タイヤ・グリップ・インディケーター(TGI)は、ABSやTCSが発動するそのもっと前に、安全運転を実施している通常走行状態で現在装着しているタイヤと自車両現在走行している路面のミューを推定することができるソフトウェアです。

自動車は最終的にはタイヤに伝達させた動力を路面に作用させて制御しているので、路面ミューはとても重要なパラメータになります。
自動車制御の基本的な情報になるので、路面ミューの情報は様々な用途に活用でき、一石三鳥にも十鳥にもなりうる情報です。

【Highミュー → Lowミュー】
・AWDの発動やトルク配分最適化
・ACCの車間距離や速度の制御、またはドライバーへのACC解除の提案
・衝突軽減ブレーキの制御始動タイミングを路面の滑りやすさに適応
・回生ブレーキを路面ミューに応じてディスクブレーキと合わせるブレーキブレンディング
・サマータイヤとスタッドレスタイヤ別でのABSの制御ロジックの適応
・走行中の路面ミューをドライバーに表示するインフォテイメント
・2WD/AWD制御最適化によるバッテリー消費の節約

【Lowミュー → Highミュー】
・ブレーキブレンディングから回生ブレーキに復帰し再充電の効果を最大化
・2WD/AWD制御最適化によるバッテリー消費の節約

TGIはCAN-Bus上に流れている情報のみで路面ミューを推定することが可能なので、処理能力や記録容量、セキュリティ要件に制限されず、インストール先を選びません。

取得できる情報は路面ミュー以外にも、現在装着しているタイヤのスティッフネス（サマータイヤとスタッドレスタイヤの識別）、路面のラフネスやポットホールの検出も可能で、これらすべての情報が既存のセンサー信号を利用して得られるので、低コスト、安価な実装コストで車両に装備することができます。

取得された路面の情報は、クラウドに集約されRSAとRSCというクラウドサービスによってデータ共有されています。

・完全ソフトウェアベースで、追加でのハードウェアセンサーが不要
・CAN-Bus情報のみで解析するので、アプリケーションのインストール先を選びません
・ユーザーが自身でタイヤを交換した際には、自動検出して新しいタイヤの特性を自己学習
・ドライバーが一切介在せずに動作し続ける独立型

タイヤ・グリップ・インディケーター(TGI)は、車のECUに搭載するオンボードアルゴリズムで、自車両が走行している路面のグリップ力をモニタリングし車両に返すソフトウェアです。路面フリクション、ラフネス、ポットホール、これらすべての情報が既存のセンサーの信号を利用して得られるので、低部材コスト、安価なインテグレーションコストで車両に装備することができます。
CAN-Bus上の情報のみで解析することが可能なので、処理能力や記憶容量が限られているECUなど、インストール先を選びません。

TGIは、ABSやTCSなど、タイヤが現にスリップしている前から、通常ドライブ状態からグリップ情報を取得することができ、タイヤが空転してしまう前にグリップ情報を取得することができるので、車両制御能力が低下する前に対応策をとることができます。

また同じ走行条件で比較した場合、ABSやTCSによるフリクション測定の頻度と比べ、約９０倍から９９倍ほどの頻度でフリクション測定が行われます。
TGIの高頻度なフリクション測定が、RSAやRSCの高いデータカバー率に繋がっています。

コネクティッドカーのプローブデータとしてフリクションマップを作成することができるTGIですが、クローズドでもその効果を発揮します。
例えばトルク分配を制御できるAWD車両等では、燃費向上のために２輪駆動もしくはそれに近い前後トルク分配に設定することもありますが、その状態で低ミュー路を走行した場合はスリップの危険性が高まりせっかくのAWDの機能を十分に発揮できません。
TGIではそのようなフリクションドロップを瞬時に感知し車両に返すことで、２輪駆動からAWDへの最適なスイッチングをサポートします。
EVシフトのこの時代では、バッテリーの消費戦略はとても重要となり、航続距離に大きく関係してきます。現在の車両のグリップ状態を車両制御にフィードバックすることで、安全性を担保しつつバッテリーの消費を最小限に留め、かつドライバー求める際にはグリップ力を損失しない程度でのアクセルを与えることで、ドライビングの楽しさも提供することができるでしょう。

アダプティブクルーズコントロール使用時には、現在のタイヤグリップ状況に合わせて車間距離を調整するなどのセイフティー機能を強化することも可能です。

TGIはグリップレベルを推定するだけではありません。路面の粗さ（IRI）やポットホール、スピードバンプ、路面に撒かれたグラベルなどの情報も取得可能で、路面の粗さ情報に合わせて、サスペンションの応力を最適化さることができます。
その他、装着しているタイヤが走行している路面状態に適さない場合、冬用タイヤへの交換をドライバーに提案するとこも可能で、冬タイヤへの交換し忘れも防止することが可能です。

フリクションはアスファルト路面とタイヤの間に発生する物理係数なので、タイヤが変われば測定値も変動してしまいます。
TGIでは、タイヤの特性を常にモニタリングしており、ユーザーが自身でタイヤを交換した際には、タイヤが交換されたことを自動検出して、新しく装着されたタイヤの特性を自己学習し再度モニタリングを行います。

TGIは完全ソフトウェアベースの製品で、これらすべての情報が既存のセンサーの信号を利用して得られるので、低部材コスト、安価なインテグレーションコストで車両に装備することができます。

クローズドでもその効果を発揮するTGIですが、コネクティッドカーのプローブデータに載せれば、フリクションマップを作成することが可能です。
NIRAでは、TGIから収集したグリップ情報を路面単体で成り立つすべり摩擦係数に変換しマップ化するRSIというクラウドサービスも展開しています。
詳しくはRSIの製品ページをご覧ください。