(株) ヨロズ 2011年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2011年
3月期
2010年
3月期
増減率
(%)
要因
売上高 102,206 82,018 24.6 1)
営業利益 9,268 4,885 89.7 -
経常利益 9,159 4,713 94.3 -
当期純利益 4,903 1,841 166.3 -

要因
1)
日本
各自動車メーカーの生産は、エコカー補助金が下半期に打切りになった影響で減少したものの、通期では輸出の回復も後押しとなり増加した。これらによる部品売上の増加に加え、国内・海外における新車の立上がりにより増収増益。

北米
自動車業界においては北米全体の車両生産量が回復基調である事に加え、全ての生産をヨロズオートモーティブテネシー社(YAT)へ集約し最適生産体制とした効果が表れてきており増収増益。

アジア
中国及びタイの自動車生産が好調に推移したことにより増収増益。
中国の広州萬宝井汽車部件有限公司[Yorozu Bao Mie Automotive Co.,Ltd.](G-YBM)では、自動車優遇政策を追い風とした内陸部での販売好調により、当初計画を大幅に上回る売上となった。
ヨロズタイランド社(YTC)は日本から全量タイに生産移管された日産マーチの部品を昨年3月から納入しており、年間売上は過去最高となった。また、2012年に販売されるエコカーの部品を受注している。

受注

-フォルクスワーゲン(VW)向けに部品を受注し、2012年よりプレス部品の納入を開始。
-2010年度研究開発の主な成果として以下を新規受注・市場投入した。
日本:日産リーフ(電気自動車)フロントサスペンションメンバー・リアビーム、スズキ ソリオ フロントサスペンションメンバー
アジア:中国とタイで日産マーチ フロントサスペンションメンバー・リアビーム
北米:アメリカでホンダ オデッセイ リアサスペンションメンバー

受賞

-ヨロズメヒカ-ナ社(YMEX)では、日産ノースアメリカと日産メキシコから品質賞を受賞、メキシコホンダからもQD賞(品質、納入)を受賞し、メキシコホンダとの取引を開始した2007年以降、4年連続の受賞となった。

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
  2011年3月期 2010年3月期 2009年3月期
全社 1,473
1,353 1,722

研究開発体制

-競争力向上のため、試作・実験を含む開発・生産技術部門をヨロズ栃木内へ移転させ生産部門と一体化することにより、開発力の向上とスピードアップを図る。

研究開発活動

-今後発表・発売される新車向けに、新材料、新構造、新工法を駆使したサスペンション部品の開発を行い、独自特許を申請。

技術援助契約

(2011年3月31日現在)

相手方の名称 国籍 契約の内容 期間
ThyssenKrupp Tallent Limited 英国 GMイプシロンのフロントサスペンションで先方が受注した成功報酬を同社に支払う覚書 2000年5月-
欧州イプシロン車の生産終了まで
DK Austech Co., Ltd. 韓国 ルノーサムスンモーター社の製造する乗用車(日産名ティアナ)用フロントサスペンションメンバー、トランスバースリンク、リアサスペンションリンク等の製造・組立に関する技術及びノウハウを非独占的に供与する契約 2004年3月2日 -
対象となる乗用車の生産終了まで
Auto chassis International フランス スズキが中国で生産する乗用車(YN5)のリアビームで、ACIが部品の設計と開発を担当し、同社は製造技術、量産の準備及び中国(YBM)での部品の製造を担当する契約、ACIは非独占的ライセンスを同社に付与する。 2005年5月1日 -
対象となる乗用車の量産終了まで
Jay Bharat Maruti Ltd. インド スズキのYN4車リアビーム用の金型・設備などをJBMLに売却し、技術者派遣などによる技術指導を行う。 2005年1月4日 -
7年間
スズキのYV4車用のリアビームで同社が設計・開発を担当し及び生産設備を売却、JBMLが製造を担当する契約。JBMLには非独占的ライセンスを付与し、技術者派遣による技術指導を行う。 2009年3月1日 -
対象となる乗用車の生産終了まで

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
  2011年3月期 2010年3月期 2009年3月期
全社 4,785
4,283 5,080

2010年度の設備投資
-主に新車展開のため、日本で1,377百万円、北米で827百万円、アジア全体で2,580百万円の設備投資を実施。

海外投資

<インド>
-インドに自動車用サスペンション部品と関連部品を製造する現地子会社を設立すると発表した。現地の技術支援先であるJBMのグループ会社JBM Auto System Private Limited (タミル・ナドゥ州チェンナイ市)との合弁で12月に設立する。新会社Yorozu JBM Automotive Tamil Nadu Private Limited の資本金は約28億円で、出資比率はヨロズ93.33%、JBM Auto System 6.67%。総投資額は約50億円。フル操業時の2013年度に従業員数約300人、売上高で約28億円を見込む。 (2010年11月10日付日刊自動車新聞より)

<中国>
-中国・武漢に三井物産および中国素材メーカーと自動車用サスペンションの合弁生産販売会社を来月設立すると発表した。ヨロズの2番目の中国生産拠点で、同社が51%を出資、経営権を取得する。稼働は2011年後半、13年のフル操業時には売上高66億円、従業員数400人を計画する。その時点の中国売上高は、現地の第一生産拠点との合計で約200億円に拡大する見通しだ。新会社「武漢萬宝井汽車部件有限公司」(仮称)の資本金は1億8,600万元(約24億5,000万円)。(2010年4月22日付日刊自動車新聞より)

設備の新設

(2011年3月31日現在)

事業所名 設備の内容 投資予定額
(百万円)
着手 完了予定
貸与(ヨロズ栃木)
新車展開用設備 245 2011年4月 2011年10月
貸与(ヨロズ大分) 新車展開用設備 183 2011年5月 2011年11月
貸与(庄内ヨロズ)
新車展開用設備 748 2011年4月 2011年12月
Yorozu Automotive Tennessee, Inc. 新車展開用設備 1,660 2011年2月 2011年12月
Yorozu Mexicana SA. de C.V. 新車展開用設備 107 2011年4月 2011年10月
Yorozu (Thailand) Co.,Ltd. 新車展開用設備 1,071 2011年1月 2011年12月
広州萬宝井汽車部件有限公司
[Yorozu Bao Mie Automotive Co.,Ltd.]
新車展開用設備 906 2010年5月 2011年6月
武漢萬宝井汽車部件有限公司
[Whuhan Yorozu Bao Mit Automotive Co., Ltd.]
塗装・他生産設備 1,554 2010年11月 2011年10月
工場建屋 897 2010年8月 2011年8月
新車展開用設備 520 2011年3月 2011年10月
Yorozu JBM Automotive Tamil Nadu Pvt Ltd. 工場用地・建屋 1,506 2011年2月 2012年4月
プレス設備 1,002 2011年6月 2012年5月
塗装設備 304 2011年4月 2012年2月