Ningbo Tuopu Group Co., Ltd.[寧波拓普集団股份有限公司](旧 寧波拓普制動系統有限公司) 2022年12月期の動向
業績 |
(単位:百万元) |
2022年12月期 | 2021年12月期 | 増減率(%) | |
売上高 | 15,992.82 | 11,462.69 | 39.5 |
営業利益 | 1,977.75 | 1,144.63 | 72.8 |
経常利益 | 1,959.91 | 1,146.27 | 71.0 |
純利益 | 1,698.97 | 1,017.83 | 66.9 |
2022年12月期の企業動向
-Tier0.5としてのOEMとの関係構築に取り組んでおり、自動車企業と共同開発することで、互いの効率向上とコスト削減を図っている。 納入先はHuawei、金康新能源、BYD、吉利新能源、理想 (Li Auto)、蔚来(NIO)、小鵬(Xpeng)などの新エネルギー車をメインとするOEMで、複数の大型注文を獲得した。
-同社のIBS、EPS、エアサスペンション、サーマルマネジメントシステム、インテリジェントコックピットなどの製品が、一汽、吉利 (Geely)、華為 (Huawei)、金康、理想(Li Auto)、BYD、小米 (Xiaomi)、HYCAN Automotive、Human HorizonsなどのOEMから受注を受けた。
新会社
シャシー製品を供給する子会社を設立
-同社は、寧波市杭州湾新区に子会社を設立すると発表した。会社名は拓普滑板底盤(寧波)有限公司を予定し、登録資本金は20億元、事業範囲は自動車部品の研究開発および付属品の製造など。拓普集団はサスペンションシステム、ブレーキ・バイ・ワイヤ、ステア・バイ・ワイヤなどを生産しているが、今回、杭州湾新区に工場を新設し、それらのモジュールを単一のプラットフォームに統合したシャシー製品を供給するという。(2022年2月8日付拓普集団のプレスリリースに基づく)
受注
理想(Li Auto)
-理想汽車と戦略的を締結したと発表した。両社はこれまでもシャシーシステム、サーマルマネジメント、内外装などの製品分野で協業してきた。今回、協力範囲の拡大および強化をすることで合意したという。(2022年11月16日付け拓普集団のWeChat公式アカウントより)
蔚来(NIO)
-両社は蔚来のサプライチェーンのローカル化、低炭素化、デジタル化、グローバル化の4つの観点で協力し、蔚来の合肥工場は周辺サプライヤーからの調達を目指す。製品では、シャシーシステム、車体軽量化、熱管理システム、内外装システム、NVH抑制システムなどが対象となる。また、スマートキャビン、エアサスペンションシステム、スマート運転システムなどでの協力についても検討する。(2023年3月17日付プレスリリースより)
ステアリングシステムが複数のOEMから受注を獲得
-同社のステアリングシステム16製品が複数のOEMから受注を獲得したと発表した。2022年第4四半期に量産されるコラムアシスト式電動パワーステアリング(CD-EPS)は、OEM3社向けに7製品が採用された。2023年第3四半期に量産される電動4WAY調整式ステアリングコラム(EASC)は、OEM4社向けに7製品を受注した。2023年第4四半期に量産されるデュアルピニオンアシスト式電動パワーステアリングシステム(DP-EPS)は、OEM1社から2製品を受注した。(2023年1月5日付け拓普集団WeChat公式アカウントより)
エアサスペンションシステムを受注
-7件のプロジェクトから同社のエアサスペンションシステムを受注したと発表した。製品の中核部品はフロントエアスプリングアセンブリ、リアエアスプリングアセンブリ、統合式エア供給ユニット(エアポンプ、バルブ、ECUが一体化)。2023年第3四半期から量産を開始する予定。(2022年12月6日付拓普集団のWechat公式アカウントより)
新工場
軽量化シャシー及び音響ユニット向け新拠点
【蔚来(NIO)、BYD向け】
-安徽寿県スマート工場の建設を開始したと発表した。このは安徽省淮南市寿県新橋国際産業園に位置する。敷地面積は約13.3万平方メートル、総投資額は15億元を見込んでいる。50万セットの軽量化シャシーおよび50万セットの音響ユニットの生産が可能となる。この工場では、主に蔚来汽車(NIO)、BYDなどの自動車メーカー向けの供給を行うという。(2022年12月6日付Wecaht公式アカウントより)
【賽力斯(SERES)などの西南地区OEM向け】
-重慶にスマート工場及び軽量シャシー第5工場の着工を発表した。この工場は重慶市沙坪壩区青鳳ハイテク産業区に位置する。第1期建設の敷地面積は120,000平方メートル。約15億元を投じて、研究開発、試作、スマートマニュファクチュアリングを統合した工場を建設する。生産能力は、軽量シャシー100万ユニットと車載音響ユニット50万セットを計画している。この工場は、賽力斯(SERES)の「問界(Wenjie)」及び西南地区のスマートEVメーカーにローカルサービスを提供する。(2022年9月9日付拓普集団のWeChat公式アカウントより)
-工場は2023年に稼働開始する予定。この工場は、アルミニウムサブフレームの生産に必要な中子成型、鋳造、溶接、機械加工などの工程や生産設備を備える。また、音響ユニット製品としては、主に天井、フロアカーペット、防音断熱材、トランク防音部材といったノイズ低減製品を生産する。(2022年8月3日付拓普集団のWechat公式アカウントより)
新エネルギー車(NEV)部品向け工場
-浙江省湖州市長興経済技術開発区と投資契約を締結したと発表した。拓普集団は20億元以上を投じて、敷地面積が約13.3万平方メートルの新エネルギー車(NEV)用部品工場を建設する。主に軽量シャシー、内装機能部品、車載エレクトロニクスなどのNEVコア部品を生産するという。(2022年10月1日付プレスリリースより)
-陝西省西安市経済技術開発区に新エネルギー車(NEV)部品工場を建設すると発表した。総投資額は約30億元、3期に分けて建設され、敷地面積は約26.7万平方メートル(第1期は約8万平方メートル、第2期は約5.3万平方メートル、第3期は約13.3万平方メートル)、子会社の西安拓普汽車部件有限公司がプロジェクトの実施主体となる。(2022年9月27日付プレスリリースより)
軽量化シャシ、一体化ボディ、内装システムなど生産拠点
-安徽省淮南市の寿県新橋国際産業団地に25億元を投じて新エネルギー車(NEV)用部品工場を建設すると発表した。工場の敷地面積は約33万平方メートル、そのうち第1期工事では約13万平方メートルの土地を整備する。軽量化シャシ、一体化ボディ、内装システムなどの製品を生産する。(2022年8月19日付プレスリリースより)
買収
Antolinとの合弁子会社を取得
-同社は、自動車内装部品の大手サプライヤーAntolinとの合弁子会社である重慶安通林拓普車頂系統有限公司[Chongqing Antolin Tuopu Overhead Systems Co., Ltd.](重慶安通林拓普)の株主である安通林(中国)投資有限公司[Antolin (China) Investment Co., Ltd.](安通林中国)と株式譲渡に関する協議に合意したと発表した。拓普集団は,1155万6,120.82元で安通林中国が保有する重慶安通林拓普の株式61%を買収する。今回の取引完了後、重慶安通林拓普は拓普集団の完全子会社になる。(2022年3月16日付プレスリリースより)
海外投資
‐メキシコのヌエボ・レオン州に完全子会社「拓普集団墨西哥有限公司」を新設し、工場を建設する計画であると発表した。子会社の登録資本金は5万メキシコ・ペソ、総投資額は最大2億ドルで、拓普集団が99%、子会社の寧波拓普機電進出口有限公司が1%の出資を行う。事業範囲には、自動車部品の研究開発および生産販売、金型や設備の製造販売などが含まれる。メキシコに建設する工場では、軽量シャシー、内装システム、サーマルマネジメントシステム、ロボットアクチュエーターを中心に生産する。(2022年9月30日付プレスリリースより)
新製品
-7,200トンの超大型ダイカストマシンを使用した、超大型ダイカストキャビンを杭州湾の第4期工場である軽合金九部工場で生産開始した。今回の超大型構造部品は、全長1,700mm、全幅1,500mm。従来比で15%~20%の軽量化を実現したという。同社は、華人運通(Human Horizons)とダイカスト技術を共同で開発しており、今回のこの技術では、数十個の部品を1つの部品に統合し、一度で鋳造成型することができるという。(2022年2月26日付拓普集団の公式Wechatに基づく)
研究開発費用 |
(単位:百万元) |
2022年12月期 | 2021年12月期 | 2020年12月期 | ||
研究開発費用 | 750.72 | 502.49 | 354.85 | |
売上高に占める割合 (%) | 4.69 | 4.38 | 5.45 | |
研究開発人員数(名) | 3,180 | 2,350 | 1,729 | |
会社の総従業員に占める研究開発要員の割合(%) | 18.06 | 18.38 | 18.96 |
研究開発拠点
-米国デトロイト及びスウェーデンヨーテボリ (Göteborg) にR&Dセンターを保有。カナダトロント、独ヴァインハイム(Weinheim)、仏ルヴァロワ=ペレ(Levallois-Perret)、ブラジルサンパウロに技術者を配置。また、GM、Ford、Audi、BMWなどとの共同開発体制も構築。GM、Ford、Audi、BMWのほか、Valeo、上汽集団、一汽轎車、一汽錫柴、長安汽車、瀋陽華晨、吉利汽車、BYDなどと共同開発を行っている。