(株) ヨロズ 2010年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2010年
3月期
2009年
3月期
増減率
(%)
要因
売上高 82,018 112,658 (27.2) 1)
営業利益 4,885 6,374 (23.4) -
経常利益 4,713 7,468 (36.9) -
当期純利益 1,841 3,194 (42.4) -

要因
1)
<日本>
-主要顧客の日産を始めとする各自動車メーカーの生産減少による部品売上の落ち込みにより、売上高は前年に比べ6.7%減の39,095百万円。

<北米>
-リーマンショック以降の急激な経済の冷え込みにより販売台数が下落やGMの経営破綻により、売上高は前年比46.1%減の27,531百万円。

<アジア>
-中国の自動車生産は好調に推移したが、タイでの生産台数の下落により、売上高は前年比14.5%減の21,877百万円。

受注

-Yorozu Automotive Tennessee, Inc.では米国日野より車体部品を北米として初めて受注し、2010年5月より納入を開始。

-Yorozu (Thailand) Co., Ltd.では2009年9月よりFord、マツダの合弁会社より受注した小型乗用車用部品の生産を開始。また、2010年2月からは日産より受注したタイ初のエコカー用部品の生産を開始。

国内事業

-2015年3月期までに連結売上高を1500億円、同営業利益率を6%とする中期計画「新ヨロズ・サクセス・プラン(YSP)」を策定する。空前の需要低迷で激減する見通しの今期に比べ、5年間で2倍近い増収を見込む。中国を筆頭とする新興国の需要が着実に拡大すること、自動車大国アメリカの需要低迷が一時的なものであることなどが前提となる。人材や生産インフラを極力温存し、将来的な需要回復に備える。(2009年7月22日付日刊自動車新聞より)

海外事業

<タイ>
-Yorozu (Thailand) Co., Ltd. (YTC)では、タイにおける自動車生産台数が前年度比28%減となり、売上が減少。しかしながら、YTCでは2009年9月よりFord、マツダの合弁会社より受注した小型乗用車用部品の生産を開始し、また2010年2月からは日産より受注したタイ初のエコカー用部品の生産を開始した。これらはいずれも新規車種の受注のため、今後のYTCの売上げ回復に寄与する見込み。

<中国>
-中国の広州萬宝井汽車部件有限公司(YBM)では、自動車優遇政策を追い風とした内陸部での販売好調により、2009年度の量産部品の売上は過去最高となった。中国自動車産業は今後も急速な成長が期待でき、また、主要顧客である日産、ホンダは2010年度以降も増産基調を強めており、この需要増に対応するため湖北省武漢市に新会社を設立し、2011年後半の稼動開始を計画。

事業再編

-米国子会社、ヨロズオートモーティブノースアメリカ社(YANA)の操業を一時休止し、すべての生産をヨロズオートモーティブテネシー社(YAT)へ集約すると発表。YANAはミシガン州でGM、ホンダ、スバル、三菱自動車向けにサスペンション部品を供給してきた。主力生産車種であるシボレーマリブの生産がGMオリオン工場(ミシガン州)から同フェアファックス工場(カンザス州)に集約されることになったことを受けて生産体制を見直すことにした。これにより固定費の削減、生産効率化を図り、北米の営業利益を改善する。操業集約は10月を予定。(2009年7月15日付日刊自動車新聞より)

-2009年12月、Yorozu Automotive Mississippi, Inc.を解散、清算結了。

>>>次年度業績予想(売上、営業利益等)

2011年3月期の見通し

(単位:百万円)
  2011年3月期 2010年3月期 増減率(%)
売上高 88,000 82,018 7.3
営業利益 5,720 4,885 17.1
経常利益 5,350 4,713 13.5
当期純利益 2,600 1,841 41.2
設備投資額 7,832 4,283 82.9

 

得意先別売上高

(単位:百万円)
  2011年3月期 2010年3月期
売上高 割合(%) 売上高 割合(%)
日産グループ 55,135 62.7 50,706 61.8
GMグループ 12,899 14.7 11,679 14.2
ホンダ 6,249 7.1 6,299 7.7
いすゞ 3,700 4.2 3,415 4.2
トヨタグループ 3,396 3.9 3,033 3.7
Ford・マツダ 2,835 3.2 2,581 3.1
スズキ 1,141 1.3 1,259 1.6
その他 2,645 2.9 3,046 3.7
合計 88,000 100.0 82,018 100.0

 

所在地別売上高

(単位:百万円)
  2011年3月期 2010年3月期 増減率(%)
日本 38,421 39,095 (1.7)
北米 30,048 27,531 9.1
アジア 25,936 21,877 18.6

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
  2010年3月期 2009年3月期 2008年3月期
全社 1,353 1,722 1,214

研究開発活動

-今後発表・発売される新車向けに、新材料、新構造、新工法を駆使したサスペンション部品の開発を行い、独自特許を申請。

技術援助契約

(2010年3月31日現在)

相手方の名称 国籍 契約の内容 期間
ThyssenKrupp Talent Limited 英国 GMイプシロンのフロントサスペンションで先方が受注した成功報酬を同社に支払う覚書 2000年5月-
欧州イプシロン車の生産終了まで
DK Austech Co., Ltd. 韓国 ルノーサムスンモーター社の製造する乗用車(日産名ティアナ)用フロントサスペンションメンバー、トランスバースリンク、リアサスペンションリンク等の製造・組立に関する技術及びノウハウを非独占的に供与する契約 2004年3月2日 -
対象となる乗用車の生産終了まで
Auto chassis International

フランス

スズキが日欧で生産する乗用車(YN2/YN3)のリアビームで、ACIが部品の設計と開発を担当し、同社は製造技術、量産の準備及び日本での部品の製造を担当する契約、ACIは非独占的ライセンスを同社に付与する。 2003年1月1日 -
対象となる乗用車の量産終了まで
スズキが中国で生産する乗用車(YN5)のリアビームで、ACIが部品の設計と開発を担当し、同社は製造技術、量産の準備及び中国(YBM)での部品の製造を担当する契約、ACIは非独占的ライセンスを同社に付与する。 2005年5月1日 -
対象となる乗用車の量産終了まで
Jay Bharat Maruti Ltd. インド スズキのYN4車リアビーム用の金型・設備などをJBMLに売却し、技術者派遣などによる技術指導を行う。 2005年1月4日 -
7年間
スズキのYV4車用のリアビームで同社が設計・開発を担当し及び生産設備を売却、JBMLが製造を担当する契約。JBMLには非独占的ライセンスを付与し、技術者派遣による技術指導を行う。 2009年3月1日 -
対象となる乗用車の生産終了まで

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
  2010年3月期 2009年3月期 2008年3月期
全社 4,283 5,080 6,678

-主に新車展開のため、日本で3,305百万円、北米で194百万円、アジアで784百万円の設備投資を実施。

-2011年3月期の設備投資を2010年3月期に比べ10%増額し64億円とする。投資圧縮の基調に変化はないが、景気低迷で先送りしてきた本社技術センターの移転費用などを織り込む。2010年3月期も増産および更新投資の大半を見送った結果、金型を含む新型車対応投資の比率が90%に達したが、2011年3月期はこれが70%程度に下がる見通しだ。(2009年8月24日付日刊自動車新聞より)

国内投資

-2010年早々にも、栃木工場にテーラードブランク(TB)工法を導入する。日産自動車の次期上級FF(前輪駆動)車のサスペンション(懸架装置)を受注したことで、これまで同工法を導入していなかった栃木にも専用ラインを新設する。ブランキングプレスや溶接ロボットなどへの投資額は10億円以下に抑える。同工法の導入は、庄内、大分、米国、メキシコ、中国に次ぐ6拠点目となる。(2009年7月16日付日刊自動車新聞より)

設備の新設

(2010年3月31日現在)

事業所名 設備の内容 投資予定額
(百万円)
着手 完了予定
Yorozu Automotive Tennessee, Inc. 新車展開用設備 226 2010年1月 2010年10月
Yorozu Mexicana SA. de C.V. 設備拡充・更新 196 2010年5月 2010年12月
Yorozu (Thailand) Co.,Ltd. 新車展開用設備 452 2009年12月 2010年12月
広州萬宝井汽車部件有限公司
[Yorozu Bao Mie Automotive Co.,Ltd.]
新車展開用設備 1,256 2010年1月 2010年10月