Rieter Holding Ltd. 2007年度の動向

ハイライト

業績
(単位:百万スイスフラン) 2007 年度 2006年度 増減率(%) 要因、背景
全社
売上高 3,930.1 3,501.4 12.2% -
営業利益 278.7 180.6 54.3% -
自動車部門
売上高 2,363.3 2,179.2 8.4% (1)
営業利益 91.6 94.7 (3.3%) (2)

自動車部門の業績
(1)過去5年間の成長トレンドは今年度も継続し、 売上高は8%増の2,363.3百万スイスフラン。 この増加は、販売地域の拡大および搭載モデルの増加が要因。 売上は大幅に増加し、西ヨーロッパおよび北米などの主要市場における車両生産台数の伸びを上回る速さで伸張。 南アメリカやアジア地域でも大幅に増加。

(2)売上増に見合った収益の伸びは見られず、2007年度の利子税金控除前利益(EBIT)は91.6百万スイスフラン(2006年度は94.7百万のスイスフラン)にとどまった。生産高比率4%(2006年度は4.4%)で2007年度前半の営業利益率を維持。このような軟調な結果となった要因として、原材料費およびエネルギーコストが高騰したにもかかわらず納入先への販売価格にわずかしか転嫁できなかかったことと、納入先からサプライヤーに対する価格圧力が増大したことが 挙げられる。2007年度は、これらの影響を経費削減プログラムによって完全に補正することができなかった。また、英国の生産拠点移転に伴う追加費用も発生。


グローバル化
ヨーロッパ
-欧州の商用車市場でのシェアの10%強を占める。
-Chocen(チェコ共和国)の既存の生産拠点を拡張することで、東欧における生産能力を増強中。 2007年度、Nowogard(ポーランド)に新設された工場が稼働を開始。 西欧から事業を移転させた結果、これらの国において成長を遂げた。
-日本の自動車メーカーに製品を供給することを目的として、日本特殊塗料と共同で米国ケンタッキー州にSomerset工場を新設。

アジア
-2007年、重慶(中国)に工場(完全所有子会社)を開設。 これにより中国では、日本の提携先である日本特殊塗料と共同で過去数年間で2拠点を設立したことになる。
-韓国の提携先であるDKTと共同で、韓国の顧客向けの事業を立上げ、拡大。
-商用車セクターでは、中国のほかインドでも初の受注を獲得。

開発動向

研究開発費用

(単位:百万スイスフラン) 2007年 2006年 2005年
合計 141.1 144.8 144.7

研究開発体制
-Winterthurの中央研究センターでは各製品および材料並びに音響・サーマルマネジメントに関する研究開発を行い、これ以外にも9箇所の音響研究所を運営。

製品開発
-Rieter Ultra Silent(RUS)は安定した音響特性を持ち、市場性が高い。 Rieter Ultra Silentのメリットの1つに、リサイクル可能であることが挙げられる 。また、類似特性を持つ既存の製品とは対照的に、ガラス繊維が含まれていない。 この材料は同社の繊維部門と自動車システム部門の共同で開発され、非常に軽量で耐熱性に優れ、自動車設計の 各要件を満たすことから、車両のさまざまな部品に使用できる。 自動車システム部門では、Rieter Ultra Silentを用いた製品で初の大口受注を獲得した。

設備投資

(単位:百万スイスフラン) 2007年 2006年 2005年
自動車システム 112.4 121.3 155.1
全社 203.5 186.2 182.3

海外投資
-2007年度、Nowogard(ポーランド)に工場を新設。
-日本の自動車メーカーに製品を供給することを目的として、日本特殊塗料と共同で米国ケンタッキー州にSomerset工場を新設。
-2007年、重慶(中国)に工場(完全所有子会社)を開設。