Autoneum Holding Ltd. (旧 Rieter Automotive) 2018年12月期の動向

業績

 (単位:百万スイスフラン)
  2018年
12月期
2017年
12月期
増減率
(%)
全社
売上高 2,281.5 2,205.4 3.4
純利益 74.7 118.9 (37.2)

 

新会社

-トヨタ紡織、スイスのオートニウム日本特殊塗料が設立した自動車のNV (騒音・振動) を評価する新会社ATNオートアコースティクスは3日、報道陣向けにトヨタ紡織・大口工場 (愛知県大口町) 内にある評価施設を公開した。2018年3月の会社設立後、自動車メーカーから委託を受けてNV評価を行う。電動化で車内の静粛性が求められる中、内外装に関する技術に強みを持つ3社の知見を持ち寄り、素材から部品、車両までを一貫して評価できる体制を整えた。3社は12年に協業を開始し、17年に新会社を設立する契約を締結した。内外装部品が主力のトヨタ紡織と防音材やシミュレーションソフトウエアを得意とするオートニウム、日本特殊塗料が手を組み、騒音の現象解析や部品の性能最適化を目指す。(2018年9月4日付日刊自動車新聞より)

 

受賞

自動車メーカー Autoneumの工場 受賞名
GM - Supplier Innovation Award
PSA ポーランド Katowice Best Plant Award
GAC Fiat 中国 太倉市 Excellence Supplier Award
現代 インド Behror Appreciation Award
ホンダ 米国 Monroe Honor of Distinction

 

見通し

-2020年までに売上高を2,600百万スイスフランに引き上げる計画。同時に、新興国の売上高を全体の20%以上に、EBITDAを12%に引き上げることを目指す。

 

研究開発費

 (百万スイスフラン)
2018年12月期 2017年12月期 2016年12月期
全社 66.6 62.8 64.5

-新材料や新製品の開発に加え、吸音による快適性、燃料消費量、排出ガスの目標を達成するため、新たな生産技術に取り組んでいる。特に軽量で防音性の高いエンジンルーム、車内フロア、車体下部、車体関連部品の開発に注力。
 

研究開発体制

スイス Winterthur (本社) -アコースティックセンター
-研究開発センター
Sevelen -開発センター
フランス Aubergenville -アコースティックセンター
-開発センター
ドイツ Rossdorf-Gundernhausen -アコースティックセンター
ポーランド Katowice -開発センター
米国 ミシガン州Fmarmington Hills -アコースティックセンター
-開発センター
イリノイ州Tinley Park -アコースティックセンター
-開発センター
ブラジル Sao Bernardo do Campo -アコースティックセンター
-開発センター
中国 上海市 -アコースティックセンター
-開発センター
日本 東京都北区
(日本特殊塗料との合弁)
-アコースティックセンター
静岡県
(日本特殊塗料との合弁)
-アコースティックセンター



製品開発

コンパクトカーおよび中型車向けカーペット
-このカーペットは軽量の撥水加工繊維を使用しており、液体や小さな粒子に対する耐性に優れているという。新開発の「カーペット・クリ―ナビリティ・アナライザー」で、異なるカーペットを分析、比較する。カーペット表面上の残留物およびサンプルの重量差に基づいて、個々のカーペットの清浄性および耐汚損性を計算するという。このシステムは、2018年春にフランスの自動車メーカーに初採用される。(201838日付プレスリリースより)
 

設備投資額

(単位:百万スイスフラン)
  2018年12月期 2017年12月期 2016年12月期
欧州 44.2 37.6 32.7
北米 69.0 113.0 74.7
アジア 39.1 33.7 19.0
南米・中東・アフリカ (SAMEA) 10.1 6.4 6.5
グループ共通 4.0 7.4 5.5
全社 166.3 198.1 138.4



海外投資

<中国>
-中国に2工場を新設したと発表した。工場新設により、同社は中国で10カ所の拠点を保有することとなる。新工場はそれぞれ浙江省平湖市と遼寧省瀋陽市に建設された。9,000平方メートルの平湖工場は欧州、米国、中国の顧客向けにUltra-Silent製のアンダーボディシステムを製造する。このアンダーボディは中国自動車メーカーのハイブリッドモデルに搭載される予定で、フル稼働時には年間約550万個のUltra-Silent製アンダーボディ部品を製造する計画。また、瀋陽工場はすでに先行生産に入っており、23,000平方メートルの施設ではドイツとスウェーデンの自動車メーカー向けに年間約750万個のカーペットシステム、インナーダッシュ、フロアインシュレーター、熱シールドなどを生産する。(2018913日付プレスリリースより)

<チェコ>
-需要増と設備稼働率を考慮してチェコHnatniceの開発・生産拠点を拡張すると発表した。同工場では、車両の騒音や熱を保護するための軽量部品製造の基礎となる高精度の工具や金型を生産している。2019年夏から、6,000平方メートルの施設で最新の生産プロセスによって射出成形、曲げ工具、発泡工具を製造する予定。これらの製品はカーペットシステム、インナーダッシュおよび熱シールド製品生産向けにカスタマイズされる。同工場はスイスWinterthurの研究センターと協力して、インダストリー4.0アプリケーションを実装して開発前のコスト効率の高い方法でモデル化し、最適化するという。(2018711日付プレスリリースより)

<ハンガリー>
-Komaromに防音および熱管理関連の軽量部品工場を開設したと発表した。広さ12,000平方メートルの新工場では、カーペットシステム、インナーダッシュ、ホイールハウス・アウターライナーやその他NVH製品を製造する。製品はドイツおよび英国自動車メーカーのハンガリーとスロバキアの工場に供給する。新工場初の製品となるカーペットシステムは、ドイツの自動車メーカーに供給するという。また、軽量ホイールハウス・アウターライナーを英国自動車メーカーの電動SUVモデル向けに生産する予定。(2018516日付プレスリリースより)