Shenzhen Inovance Technology Co., Ltd.[深圳市匯川技術股份有限公司] 2022年12月期の動向
業績 |
(単位:百万元) |
2022年12月期 | 2021年12月期 | 増減率 (%) | |
全社 | |||
売上高 | 23,008.31 | 17,943.3 | 28.23 |
営業利益 | 4,469.63 | 3,821.8 | 16.95 |
税引前利益 | 4,476.62 | 3,819.2 | 17.21 |
純利益 | 4,324.49 | 3,680.9 | 17.48 |
事業セグメント別売上高 | |||
汎用産業オートメーション事業 | 11,464.53 | 8,981.6 | 27.64 |
エレベーターシステム事業 | 5,161.94 | 4,967.2 | 3.92 |
新エネルギー車/鉄道交通事業 | 5,551.55 | 3,518.2 | 57.80 |
産業用ロボット事業 | 560.86 | 361.9 | 54.98 |
要因
全社
-供給と納期の維持、中国国内生産の製品の採用率の引き上げ、多数製品を組み合わせたソリューションを提供する活動によって、業績が伸びた。
新エネルギー車用電動ドライブ・パワーシステム事業
-2022年12月期の同事業売上高は、前年比70.02%増の50.88億元(事業別売上高構成比では22.11%)。そのうち、乗用車向け事業は前年比250%増の23億元。
-BEV、REV、PHEVなどの新エネルギー乗用車関連の受注を40件以上獲得。
-主要自動車企業からの受注が急速に増加した。
‐販売製品構造の最適化を行った。
‐組立製品の割合が大幅増加した。
‐モーターと電源製品の量産製品を導入した。
事業戦略
-2022年の新エネルギー車関連事業の運営主体は、子会社の蘇州匯川聯合動力系統 [聯合動力, Suzhou Inovance Automotive]。同社は、新エネルギー車向け電気駆動システム(e-Axle)および給電システムのグローバルサプライヤーになることを目指しているという。
1) 市場戦略
- 中国OEM向けで土台を築いた後、グローバルに事業を展開
- 中国国内市場では、モーター・ECU一体型電気駆動ユニット(e-Axle)やパワーディストリビューションユニット等の開発を並行して進めるとともに、顧客/製品ミックスの最適化を実施
- ハイブリッド車向け製品市場の開拓を継続、シェア拡大を企図
- 海外市場では、パワーディストリビューションモジュールやモーターECU、モーター等の拡販を推進
2) 製品戦略
- 製品競争力の強化
e-Axleの高効率化・プラットフォーム共通化、高安全性ECU、高出力・高信頼性パワーディストリビューションシステム、モーターのNVH・信頼性改善に向けた研究開発を通じて、製品競争力を強化。製品設計の最適化とサプライヤーとの協力深化により、コスト競争力を飛躍的に高めたプラットフォームを創出。 - 技術研究開発の強化
e-Axleのシステム統合技術、高電圧バッテリー用SiCパワーモジュール技術、高電圧モーターの油冷技術、複数機能統合技術等に焦点を当てた開発を推進。
子会社を上場
‐子会社である蘇州匯川聯合動力系統有限公司[Suzhou Inovance Automotive Co., Ltd.](聯合動力)を分社化して中国内の証券取引所に上場させると発表した。今回の分社化による上場は、聯合動力の市場におけるポジション強化や競争力強化を図り、資金調達力を向上させることが目的。聯合動力の上場計画はまだ準備段階であり、董事会及び株主総会、証券取引所や中国証券監督管理委員会による審査、承認がさらに必要となる。(2022年8月23日付プレスリリースより)
事業提携
発表年月 | 提携先 | 内容 |
2022年6月 | SKF | 両社はセラミック玉軸受をベースとして、玉軸受や円すい軸受の研究開発を強化し、双炭(カーボンピークとカーボンニュートラル)に対するデータを共有することで、業界において高いレベルでCO2の削減を図る。 |
2022年6月 | 法士特 | 電動パワートレインシステム技術開発における共通基盤の構築 |
2022年2月 | SKF | 聯合動力パワートレイン用高速セラミックボールベアリングに関する検討 |
生産拠点
工場名 | エリア | 面積 (平方メートル) | 詳細 |
蘇州工場 | B棟 | 130,000 | B1エリア4階 プリント回路基板ASSY生産ライン:生産能力 100万個/年 B1エリア4階 DC-DCコンバーター/OBC生産ライン:生産能力 12万個/年 B1エリア3階 インバーター生産ライン:生産能力 30万個/年 |
C棟 | 40,000 | C3エリア1・3階 駆動モーター(e-motor)生産ライン:生産能力 40万個/年 C3エリア1・3階 e-Axle生産ライン:生産能力 10万個/年 |
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常州工場 | - | 建設中 | プロジェクトの第1フェーズは2022年に量産開始した。また、プロジェクトの第2フェーズの工事を開始した。 |
研究開発費用 |
(単位:百万元) |
2022年12月期 | 2021年12月期 | 2020年12月期 | |
研究開発費用 | 2,229.27 | 1,685.5 | 1,023.2 |
売上に占める割合(%) | 9.69 | 9.4 | 8.9 |
研究開発要員(名) | 4,793 | 3,560 | 2,513 |
従業員に占める割合(%) | 23.66 | 21.0 | 14.8 |
-2022年末時点で同社は計4,793人のエンジニアを抱える。そのうち40.8%は博士号または修士号を有する。
研究開発活動
新エネルギー乗用車部門
-電気駆動アセンブリ製品の統合、高圧、高効率、軽量設計を実現。
-安全性の高いSIC電子制御プラットフォームと会社初のSIC電子制御プロジェクトを構築し、生産効率を高める。
-高速モーター、多層平線、非同期機械プラットフォームの研究開発を完成。
-電源製品の高電力密度と信頼性を高める。
-高電圧電気駆動アセンブリー、非同期機械アセンブリー製品の第四世代を発売。
新エネルギー商用車部門
-大型商用車向けソリューションの提供を開始。量産を実現し、出荷台数と納入台数が大幅増加した。
-LS32シリーズの新世代パワートレイン製品を発売。モーターと電子制御を統合することで、重量、体積、性能、効率の大幅な向上を実現。 超小型車両セグメントにおけるトップクラスのニーズに対応。
研究開発体制
-R&Dセンターでは、インバーターモジュール設計、NVH設計、EMCシミュレーション、IGBT温度推定等の技術を有し、286件の特許を申請中。
-テストセンターの設立コストは約2.5億元。敷地面積10,000平方メートル超の同センターでは、179人のエンジニアと、136の機能試験設備、パフォーマンスや耐久性、環境、NVH、EMC、物理特性および化学分析を行えるテストベンチを構える。 また、CNAS認証や情報セキュリティ管理システム認証、CAERI、UL、TUV認証を取得済み。
-ISO 9001、OHSAS18001、ISO14001、TS16949、ESD S20.20、ISO26262、ISO17025、IATF16949、CL1124、DA2920認証をそれぞれ取得済み。
-2017年12月にVWのFormel-Q監査、2018年にVWソフトウェアアンドロジスティックの監査、2019年にVDA6.3 (SGSサードパーティ認証) およびPSAのNSA監査、2020年に日産の品質システム監査に合格。また、VolvoとFCAの品質システム監査もクリア済み。
‐傘下の蘇州匯川聯合動力系統有限公司[Suzhou Inovance Automotive Co., Ltd.](匯川聯合動力)が自動車サイバーセキュリティ規格であるISO/SAE 21434認証を取得したと発表した。なお、匯川聯合動力はすでにISO27001 (情報セキュリティ認証)とTISAX (ドイツ自動車工業会の情報セキュリティ評価)認証を取得している。(2022年10月14日付匯川聯合動力のWechat公式アカウントより)
特許
2022年新規 | 累計出願数 | |
発明特許 | 86 | 464 |
実用新案権 | 481 | 1,662 |
外観設計 | 156 | 446 |
ソフトウェア著作権 | 25 | 351 |