油圧クラッチリリースシリンダーなど11種。これらの製品には新型複合材料を採用する。(2016年5月6日付け会社公告より)

-同社は、一汽VWよりAudi X55、A-MAIN-SUV向けフロントディスクブレーキとAudi X55、NSC NF、A-MAIN-SUV向けリアディスクブレーキを受注したと発表。納入シェアは80%。(2016年4月21日付け会社公告より)

-同社は、東風襄陽旅行車有限公司 [Dongfeng Tourist Bus Co., Ltd.] から新エネルギー車用のシャシーモジュールを受注。同社は製品開発に協力するとともに、東風側の要求に基づきサンプルを納入する。(2016年1月22日付け会社公告より)

-同社は、広州汽車集団乗用車有限公司 「A5H」 (開発コード) 向け部品のサプライヤーになったと発表。「A5H」 向けフロント/リアキャリパーASSYを開発、供給する。(2016年1月21日付け会社公告より)

2017年12月期見通し

-2017年12月期の目標は主要事業の売上高35億元、経常利益1.8億元、純利益1.53億元。

研究施設

-1996年にテクニカルセンターを開設。2005年に国内ブレーキメーカーで唯一国家レベルのテクニカルセンターに認定される。

研究開発費

(単位:百万元)

2016年12月期 2015年12月期 2014年12月期
金額 142.52 110.63 93.90
売上高に占める比率
(%)
4.17 3.62 2.86

研究開発提携

-同社は、2017年3月1日、中国汽車技術研究中心[China Automotive Technology and Research Center (CATARC)]とインテリジェントネットワーク自動車標準研究拠点を杭州市蕭山区(Xiaoshan District, Hangzhou)に設立。両社はインテリジェントネットワーク自動車の共通基礎技術、測定評価、標準体系の構築について共同研究する。(2017年3月2日付け各種リリースより)

-同社は、奇瑞新能源汽車技術有限公司 [Chery New Energy Automobile Technology Co., Ltd.] と新エネルギー車技術提携協定書を結び、新エネルギー車の開発で協力すると発表。奇瑞新能源は提携強化のため、同社に対し蕪湖に工場を建設するよう求めている。奇瑞新能源は2010年4月設立。ハイブリッド車、代替燃料車などクリーンエネルギー車に関する先端技術の研究開発を行っている。(2016年5月30日付け会社公告より)

-同社は、東風小康汽車の製品技術センターと 《インテリジェント運転技術提携合意書》 を結んだと発表。両社は自動運転のブレーキシステムとコントロールモジュールの研究開発、試験などの分野で提携する。(2016年3月28日付け会社公告より)

-同社は、浙江合衆新能源汽車有限公司 [Zhejiang Hezhong New Energy Automobile Co., Ltd.] と 《運転知能化技術提携合意書》 を結んだと発表。両社は自動運転のブレーキシステムとコントロールモジュールの研究開発、試験などの分野で提携する。合衆新能源汽車は浙江省桐郷市 (Tongxiang, Zhejiang) に位置する、新エネルギー車の開発、製造、販売を行うハイテク企業。(2016年3月17日付け会社公告より)

-北京汽車研究総院 [Beijing Automotive Technology Center] および合弁会社の北京亜太汽車底盤系統有限公司 [Beijing Asia-Pacific Chassis Co., Ltd.] と 《インテリジェントネットワーク自動車開発に関する戦略的提携の合意書》 を結んだと発表。3社はインテリジェントネットワークEVの試作を目指す。(2016年2月15日付け会社公告より)

-2016年1月、奇瑞汽車と 「インテリジェントドライビング技術の提携合意書」 に調印。同社は奇瑞汽車にインテリジェントドライビングのブレーキシステムとコントロールモジュールの研究開発、製品供給、完成車への取り付け調整、技術サービスなどを行う。(2016年1月25日付け会社公告より)


特許

- 2016年末現在、累計で127件の特許を取得。内訳は発明権18件、実用新案権107件、意匠権2件。

設備投資

(単位:百万元)
プロジェクト 予算 2016年投資金額 進捗
自動車鋳造部品工場建設 (年間生産能力12万トン) 657.40 221.16 60%
EPB付きリアブレーキキャリパーASSY技術改造 (年間生産能力40万セット) 151.87 31.52 85%
ディスクブレーキ生産工場(年間生産能力4百万セット) 333.20 8.84 80%
重慶亜太公司の建屋建設 170.00 16.00 10%
安吉のほかの建屋及び付属施設 136.00 1.28 75%

国内投資

-2016年1月、蘇州安智汽車零部件有限公司 [Suzhou Anzhi Auto Parts Co., Ltd.] と 《増資合意書》 を結んだと発表。同社は蘇州安智の増資を5百万元で引き受け10%の株式を取得する。蘇州安智は2015年1月設立で、主に自動車運転支援システム及びアクティブセーフティシステムの開発、販売を行っている。2015年12月31日現在の総資産額は1.45百万元、売上高は0.2百万元。増資により調達した資金は電子制御ブレーキシステム、ADAS先進運転支援システム技術の開発に充てる。(2016年1月26日付け会社公告より)

主要製品生産実績

(単位:万個)
会社名 2015年12月期 2014年12月期 2013年12月期
ディスクブレーキ 浙江亜太機電股份有限公司 N.A 778.6 679.0
ドラムブレーキ N.A 500.5 412.0
ブレーキディスク 666.0 570.0 N.A
バキュームブースター 666.0 45.6 N.A
ハイドロリックブレーキマスタシリンダー N.A 202.0 237.1
ハイドロリックブレーキホイールシリンダー N.A 740.1 657.1
ABS N.A 13.1 N.A
クラッチマスタシリンダー N.A 212.4 195.4
クラッチスレーブシリンダー N.A 150.8 170.3
ディスクブレーキASSY 北京亜太汽車底盤系統有限公司 N.A N.A 15.0
ドラムブレーキASSY N.A 12.2 N.A
ブレーキディスク 14.0 N.A N.A
ブレーキキャリパー N.A N.A 2.0
バキュームブースター N.A N.A 0.8
フロント&リアサスペンションモジュール N.A 15.6 N.A
リアアクスル N.A 0.3 N.A
フレームASSY N.A 0.8 N.A

出典:「中国汽車工業年鑑 (China Automotive Industry Yearbook) :各年10月に発行」