AAPICO Hitech Public Co., Ltd. 2017年12月期の動向
業績 |
(単位: 百万バーツ) |
2017年 12月期 |
2016年 12月期 |
増減率 (%) | 要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 16,642 | 15,139 | 9.9 | 1) |
純利益 | 1,182 | 570 | 107.4 | 2) |
要因
1) 売上高
-2017年12月期の同社の売上高は、前年比9.9%増の16,642百万バーツ。AAPICOグループの売上の62%はOEM自動車部品事業によるもの。2017年のカーナビシステム事業の売上はわずか0.1%。
2) 純利益
-2017年12月期の純利益は前年比107.4%増の1,182百万バーツ。売上増、収益増、関連会社利益配分の増加、継続的な事業効率向上、コスト削減などが貢献した。
近年の動向
-2016年、M&Aおよび事業立ち上げ支援を行う完全子会社AAPICO Venture Company Limitedを設立した。
-同社が、2017年5月に英Sakthi Global Holdingsの株式25.1%を取得したことに続き、日本の自動車市場への進出を前向きに検討している。同社は現在、日本の双日、三桜工業、三池工業、タカギセイコーなど、タイで現地生産する日本企業を戦略的パートナーに持つが、日本での事業展開はしていない。AAPICOは、2020年までに収益300億タイバーツ、純利益率10%の達成を目標としている。(2018年3月14日付Bangkok Postより)
見通し
<2018年>
-2018年第1四半期の業績は改善するとの見通しを示した。自動車販売台数が200万台と予測されることから、5-10%の販売増となる見込みだという。また、マレーシアなどでの需要増に対応するため、マレーシアやインドネシア、ベトナムで事業を拡大する計画も明らかにした。(2018年1月10日付 Thun Hoonより)
<2017年>
-2017年下半期も予想通り成長が続くとの見通しを発表した。タイの自動車市場の改善を背景に、2017年の売上高は、2016年の153億タイバーツから5%増となる見通し。同社の売上構成は現在、タイが70%で、マレーシアや中国などその他諸国が30%だが、マレーシアなどの海外市場における成長率が国内市場より高いことから、今後3-5年以内にこの売上構成は変わる可能性があるという。マレーシアで同社は、工場の建設を検討している。また、事業のさらなる拡大に向けて、多くの企業と合併や買収、合弁について交渉中であると明らかにした。(2017年10月24日付 Thun Hoonより)
-2017年下半期に回復の兆しがあったと発表した。200万台規模の自動車市場の期待成長を背景に、前年の153億タイバーツから5%増となる売上目標を達成し、3.53%増の利益となる見通し。収益が中国で3-5%、マレーシアで15-25%増加したことも貢献したという。 (2017年8月3日付Thun Hoonより)
-2017年度第2四半期の業績が、第1四半期を上回りそうだと発表した。自動車市場の回復により部品の受注が増加したためとしている。AHは、部品の受注が増加していることを背景に、2017年の売上目標として前年比5%増を掲げている。また、同社は、インド、米国、日本等での海外事業の拡大を目指し、複数の企業と現在交渉中にある。2017年内に1契約以上をまとめる意向にあるという。(2017年6月23日付Thun Hoonより)
事業計画
-2018年の売上高について、前年比10%増を目指すと発表した。自動車市場の回復により、2018年の自動車生産台数は2.2百万台に達する見通し。売上構成は国内72%、マレーシア24%、中国4%が目標。2017年1-9月の売上高は121.3億バーツ、純利益は799百万バーツで、それぞれ前年同期比で8.2%増、90%増となった。 (2017年12月5日付The Nationより)
-自動車メーカーの大半がEVなどの次世代自動車に向かう傾向にある中、EVがタイの自動車部品産業に与える影響は大きいとの見方を示した。EVは、今後20-30年で徐々に普及し、全世界の自動車販売の20%をEVが、30%をハイブリッド車が占めると予想。将来のトレンドに適応すべくR&Dセンターを設立したほか、2020年までにアジアにおけるTier1サプライヤーとなり、総収益300億バーツ、純利益率10%の達成を目指している。2017年の同社の売上は、前年比5%増の160億バーツとなる見通し。(2017年11月17日付 Bangkok Postより)
売却
-Continental Automotive Holding Netherlandsとの間でAAPICO Hitech が出資するQuantum Inventionsの売買契約が成立したと発表した。シンガポールの完全子会社AAPICO Investment (AIPL)が所有するQuantum Inventionsの株式25%を売却する。売却価格は9.25百万シンガポールドル。取引の一環として、APPICO Hitechの60%子会社AAPICO ITSはマレーシアのAAPICO QIの株式60%を450,000シンガポールドルで売却する。(2017年7月5日付プレスリリースより)
事業提携
-同社は、Sakthi Automotive Group (Sakthi)と戦略的パートナーシップを締結したと発表した。このパートナーシップに基づき、AHは35億タイバーツ (1億ドル) を投資してSakthiの実質的な株主となり、SakthiはAHのフレーム及び鍛造事業に50百万ドルを投資する。両社は、北米、中国、インド、欧州、タイに現存するSakthiの設備を足掛かりに、AHのフレーム及び鍛造事業のグローバル展開を目指す。2016年のAHの生産台数はわずか3百万個で、世界市場シェアの3%にすぎなかったが、AHは本パートナーシップを通じてグローバル市場へのアクセスを増やしていく。Sakthiは、AHがもつ日本のOEMとのつながりを享受してステアリングナックル事業を拡大し、鍛造機械加工部品の他に、シャシーフレーム、スタンピングの生産を増やしていく。 (2017年5月26日付プレスリリースより)
受賞
-2017年12月期、下記を受賞した。
受賞社 | 賞 | 授与会社 |
AAPICO Hitech PLC | Q-Award for excellent quality | Auto Alliances (Thailand) Co., Ltd. |
AAPICO Hitech PLC | 2016 Supplier Excellence Quality Award | General Motors |
AAPICO Hitech PLC | Best Support Award | Ford Manufacturing Thailand |
AAPICO Hitech PLC | 2017 TCC Competition | Toyota Corporation Club |
AAPICO Structural Products Co., Ltd. | 2016FY Loss Reduction Project Champion | Isuzu |
AAPICO Structural Products Co., Ltd. | The Best in Delivery Award | Isuzu |
New Era Sales (M) Sdn. Bhd | Honda CEO-Elite Dealer Award | Honda Malaysia |
New Era Sales (M) Sdn. Bhd | Honda CEO-Top 7 Accessories Sales Award | Honda Malaysia |
Tenaga Setia Resources Sdn. Bhd | Honda CEO-Top 5 Sales Award | Honda Malaysia |
研究開発拠点
-Bangkok Postは25日、タイの大手サプライヤーAapico Hitech Plc (AH)がアユタヤに新設したR&D拠点が長期的に同社の利益マージンおよび競争力の向上に寄与することを期待していると報じた。新しいR&D拠点は、既存のアユタヤ、サムットプラーカーン、ラヨーン、チョンブリーの生産拠点にあるR&D部門を統合することで、EV部品など新しい分野の研究開発が可能になるという。同社は、研究開発費を現在の年間1,000万バーツから毎年増加させる計画。2016年1~9月の同社売上高は、前年同期比1.9%増の113億5,000万バーツ、純利益は66.4%増加し、4億16万バーツとなった。(2016年11月25日付Bangkok Postより)
-2016年、同社はナビゲーションおよびロジスティクス関連のソフトウェア・技術の研究開発を行うMappico Company Limitedに投資。
設備投資額
|
(単位: 百万バーツ) |
2017年 12月期 |
2016年 12月期 |
2015 12月期 |
|
全社 | 172 | 167 | 276 |