Sensata Technologies, Inc. 2016年12月期の動向

業績

(単位:百万ドル)
2016年
12月期
2015年
12月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 3,202.3 2,975.0 7.6 1)
営業利益 877.4 798.3 9.9 -
パフォーマンスセンサー事業
売上高 2,385.4 2,346.2 1.7 2)
-圧力センサー 1,724.7 1,631.7 5.7 -
-加速度・ポジションセンサー 305.3 328.1 (7.0) -
-温度センサー 185.3 191.4 (3.2) -
-圧力スイッチ 56.0 55.6 0.7 -
-その他 114.1 139.5 (18.2) -
営業利益 615.5 598.5 2.8 -


要因
1) 全社
-2016年12月期の全社売上高は、前年比7.6%増の3,202百万ドル。このうち、自動車産業向けが63%を占めており、同社製品の需要は自動車産業の動向によって大きく影響を受ける。

2) パフォーマンスセンサー事業
-2016年12月期、パフォーマンスセンサー事業の売上高は、前年比1.7%増の2,385.4百万ドルで、全社売上高の74%を占めている。

買収

-2015年12月1日、Custom Sensors & Technologies Ltd. (CST) の買収が完了。米国、英国、フランスにある対象子会社の全株式、ならびに中国の対象資産について、合計1,008.8百万ドルで取得した。今回の買収には、Kavlico、BEI、Crydom、Newallの製品ラインナップおよびブランドのほか、米国、英国、ドイツ、フランス、メキシコにある販売・エンジニアリング・生産拠点が含まれる。同社はCST買収により、自動車市場向け以外にもセンサー製品群を拡大し、圧力センサーの規模を拡大する。

2017年12月期の見通し

-2017年12月期の売上高は、3,150百万~3,250百万ドルと予想。(2017年2月2日付プレスリリースより)

-同社は新興国ならびに先進国の両方において、グローバル拠点を拡充している。顧客ベースには多国籍企業のほか、中国、インド、東欧、トルコなど、新興市場の現地メーカーも含まれる。中国は同社部品を搭載する製品の輸出先ならびに国内消費地として、同社にとって引き続き最重要市場となる。同社は低コスト生産地域でのコスト管理や生産性向上に注力していく方針。

車載センサー市場
-車載センサーのグローバル市場規模は、2015年の201億ドルから2016年には212億ドルに拡大。

-同社はグローバル市場における自動車・HVOR向けセンサーの売上が今後も伸びると見ており、増収要因として以下の3点をあげている。
1) 自動車のグローバル販売台数は、人口増加と新興市場での自動車利用拡大に伴い、長期的に増加傾向が続く見通し。
2) 自動車1台あたりのセンサー搭載数は、政府による安全・排気・燃費規制強化、消費者の新機能に対する需要、HVORアプリケーションの生産性など、各種要因により増加する見通し。
3) 従来の電動メカニカル製品から付加価値の高い電子制御センサーに移行する傾向が続いており、売上拡大につながる見通し。

研究開発費

(単位:百万ドル)
2016年12月期 2015年12月期 2014年12月期
全社 126.7 123.7 82.2

-2015年12月期と2016年12月期の研究開発費の増加は、将来の売上増のための新プラットフォームおよび技術の開発への継続的投資によるもの。

特許

-2016年12月末時点の特許数は、過去5年間に米国で298件、米国以外で314件取得済み。このほか米国で46件、米国以外で275件申請中。

技術提携

-同社は、ソリッドステート型のLiDARセンサーやスマートセンシングソリューションを提供するQuanergy Systemsと戦略的提携・投資契約を締結したと発表した。QuanergyのLiDAR技術の開発を進め、製品化を目指す。両社は、輸送市場において部品レベルのソリッドステート型LiDARセンサーに関する独占パートナーシップを構築する意向。LiDARセンサーは、自動運転技術を含む先進運転支援システムに不可欠な要素。SensataとQuanergyは、Quanergyの知的財産や技術開発力を活用し、従来のメカニカルLiDARセンサーに比べて低コストで信頼性が高く、性能向上・低消費電力を実現したLiDARセンサーを供給する計画。(2016年3月7日付プレスリリースより)

-同社のモノシリコンひずみゲージ式圧力センサーに使用されるMeasurement Specialties, Inc. (MEAS) のセンサー素子ASSYを取得し、セカンドソースとして社内向けに生産している。2013年3月にMEASと知的財産権のライセンス契約を締結。同契約に基づき、乗用車や大型トラックに使用するセンサー素子全般を同社で生産することが許可されている。このライセンス契約に関連するセンサー素子ASSYは、2016年12月期に397.7百万ドルの売上高を計上した。内訳は、MEASが生産した製品が150.6百万ドル、同社が生産した製品が247.1百万ドル。

製品開発

-同社とQuanergy Systemsは、米国ラスベガスで開催されたConsumer Electronics Show (CES) でソリッドステート型LiDARソリューションを展示した。QuanergyはソリッドステートLiDARセンサーとスマートセンサー・ソリューションの大手プロバイダー。同社とQuanergyは輸送業界でコンポーネントレベルのソリッドステート型LiDARセンサーを展開するため、2016年3月に独占契約を締結した。両社は合意を締結して以降、ソリッドステート型フェーズドアレイスキャニングLiDARセンサーの開発に取り組んできた。これは、次世代のADASおよび自動運転システムに向けた長距離高解像度スキャンを提供するものである。Quanergyは、S3ソリッドステートLiDARセンサーで、車両インテリジェンス部門のCES 2017「最優秀イノベーション」賞を受賞している。S3は、最初で且つ唯一のコンパクト、低コストの自動車用ソリッドステート型LiDARセンサー。このセンサーはあらゆる車の車体に内蔵することができ、妥協を排したデザインの美しさと空力性能を保証する。SensataとQuanergyは、2017年後半に自動車業界の顧客向けに、テストと評価のためのサンプルを提供する計画。(2017年1月3日付プレスリリースより)

-同社は、HV・EVを含む自動車の次世代ブレーキ向けに、小型・軽量化した歪ゲージ式 (Micro-fused Strain Gage) 圧力センサーを新たに開発したと発表した。この新型センサー「eXtra-small Form Factor (XFF)」の製品重量は5g未満、直径は7.8mm未満、高さは30mm未満となる。2016年1月からデザインインを開始した。(2016年2月1日付プレスリリースより)

設備投資額

(単位:百万ドル)
2016年12月期 2015年12月期 2014年12月期
パフォーマンスセンサー事業 99.3 125.4 95.5
センサーソリューション事業 11.9 16.9 13.8
全社共通・その他 19.0 34.9 34.8
合計 130.2 177.2 144.2

-2015年12月期は、主に生産能力の増強に向けて投資した。

2017年12月期の見通し

-2017年12月期の設備投資額は、130百万~150百万ドルを計画。