CALB Group Co., Ltd. [中創新航科技集団股份有限公司] (旧 中創新航科技股份有限公司) 2021年12月期の動向
業績 |
(単位:百万元) |
2020年12月期 | 2019年12月期 | 増減率 (%) | 要因 | |
売上高 | 2,677.98 | 1,770.81 | 51.23 | -市場における販売先を拡大し売上増。また、コスト削減を強化し増益となった。 |
営業利益 | 123.70 | 52.78 | 134.37 | |
純利益 | 134.40 | 68.09 | 97.40 |
事業戦略
2025年に生産能力500GWh、2030年までに年産能力1TWhを目指す
-同社は江蘇省常州市で戦略発表会を開催した。産業クラスターの発展形として、珠江デルタ、長江デルタ、西南地区、中部地区、東北地区の5大産業拠点群を形成する。同時に、欧州、北米など海外に拠点を建設するほか、R&Dセンターを開設する。同社は現在、深圳、上海、常州、成都の4大R&Dセンターを保有しており、将来は研究開発センターをグローバルに展開する。2025年には、同社の生産能力は500GWhを超える見込みであり、2030年までに年産能力1TWhを目標とし、エネルギーのクリーン化、低炭素化、インテリジェント化への転換を図る。このほか、中航鋰電は傘下の軍用品と民生品事業を見直す。軍用品と民生品事業をそれぞれ独立させ、軍用品事業は子会社の中航鋰電(洛陽)有限公司がを引き継ぐ。民生品事業は株式会社制とし、ブランドを刷新し、新しいブランドイメージ「中創新航」を形成する。(2021年11月17日付けプレスリリースより)
最近の動向
バッテリー新技術「One-Stop Battery」を発表
-同社は、バッテリーの新技術「One-Stop Battery」を発表した。この技術は様々な独自技術の採用により、重量を40%、部品点数を25%低減し、生産効率を2倍に引き上げた。バッテリーセルだけでなく、バッテリーパックにも適用することができる。この技術を採用した製品は、リン酸鉄リチウム電池では700kmの航続距離、三元系リチウム電池では1,000kmの航続距離を可能にする。2022年6月の市場投入を予定する。(2021年9月17日付プレスリリースより)
深圳に国際本部を設置
-同社は、深圳市と投資協力枠組み協定を締結し、技術やイノベーションなどの面で協力すると発表した。 中創新航は、深圳に国際本部を設置し、深圳における産業の成長に貢献していくという。 深圳市政府は、同社の国際本部に関連する産業の設立を全面的に支援し、専門化、市場化、国際化の方向でプロジェクトを円滑に発展させていく。(2021年12月15日付公式WeChatに基づく)
戦略的提携
西安交通大学
-同社は、西安交通大学と戦略的提携合意書に署名した。科学分野での共同研究に加えて産学連携を深化させ、中国内での開発力強化やスマートマニュファクチュアリングのレベルアップをサポートする。この協業を通じて、中国の新エネルギー産業の持続可能な発展に貢献するとしている。(2021年11月27日付プレスリリースより)
深圳市研一新材料有限責任公司
-同社と深圳市研一新材料有限責任公司(深圳研一)は、戦略的提携を締結したと発表した。電解液、リチウム塩、添加剤及び将来的な電池材料の分野での提携を行い、深圳研一はこれらを同社に提供するという。供給する範囲には、今後の開発技術及びその他の電池材料も含まれる。(2021年11月24日付複数メディア報道より)
Clarios
-同社は、Johnson controlsの旧Power Solutions部門であった先進蓄電ソリューション大手のClariosと戦略的提携合意書に署名したと発表した。両社はLFP(リン酸鉄)低電圧リチウム電池システムを共同開発し、車載システムの電動化需要に対応する。提携はグローバルに展開し、北米、欧州、アジア太平洋地区で共同開発も行うという。(2021年11月17日付けプレスリリースより)
-2021年4月にコンチネンタルグループとの合弁会社の登記を抹消した。抹消された企業は、2018年に低電圧バッテリーシステムプロジェクトで協力し設立した大陸凱博動力電源系統(常州)有限公司。
新規生産拠点の設立動向
所在地 | 詳細 | 年間生産能力(GWh) | ||
2021年11月 | 合肥拠点 |
安徽省 |
総投資額約248億元、完成後の年間生産能力は50GWh。 | 50 |
2021年7月 | 武漢拠点 | 湖北省 武漢市 |
総投資額100億元、第1期の生産能力20GWh。 | 20 |
2021年6月 |
成都50GWh駆動バッテリー及び蓄電池生産拠点第1期 |
四川省 成都市 |
総投資額280億元。成都竜泉地区に総建設面積は約510,000平方メートル、生産能力20GWhで建設される。 | 50 |
2021年5月 | 廈門拠点30GWh動力電池生産拠点 | 福建省 廈門市 |
同拠点は20Gwhの生産能力を有しており、完成後には50GWhとなる。 | 30 |
2021年2月 | 江蘇拠点 | 江蘇省 常州市 |
235億元の追加投資を行う。 |
23 |
2021年2月 | 江蘇拠点 | 江蘇省 常州市 |
総建築面積は約12万平方メートル。 | 5-7 |
2021年1月 | 江蘇拠点 | 江蘇省 常州市 |
総投資額は135億元で、総建築面積約42万平方メートル。 | 25 |
2020年6月 | 廈門拠点新型リチウム電池生産拠点 | 福建省 廈門市 |
総投資額は100億元で、プロジェクトは2段階で実施。 第1期は「A6プロジェクト」と呼ばれ、投資額は50億元、計画生産能力は10GWh。第2期は投資額50億元、計画生産能力は10GWh。 | 20 |
研究開発拠点
-同社は深圳、上海、常州、成都に4つの研究開発センターを設立する予定。
施設名 | 所在地 | 概要 |
中創新航技术研究院(江蘇)有限公司 旧:中航鋰電技術研究院有限公司 |
江蘇省 常州市 |
土地は約16万平方メートル。バッテリー技術、電力技術、電池材料、先進製造技術の研究及び開発を行う。 |
江蘇省動力及貯能電池製造業創新中心 [Jiangsu Power and Energy Storage Battery Manufacturing Innovation Center] |
江蘇省 常州市 |
同社が48%の株式を保有する研究開発施設。同センターは産学連携によりという共同イノベーションを図る。 |
先進技術(深圳)研究院 [Advanced Technology (Shenzhen) Research Institute] |
深セン市 | 2021年7月に発足。次世代のエネルギー貯蔵材料及びバッテリー、バッテリーマネジメントシステム、ビッグデータ、スマートデバイス、スマートファクトリーなどに関する研究開発を行う。 |
電池工程和先進技術研究院 [CALB Battery Engineering and Advanced Technology Research Institute] |
四川省 成都市 |
成都拠点の50GWh動力電池生産拠点とともに建設を行っている。第1期は2021年6月に着工。 |
認証
-同社は、IATF16949、CE、UL、TUV、RoHSおよびその他の国際認証を取得。
-同社は、同社の実験センターが中国合格評定認可委員会 (CNAS) の認可を取得したと発表した。認可を取得した検査項目は56項目で、材料の物理・化学的特性に加え、動力用バッテリーのセル、モジュール、システムの性能、信頼性、安全性など多岐にわたる。今後実験センターは、先進材料やバッテリーの評価測定方法の開発といった領域への投資を拡大し、積極的に海外との連携を図りながら同分野における測定試験などの事業を通じて、その技術サービスやサポートを提供するとしている。(2020年10月16日付プレスリリースより)