(株) ヨロズ 2014年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2014年
3月期
2013年
3月期
増減率
(%)
要因
売上高 138,340 110,550 25.1 1)
営業利益 8,025 7,107 12.9 -
経常利益 9,425 8,403 12.2 -
当期純利益 5,139 5,301 (3.1)

要因
1) 売上高
日本
-主要得意先である日産向け売上が減少したものの、ホンダ向け売上の増加などにより、売上高は前年比2.1%増の51,525百万円となった。

北米
-米国での生産増加の他、円高是正による増加効果により、売上高は前年比38.0%増の52,205百万円となった。

中国
-中国での生産拡大による売り上げ増加の他、円高是正による増加効果により、売上高は前年比38.2%増の48,657百万円となった。

受注

-2014年2月、トヨタ自動車から「IMVシリーズ」の足回り部品を初受注した。インドとタイで次期モデル用を納入する。インドでトヨタと取引するのはこれが初めてとなる。同シリーズはミニバン、SUV、ピックアップトラックを揃え、世界で年間100万台の販売を狙う世界戦略車。新規受注により、トヨタ向けの売上高が増加する見通しだ。主要取引先の日産自動車のグローバル展開に対応するため、新興国での拠点展開を急速に進めている。日産以外の自動車メーカーとの取引も広げることによって各工場の操業度を安定的に高め、新興国事業の収益性を向上させていく。

-2014年3月期の主な採用実績
OEM モデル 製品 納入開始時期
日本
日産 X-Trail -フロントサスペンションメンバー
-リアサスペンションメンバー
-
Skyline -ブレーキペダル
-クラッチペダル
-
ホンダ Vezel -フロントサスペンションメンバー
-リアアクスルビーム
-
米国
日産 X-Trail -フロントサスペンションメンバー
-リアサスペンションメンバー
-
メキシコ
マツダ Axela
(Mazda 3)
-ダストカバー
-エンジンブラケット
2014年01月
ホンダ Vezel -フロントサスペンションメンバー
-フロントロアアーム
-リアビーム
2014年11月
タイ
スズキ Celerio -車体部品
-フロントロアアーム
2014年05月
ホンダ Vezel -フロントサスペンションメンバー
-フロントロアアーム
-リアビーム
2015年01月
インドネシア
ホンダ Brio -フロントサスペンションメンバー
-フロントロアアーム
-
スズキ WagonR -リアアクスル -
日産 Datsun GO
Datsun GO+
-フロントサスペンションメンバー
-ロアアーム
-トランスバースリンク
-リアアクスルビーム
2014年04月
ホンダ Vezel -フロントサスペンションメンバー
-フロントロアアーム
-リアビーム
2015年05月
インド
日産 Datsun GO
Datsun GO+
-フロントサスペンションメンバー
-ロアアーム
-トランスバースリンク
-リアアクスルビーム
2014年01月
中国
日産 X-Trail -フロントサスペンションメンバー
-リアサスペンションメンバー
-
ホンダ Vezel -フロントサスペンションメンバー
-フロントロアアーム
-リアビーム
2014年11月

受賞

-2013年の主な受賞案件
表彰企業 表彰拠点 表彰内容
ホンダ ヨロズ本社 本田開発賞 (優良感謝賞開発部門)
ホンダ ヨロズ メヒカーナ HDM Reconocimient a la Exelencia
ホンダ ヨロズ オートモオーティブ テネシー HMMU Quality Excellence Award
日産 ヨロズ本社 日産グローバル品質賞
日産 ヨロズ本社 日産日本地域品質賞
日産 広州萬宝井汽車部件有限公司
[Yorozu Bao Mie Automotive Co.,Ltd.]
日産中国地域品質改善賞
日産 ヨロズ オートモオーティブ テネシー NNA Regional Supplier Quality Award Finalist
日産 ヨロズ オートモオーティブ テネシー NNA Regional Supplier Zero Defect Certificate Winner
日産 ヨロズ メヒカーナ NNA Regional Supplier Quality Award Finalist
日産 ヨロズ メヒカーナ NNA Regional Supplier Quality Master Certificate Winner
日産 ヨロズ メヒカーナ NNA Regional Supplier Zero Defect Certificate Winner

2015年3月期の見通し

(単位:百万円)
  2015年3月期
(予想)
2014年3月期
(実績)
増減
(%)
売上高 149,000 138,340 7.7
営業利益 7,000 8,025 (12.8)
経常利益 6,800 9,425 (27.9)
当期純利益 3,500 5,139 (31.9)

>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
  2014年3月期 2013年3月期 2012年3月期
全社 1,603 1,404 1,354

研究開発体制

-開発部と生産技術部において、新製品・新技術開発を主体とした研究開発活動を推進。

-エンジニアを2018年3月期に13年3月期比で7割増員する。2018年3月期に開発員を13年3月期比4割増、生産技術員を倍増し、合計で現状の180人から300人程度に増員する。主要取引先の日産自動車では、今後、グローバル規模で新規車種の生産立ち上げが続くほか、海外で他メーカーからの受注車種も増えている。設計や実験などの新製品開発の業務が大幅に増加するほか、新興国での生産も急速に増加するため、開発、生産技術の両部門で人員を補強する。

-製造子会社のヨロズ栃木 (栃木県小山市) の敷地内に開発棟を新設し、2014年4月に稼働させる。工場建屋内で行っている開発業務を新棟に移すとともに、エンジニアの増員も図る。主要取引先である日産自動車は、2017年3月期に向けて世界販売台数の大幅な拡大を図っている。部品の開発業務も増大するため、開発体制を強化して対応する。

製品開発

サイドレール構造のフロントサスペンションメンバー
-フロントサスペンションメンバーを、剛性の高いサイドレール部と中央部にわける構造。中央部の板厚を下げて、約17%の軽量化を実現。ホンダ 「FIT (4WD)」、 「Vezel」 で採用。

一体成形前面板構造のブレーキペダル
-ブレーキペダルの前面板をプレス一体成形。約27%の軽量化を実現。部品点数の削減によりコストを38%削減。日産 「Altima」 で採用。

技術援助契約

(2014年3月31日現在)
相手方の名称 国籍 契約の内容 期間
Auto chassis International S.N.C. (ACI) フランス スズキが中国で生産する乗用車 (YN5) のリアビームで、ACIが部品の設計と開発を担当し、同社は製造技術、量産の準備および中国 (G-YBM) での部品の製造を担当する契約、ACIは非独占的ライセンスを同社に付与する。 2005年5月1日 -
対象となる乗用車の量産終了まで
Jay Bharat Maruti Ltd. インド スズキのYV4車用のリアビームで同社が設計・開発を担当しおよび生産設備を売却、JBMLが製造を担当する契約。JBMLには非独占的ライセンスを付与し、技術者派遣による技術指導を行う。 2009年3月2日 -
対象となる乗用車の生産終了まで
DK Austech Co., Ltd 韓国 Renault SamsungのL38車用のリアアクスルビームおよびトレイリングアームに使用されるカーリングパイプのサンプル準備、製造のための技術情報および技術支援を非独占的に供与する契約。技術者派遣による技術指導あり。 2012年12月1日 -
対象となる部品の生産終了まで
JBM Auto Limited
(JBM)
インド ホンダの 「Brio」 (TG2/T6E/T4Z) のリアビーム・サブフレーム・ロアアームの設計・開発および生産設備の製作を同社が行い、JBMが部品を製造。JBMには非独占的ライセンスを付与する契約。技術者派遣による技術指導を行う。 2012年9月1日 -
7年間
JBM Auto Limited
(JBM)
インド ホンダの 「Jazz」、「City」 (2WF/2CT) のサブフレーム・ロアアームの設計・開発および生産設備の製作を同社が行い、JBMが部品を製造。JBMには非独占的ライセンスを付与する契約。技術者派遣による技術指導を行う。 2013年7月22日 -
7年間

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
  2014年3月期 2013年3月期 2012年3月期
全社 21,588 17,057 11,737

地域別設備投資額
  • 日本: ヨロズテクニカルセンター (YGTC) の建設や新車展開のため3,357百万円
  • 米州: 米国 (YAT) への1,000トンプレス機導入、メキシコ第2拠点 (YAGM)、ブラジル新拠点 (YAB) の立上げおよび新車展開で9,857百万円
  • アジア: タイ第2拠点 (Y-OAT)、インドネシア新拠点 (YAI) の立上げおよび新車展開で8,374百万円
新拠点設立および拠点追加計画
  • 2011年10月: 中国第2拠点稼働
  • 2011年11月: インド新拠点稼働
  • 2013年06月: タイ第2拠点稼働
  • 2013年08月: インドネシア新拠点稼働
  • 2013年10月: メキシコ第2拠点稼働
  • 2014年07月: ブラジル新拠点稼働予定
*ロシア進出については検討中

海外投資
<中国>
-2013年12月、中国の広州 (広東省広州市)、武漢 (湖北省武漢市) の両工場の生産能力を、2015年半ばをめどに、それぞれ1.5倍に増強すると発表。建屋の拡張、設備増設に2工場合わせ35億円を投資する。日本車の販売が回復していることを受け、一時凍結していた中国への投資を再開する。同国では、取引先の日産自動車やホンダが生産を拡大する計画で、日系自動車メーカー向けにサスペンション部品の供給力を高める。日産が14年に稼働する大連工場 (遼寧省) 向けは武漢の増強で対応する。

設備の新設計画

(2014年3月31日現在)
事業所名 設備の内容 投資予定額
(百万円)
着手 完了予定
貸与 (ヨロズ栃木) 3000トン
FB制御更新
70 2014年12月 2015年01月
新車展開用設備 79 2014年06月 2014年10月
貸与 (ヨロズ大分) 新車展開用設備 305 2013年10月 2015年02月
貸与 (ヨロズ愛知) 新車展開用設備 329 2014年06月 2014年12月
Yorozu Automotive Tennessee, Inc. 新車展開用設備 1,630 2014年02月 2014年09月
Yorozu Mexicana SA. de C.V. 新車展開用設備 907 2013年04月 2014年07月
Yorozu Automotive Guanajuato de Mexico, S.A. de C.V. プレス設備 496 2014年02月 2014年12月
新車展開用設備 338 2014年01月 2014年08月
Yorozu Automotive Do Brasil Ltda. 工場建屋 2,623 2012年11月 2014年09月
プレス他
生産設備
1,408 2014年04月 2014年09月
Yorozu (Thailand) Co.,Ltd. 新車展開用設備 2,553 2014年01月 2014年12月
Y-Ogura Automotive (Thailand) Co., Ltd. プレス設備 426 2013年10月 2014年12月
広州萬宝井汽車部件有限公司
[Yorozu Bao Mie Automotive Co.,Ltd.]
新車展開用設備 1,843 2013年11月 2014年11月
武漢萬宝井汽車部件有限公司
[Whuhan Yorozu Bao Mit Automotive Co., Ltd.]
新車展開用設備 1,143 2013年07月 2015年07月
プレス設備 813 2014年03月 2015年03月
Yorozu JBM Automotive Tamil Nadu Private Ltd. 新車展開用設備 467 2014年04月 2015年03月
組立機械他
生産設備
442 2014年04月 2015年03月
PT. Yorozu Automotive Indonesia プレス他
生産設備
686 2014年04月 2015年03月