Continental Holding China Co., Ltd.[大陸投資(中国)有限公司] 2020年12月期の動向

カーボンニュートラルに向けた事業戦略:

  • 2020年よりContinentalは使用する電力をすべて再生可能エネルギーとする。
  • 2040年までに、Continentalの生産プロセスはすべてカーボンニュートラルを実現する。
  • 遅くとも2050年までにはバリューチェーンの完全なカーボンニュートラルを実現し、それにより業務全体のカーボンニュートラルを実現する。

-Continentalは中国において長期に持続可能な発展に注力し、カーボンニュートラルの達成に取り組む。中国では同時に人と環境に責任を持つ堅実な経営スタイルを貫き、健全な管理システムを構築する。また、中国の各工場と拠点では積極的に太陽光発電を導入し、中国市場のSDGsに取り組む。
 

新工場

-中国の複数メディアは、Continentalが電子制御エアサスペンションシステム常熟工場の建設を開始したと報じた。この工場の敷地面積は1.35万平方メートル超。2021年第2四半期の操業開始を目指す。(2020年6月29日付け複数メディア報道より)
 

戦略的提携

-Luokung Technology Corp.は、eMapgo Technologies (Beijing) Co., Ltd. (EMG)がContinental Holding (China)Co., Ltd.と戦略的パートナーシップを締結したと発表した。両社は中国のスマートシティ、スマートモビリティ、コネクテッドカーサービスなどの分野での綿密な協力体制をとる。Luokungは、EMGを完全買収する計画で、現在はその過程にあるという。EMGは、Continentalに中国の法規制に準拠したマップデータ (ADASマップ、HDマップなど)、コネクテッドカープラットフォーム用のフリート可視化管理ソリューションを含むさまざまなサービスを提供する。EMGは中国でトップ3の地図メーカーで、地図データや地図サービスプラットフォームなどのインテリジェントな位置情報サービスを提供するために長年Continentalと提携している。(2020年3月5日付プレスリリースより)

-Continentalは、上海重塑能源科技有限公司[Shanghai Re-Fire Technology Co., Ltd.] (重塑科技) と戦略的提携の合意書を結んだと発表した。両社は燃料電池流体システム、振動制御および関連する革新技術の開発で連携を深める。具体的には水素ホース、吸排気ホース、ウォーターホース、燃料電池スタックエンドプレート、振動制御装置、水素充填ステーション用ゴム管システムなどが含まれる。今回の戦略的提携はインスタント情報共有メカニズムの構築と業務提携を進め、ブランド普及、製品マーケティング、技術向上、品質向上、顧客サービス、人材育成など各方面で深く連携し、サスティナブルな水素エネルギーおよび燃料電池自動車産業の形成に貢献するものだという。(2020年9月16日付けリリースより)

-Continentalは、聯創汽車電子有限公司[DIAS Automotive Electronic Systems Co., Ltd.]と戦略的提携の覚書に署名したと発表した。両社はインテリジェント自動車のコア技術について包括的に提携し、インテリジェント自動車の産業化を更に推進する。覚書によると、両社は各自が持つ技術、業務、資源の強みを生かし、2-BOXブレーキシステムの適用推進に向けて協力する。(2020年11月24日付プレスリリースより)
 

受注

-Elektrobitは、次世代の自動車用SoC製造する中国の半導体メーカーNanjing SemiDrive Technology Ltd. (SemiDrive)にEB tresos Classic AUTOSARソフトウェアを提供すると発表した。両社はAUTOSAR規格に基づく車載電子制御ユニット(ECU)アプリケーション開発用ハードウェア/ソフトウェア統合ソリューションの供給を目指す。SemiDriveのデバイスとEB tresos AutoCoreの統合により、自動車メーカーやサプライヤーはECU基本ソフトウェアの構成、検証、生成プロセス、開発サイクルを加速し、先進機能を搭載した車両を低コストで迅速に市場投入できるようになるという。(2021年4月22日付プレスリリースより)

-Continentalのスマートデバイス統合エントリーシステム(CoSmA)は、ヨーロッパとアジアの3大自動車メーカーからの注文を獲得した。このシステムには、スマートフォンをデジタルキーに変えることができる超広帯域(UWB)無線技術が搭載されており、キーレスエントリーを可能にするだけでなく、リレー攻撃による不正アクセス操作を防ぎ、車両の盗難を防ぐ。このシステムは、2021年に新世代モデルの車両アーキテクチャに統合される予定。(2020年6月23日付プレスリリースより)

-Vitesco Technologiesは、VWの「ID.3」に駆動制御ユニットを供給すると発表した。Vitesco TechnologiesはVWのMEBプラットフォームに駆動制御ユニットを供給する唯一のサプライヤー。「ID.3」においても、電気モーターの動作、アクセルペダルによる全ての操作、充電やエネルギー管理、高電圧電子システムの管理などに不可欠な役割などといった電気駆動システムにおける多くの重要な機能を担う。また、他の車載制御ユニットとのインターフェースとしても機能するほか、外部とのコネクティビティも行い、ソフトウェアのアップデートや機能の更新を場所を問わず行う。そのため、機能安全に加えてサイバーセキュリティーにも配慮された開発が行われた。この駆動制御ユニットはVitesco Technologiesが開発したソフトウェアだけではなく、VWが提供するソフトウェアを含めた統合プラットフォームとしても機能し、デバイス全体がスムーズに動作するよう設計されている。このユニットはMEBプラットフォームを使用したVWグループの他ブランドの電気自動車 (EV) にも搭載可能だという。(2020年8月12日付プレスリリースより)

-Vitesco Technologiesは、東風汽車の「Yixuan」の電気自動車 (EV)バージョン向けに統合型電動アクスルドライブ (EMR3)を供給すると発表した。このアクスルドライブは、強力な電気モーターと高度に最適化されたパワーエレクトロニクスをコンパクトで軽量なユニットに統合するもの。最高出力は120kW、最大トルクは260Nmで、重量は80kg以下となっている。Vitesco Technologiesは中国の天津工場で電動アクスルドライブシステムを生産する。製品開発はドイツBerlin、Nurembergおよび中国の上海と天津拠点で行われた。(2020年8月26日付プレスリリースより)

-Continental (コンチネンタル)は、パワートレイン事業部門のVitesco Technologiesがオペル「コルサe (Corsa-e)」とプジョー「e208」に統合電動アクスルドライブシステムを供給したと発表した。両モデルに搭載されたモーターとインバーターを統合する電気車軸ドライブは最高出力100-150kWを発揮する。パワフルな150kWバージョンは最大トルク310Nmで、従来の2Lターボディーゼルエンジンに匹敵するという。(2020年11月11日付プレスリリースより)

新技術

-Continentalは、革新的なソフトウェアと関連ハードウェアソリューションを上海モーターショーに出展すると発表した。同社は約200メートルまたは約250メートルの範囲での360度の車両周囲のモニタリングを可能にするコンパクト設計で安全性の高い新世代のサラウンドレーダーと長距離レーダーセンサーを展示する。またコネクテッドカー向けのエンドツーエンドのネットワークソリューションも初公開予定。このソリューションはセンサー、高性能コンピューター、接続ユニットからクラウドまで、信頼性の高い機能統合を実現する。ソフトウェア機能をクラウド、高性能コンピューター、ゾーンコントローラー間で分散することで最大限の柔軟性と機能的な安全性を同時に提供し、ADAS機能も限られた範囲でシステムに統合することができるという。このシステムではOEMおよびTier1サプライヤー向けに、スタンドアローンのネットワークアクセスデバイスからテレマティクス制御ユニットまたはインテリジェントアンテナモジュールへの統合まで、柔軟なシステム統合オプションを提供する。同社はすでに5GハイブリッドV2Xプラットフォームをベースとした5Gテレマティクスで自動車メーカー数社と協業している。(2021年4月21日付プレスリリースより)

-Nexteerは、Continentalとの合弁会社CNXMotionが自動運転用方向制御の追加レイヤーによりドライバーに安全を提供するブレーキ・トゥ・ステア (BtS)技術を開発したと発表した。BtSは自動運転用アプリケーションで、電動ブレーキシステムを使用して安全な運転を行うと同時に速度制御も行う。ステアリングホイールがない自動運転車では、BtSは車両が安全に停止するまでルートを決定する。レベル4自動運転用に開発されたこの機能は、ドライバーのステアリング入力装置から提供される意図に従って、下位レベル (車線維持、障害物回避等)の複数のシナリオでドライバーを支援することができる。2017年設立のCNXMotionはミシガン州Grand Blancの最新施設で迅速な評価、設計、試作などの研究開発活動に注力している。(2020年12月2日付プレスリリースより)

受賞

-Continentalは革新的で良質な製品とサービスの提供により、FCAの年度サプライヤー賞を2年連続で受賞した。 (2020年11月2日付けプレスリリースより)

 

研究開発体制

-Vitesco Technologiesは、中国現地法人Vitesco Technologies Chinaが楊浦区にある6,000平方メートルの最先端のオフィスに移転し、地域本部を設置したと発表した。従業員数は約450名。Vitesco Technologiesは中国で複数の生産拠点と研究開発拠点を保有しており、2021年内には天津に研究開発センターを開設する予定。(2021年3月10日付プレスリリースより)

-Vitesco Technologiesは、天津で亜細亜太平洋地区研究開発センターの建設に着手したと発表した。この研究開発センターはハイブリッドおよび電動パワートレイン技術の開発に注力し、急速に発展する中国電動モビリティ市場の需要に応える。完成および稼働開始は2021年末の予定。延床面積は9,000平方メートルで、オフィスのほか、各種先進設備を使用して電気駆動技術の試験、検証を行う研究施設も備える。(2020年9月9日付複数メディア報道より)

研究開発拠点

研究開発センター 所在地 業務内容
大陸投資(中国)有限公司
[Continental Investment (China) Co., Ltd.]
大陸集団投資(上海)有限公司
[Formerly:Continental Automotive Holding Co., Ltd.]
上海 2007年設立。
コンチネンタルの中国本部と研究開発センターの機能を持つ。
大陸汽車嘉定研発中心
[Jiading R&D Center of Continental Automotive Group]
上海 2007年設立。
電子制御ブレーキシステム、油圧ブレーキシステム、エンジンシステムの研究開発。
大陸泰密克汽車系統(上海)有限公司
[Continental Automotive Systems (Shanghai) Co., Ltd.]
上海 2001年設立。
電子制御ブレーキシステム、ボディ・安全の研究開発。
南京軟件研発中心
[Nanjing Software R&D Center]
江蘇省
南京市
2011年設立。
自動車IDインストルメント、ミドル・ハイエンド車インストルメント部品の嵌め込み式ソフトウェアの開発。
大陸集団黒河冬季試験中心
[Continental Heihe Winter Test Center]
黒竜江省
黒河市
2012年設立。
電子制御ブレーキシステムの冬季試験。
康迪泰克常熟研発中心
[ContiTech Changshu R&D Center]
江蘇省
常熟市
2013年設立。
振動コントロール部品の開発。
大陸輪胎(中国)有限公司合肥研発中心
[Hefei R&D center of Continental Tire (China)]
安徽省
合肥市
2015年設立。
タイヤの開発、試験。
大陸塩城試験センター
[Continental Yancheng Test Center Yancheng]
江蘇省
塩城市
2016年設立。電子ブレーキシステム、油圧ブレーキシステム、先進運転支援システム (ADAS)、タイヤなど、安全製品およびシステムの試験・評価。
大陸汽車研発(重慶)有限公司
[Continental Automotive R&D (Chongqing) Co., Ltd.]
重慶市 2017年6月、第1期工程の鍬入れ式が行われた。自動車エレクトロニクス製品の応用、新エネルギー車及び工業分野の製品とソリューションの開発に注力するものとして、2018年末に運用を開始する予定。
緯湃科技天津研発中心(新能源科技事業部亜太研発中心)
[BU ET Asia R&D Center]
天津市 ハイブリッド動力と電動化パワートレイン技術に注力。2021年末に完成、稼働開始予定。
康迪泰克氢能燃料電池技術中心
[ContiTech Hydrogen & Fuel Cell Competence Centre]
江蘇省
常熟市
新エネルギー車用水素エネルギーと燃料電池関連部品の開発と生産を手掛ける。

 

中国国内投資

-Continental (コンチネンタル)は、中国・張家港の生産拠点で太陽光発電プロジェクトを開始したと発表した。プロジェクトの第1段階では合計1.918メガワットの太陽光発電能力で年間180万キロワット時の太陽光発電を見込む。この電力は張家港工場の日中の生産業務に必要な電力の半分に相当する。同社は2020年末までに全生産拠点で再生可能エネルギーのみを使用することを目標としている。同工場ではプロジェクト用に275Wpの多結晶太陽電池モジュールを選定し、2万平方メートルの屋根に約7,000個のモジュールを設置した。第1段階での発電設備総容量は約1,918kWpで、発電システムの変換効率は80%超に達する。これにより年間約1,400トンのCO2削減効果が見込まれるという。(2020年9月2日付プレスリリースより)

-Continental (コンチネンタル) は、常熟工場に水素エネルギーと燃料電池技術センター[ContiTech Hydrogen & Fuel Cell Competence Center]を開設したと発表した。中国の水素エネルギーと燃料電池自動車市場にソリューションを提供するのが狙い。この技術センターは車両流体システム、振動制御、中国材料研究開発センターのゴム・樹脂分野におけるContinentalの技術力を統合し、新エネルギー車用水素エネルギーと燃料電池関連部品の研究開発と生産を主に手掛ける。このセンターを開設することで、水素エネルギーと燃料電池関連技術の中国での適用を加速させるほか、顧客への迅速な対応を行うという。(2020年12月10日付プレスリリースより)