Kunming Yunnei Power Co., Ltd.[昆明雲内動力股份有限公司] 2021年12月期の動向
業績 |
(単位:百万元) |
2021年12月期 | 2020年12月期 | 増減率 (%) | 要因 | |
売上高 | 8,029.55 | 10,008.74 | (19.77) | -国6への転換及び商用車の需要減速、中国国内におけるエンジンECU向け半導体不足などの要因で全てのエンジンにおいて生産・販売が減少 |
営業利益 | 57.72 | 235.05 | (75.44) | -通年での原材料価格高騰によりエンジンの利益率が低下 -研究開発投資を拡大 |
経常利益 | 56.80 | 235.09 | (75.84) | |
純利益 | 74.93 | 228.86 | (67.26) |
事業動向
小型商用車用ガソリンエンジンの生産を開始
-同社は商用車向けガソリンエンジン「G20」を2021年7月に生産開始した。従来のディーゼルエンジン市場からガソリンエンジン市場への移行を図る。「G20」エンジンは高い熱効率、低速での高出力、優れた加速性・燃費・耐久性などの特性を有し、ピックアップトラック及び小型トラックに適しているという。福田、江淮 (JAC)、大運汽車、山東五征集団有限公司(Shandong Wuzheng Group)、南駿汽車(Namjun Auto)などに供給開始しており、このエンジンの販売台数は2023年に20万台超となる見込み。(複数メディア報道に基づく)
グループにおける大型エンジン向け開発を強化
-同社の親会社である雲南雲内動力集団有限公司が江鈴汽車のエンジン事業部門であった子会社の持分60%を3.6億元で取得した。取得した企業は太原江鈴動力有限責任公司。取得に伴い社名を山西雲内動力有限公司とした。買収に伴い大型エンジン事業の拡大を図る。(2021年11月23日付プレスリリースより)
ガソリンエンジンの製造、販売子会社を設立
-重慶卓見貿易有限公司と合弁子会社を設立。社名は重慶邦高動力科技有限公司とし、登録資本金は3,000万元。主にガソリンエンジンの製造、販売を行うという。雲内動力は60%を保有する。(2021年アニュアルレポートより)
特許
-2021年末現在、当社はエンジン分野で265件の有効な特許を保有しており、そのうち実用新案権172件、外観特許63件、発明特許30件。工業用電子製品の分野では、実用新案権35件、外観特許権5件、発明特許権6件を含む、計46件の有効な特許を保有。(2021年アニュアルレポートより)
研究開発費用 |
(単位:百万元) |
2021年12月期 | 2020年12月期 | 2019年12月期 | |
研究開発費用 | 620.76 | 413.83 | 478.10 |
売上高に占める割合 (%) | 7.73 | 4.13 | 7.02 |
-2021年末現在、研究開発人員は319名で、全体の12.07%を占める。
研究開発体制
-同社は、科技管理部、昆明技術センター、情報センター、東部技術センター、成都ガス開発センター、山東技術センターからなる「1部・5センター」体制を構築し、昆明、成都、無錫、山東の4カ所に研究開発拠点を設置している。
施設 | 所在地 | 業務内容 |
科技管理部 | 雲南省 昆明市 |
R&Dプロジェクトマネジメント、テクノロジーマネジメント |
昆明技術センター | プロダクトエンジニアリングプロトタイプ開発 | |
情報センター | 情報管理 | |
成都ガス開発センター | 四川省 成都市 |
天然ガスエンジ、オフロード向けエンジン開発 |
東部技術センター | 江蘇省 無錫市 |
製品設計、後処理ASSY、エンジンおよび完成車のキャリブレーション、新エネルギー車のパワートレイン |
山東技術センター | 山東省 青州市 |
オフロード向けエンジン開発 |
産学連携プロジェクト
-ドイツのFEV Engine Technology、Boschのほか北京理工大学、同済大学、昆明理工大学などの国内外における企業や大学との共同開発を行っている。
研究施設名 | 提携先 | 提携内容 |
FEV High Altitude Engine Test Laboratory | FEV Motorentechnik GmbH & CO. KG | ディーゼルエンジンの共同開発。 |
エンジン部品研究開発テストセンター 雲南省動力機械産学連合研究開発センター |
昆明理工大学 | 小型商用車向けディーゼルエンジンの開発。 |
雲内動力北京理工大学内燃機関技術センター | 北京理工大学 | 軽自動車向け電子制御式高圧コモンレールディーゼルエンジンの開発。 |
蘇万華アカデミックワークステーション | 天津大学 | 雲内動力が開発した4バルブ電子制御高圧コモンレールディーゼルエンジンを国4対応とし、小型商用車に適用させる。 |
発動機聯合実験室 | 同済大学、上海電気駆動有限公司 | 乗用車用ハイブリッドパワートレインの共同開発。 |
中汽研汽車検験中心(昆明)有限公司 | 中国汽車技術研究中心有限公司 雲南省貴金属新材料控股集団有限公司 |
自動車および部品のテスト。 |
国内投資
-国6排ガス基準に対応するため、完全子会社の成都雲内動力有限公司に50百万元の増資を行う。成都雲内の省エネ・環境対応高効率エンジンの生産ラインの改善が目的。成都雲内は、主に「YN90」シリーズのディーゼルエンジンの製造・販売を行う。(2021年4月29日付プレスリリースより)