三菱電機 (株) 2020年3月期の動向

業績

2020年
3月期
2019年
3月期
増減率 (%) 要因
全社
売上高 4,462,509 4,519,921 (1.3) -他部門が増収となったものの、自動車機器事業を含む産業メカトロニクス部門が減収し全社で減少
営業利益 259,661 290,477 (10.6)
親会社株主に帰属する当期純利益 221,834 226,648 (2.1)


自動車機器事業
ーモーター・インバーター等の車両電動化関連製品の販売増があったものの、その他自動車電装品の減少及び円高の影響により受注高・売上高ともに減少。

  

研究開発費

(単位:百万円)
  2020年3月期 2019年3月期 2018年3月期
全社 206,800 212,700 210,300
-産業メカトロニクス 67,400 70,800 69,500

自動車機器事業の主要生産拠点である姫路製作所(兵庫県姫路市)に建設していた新実験棟が竣工

-今後順次稼働を開始し、需要拡大が見込まれる電動車両用モーター、インバーターの開発・評価体制を強化する。新実験棟は7階建てで、延べ床面積は約8200平方メートル。投資額は約22億円。今後、同社が保有するパワーエレクトロニクスや車載制御、モーター巻線などの独自技術を生かした製品の開発に注力することで、自動車機器事業の拡大を目指す。(2019年8月7日付日刊自動車新聞より)

 

製品開発

新型の車載および産業機械等向けのTFT液晶モジュールを発売

-同社は今回、ワイドHDの10.25型、12.3型、15.0型の3種類を導入し、近年インストルメントクラスターやセンターパネルとして多彩な表示装置としての性能を求められている車載用ディスプレイの需要増に対応するという。(2019年4月23日付プレスリリースより

新モビリティコンセプトなどを東京モーターショーへ出展

ー最新のセンシング技術やHMI (ヒューマン・マシン・インターフェース) 技術を搭載した「EMIRAI S (イーミライエス)」に加え、MaaS (Mobility as a Service) 社会に向けた新しいモビリティコンセプトを東京モーターショーに出展すると発表した。「EMIRAI S」は、安全・安心な移動を支援する生体センシング技術や車内外との快適なコミュニケーションを実現する最新のHMI技術を搭載するコンセプトキャビン。

ー自動運転の実証実験車「xAUTO (エックスオート)」の実車や、ハイブリッド車 (HV)から電気自動車 (EV) まで対応する小型高出力モーター・インバーターなどを展示する。(2019年10月1日付プレスリリースより

-高精度な地図情報が整備されていない一般道での走行や、屋内外を問わない無人での自動駐車など、一般道のさまざまなシーンに適用できる新たな自動運転技術を開発。この技術を自動運転実証実験車「xAUTO (エックスオート) 」に搭載し、「第46回東京モーターショー2019」に出展する。今回エックスオートに搭載する技術は、過去に走行したルートを高精度で正確に記録した「ローカルマップ」により高精度な地図情報がなくても自動運転を実現するほか、正確な自車位置と最適な走行ルートにより屋内外での無人自動駐車を実現する。また、ミリ波レーダーやカメラなど複数のセンサー情報を処理時間のばらつきを考慮して組み合わせるセンサーフュージョン技術を開発したことで、周辺情報を即時かつ高精度に認識可能とする。(2019年10月23日付日刊自動車新聞より)

高精度測位端末の新機種「アキュロックライト」を発売

-準天頂衛星システムによるセンチメーター級の測位補強サービス (CLAS) などの高精度測位補強情報を受信する高精度測位端末の新機種「アキュロックライト」を発売したと発表。従来品に比べて部品点数を減らして消費電力を7割削減したことにより排熱構造を不要にし、体積・重量を約8割削減して小型・軽量化。ドローンなどの小型移動体や乗用車にも搭載できるようにした。同社の受信機は、搭載したジャイロセンサーと移動体からの車速パルス信号を用いた自律測位で位置情報を補間し、衛星からの信号を受信できない山間部やトンネル内、高架下でも測位できるのが特徴だ。CLASに加えてネットワーク型測位補強情報も受信可能で、幅広い分野での利用拡大を目指している。(2019年11月8日付日刊自動車新聞より)

EV用パワーコンディショナーの小型化・高効率化技術を開発

電気自動車 (EV) の電気を家庭で使用する際に必要なEV用パワーコンディショナーにおいて、小型化・高効率化を両立する技術を開発したと発表した。小型化については、高速スイッチング化と新回路により従来比約半分の体積を実現。高効率化については、出力約3kWのDC/DCコンバーターを2台使い、出力電力に応じてパワー半導体素子のスイッチング動作を最適化する高効率制御技術を開発して1kW以下の低出力時の電力損失を約30%削減した。(2020年1月29日付プレスリリースより

MEMS式車載LiDARを開発

-この製品は、自動運転に不可欠なセンサーで、先行車両や歩行者などの距離や形状を高精度に検知し、高精細な3次元画像を広範囲に取得することを可能にする。また、水平・垂直の2軸で走査する電磁駆動式MEMSミラーを搭載し、小型で広い水平視野角を持つことが特徴。搭載するMEMSミラーは、半導体加工技術によりシリコン基板上に多数個作成し、量産性に優れるほか、モーターで駆動させる機械式より部品点数が少なく高い耐久性を持つという。(2020年3月12日付プレスリリースより

設備投資額

(単位:百万円)
  2020年3月期 2019年3月期 2018年3月期
全社 227,450 198,442 181,513
-産業メカトロニクス 78,722 79,257 68,376



設備の新設計画

(単位:百万円)
  2021年3月期
(計画)
主な内容・目的
全社 150,000 -
-産業メカトロニクス 48,500 FA機器および自動車用機器の増産等

 

海外投資

インドで自動車用機器の製造・販売を行っている三菱電機オートモーティブ・インド (MEAI、ハリアナ州) の新工場をグジャラート州に建設すると発表した。インドでの環境規制対応製品の拡大に対応するためで、電動パワーステアリング用モーターコントロールユニットなどを生産する。投資金額は約17億円で、2021年10月の稼働開始を予定する。 新工場は、延べ床面積約2万平方メートルを予定し、生産品目は電動パワーステアリング用モーターコントロールユニットに加え、GMR (巨大磁気抵抗素子) 回転センサー、EGR (排ガス再循環装置) バルブ。(2019年10月8日付日刊自動車新聞より)

メキシコ現地法人Mitsubishi Electric Automotive de Mexico40百万ドルを投じてケレタロ州El Marques工場を拡張する。拡張により、電動パワーステアリングユニット、セントラルインフォメーションディスプレイ、LEDコントロールユニットなどのシステムを製造する生産センターを新設し、350名の追加雇用を創出する。(20191113日付各種報道より)