株式会社ヨロズ 2008年3月期の動向

ハイライト

業績 (単位:百万円)
  2008年
3月期
2007年
3月期
増減率
(%)
要因
売上高 118,784 119,310 (0.4) -主要顧客のGM向け部品の売上高の減少が主要因となり微減。
営業利益 7,733 4,445 74.0

-原価低減・生産性向上活動の成果に加え、北米収益改善活動が実を結んだこと、アジアでの売上げが好調を持続したこと等により、増益。

経常利益 6,460 4,540 42.3 -為替差損を計上したものの、営業利益の大幅増に支えられ増益。
当期純利益 5,392 3,035 77.7 -土地売却による特別利益があり増益。


受注
-日産GTRのフロントサスペンションメンンバー及びリヤサスペンションメンバー並びにリンク
-日産アトラスのフロントサスペンションメンバー及びリンク
-日産エクストレイルのスタビリンク及びメンバーステー
-ホンダインスパイヤーのサスペンションアーム


国内動向
-2008年3月、2008年度に愛知工場で塗装設備を増強し、トヨタグループ向け及びホンダ、三菱自動車などへの供給増に対応すると発表。

>>>詳細は設備投資を参照


海外動向
<アジア>
-タイ、中国では、工場拡張に伴いプレスライン等を増設。

<北米>
-2007年5月、ミシシッピ工場の内製化率を高めると発表。これまで外部調達してきた小物プレス部品の生産を2007年夏から開始、主力のサスペンション本体だけでなく構成部品単位での拡販も推進。

-2007年6月、2010年をめどに北米で金型・生産設備の内製化に着手すると発表。同社の北米統括会社ヨロズ・アメリカ(ミシガン州)で金型や生産設備の内製化を推進する。

>>>詳細は設備投資を参照


事業提携
-2007年8月、全額出資子会社ヨロズタイランド(YTC)の持ち分10%をマツダ系のプレス部品メーカー、ワイテック(広島県海田町)に譲渡すると発表した。同社はワイテックとの提携でYTCの拡販を進め、ワイテックはタイでの事業基盤を確保し主要取引先であるマツダのタイでの増産に対応する。同社がワイテックに譲渡するのはYTCの発行済み株式の10%に当たる180万株で、約4億4千万円の売却益は2008年3月期の特別利益に計上する。(2007年8月25日付日刊自動車新聞より)

事業計画
中期経営計画 (ヨロズサクセスプラン)
&lt;目標&gt;
達成時期: 2011年度
連結売上高: 1,300億円以上
連結営業利益率: 6%以上

開発動向

-2008年3月期の研究開発費用総額は1,214百万円。


技術援助契約(2008年3月現在)
相手方の名称 国籍 契約の内容 期間
Thyssen Krupp Automotive Talent chassis 英国 (1)GMイプシロンのフロントサスペンションで先方が受注した成功報酬を同社に支払う覚書 2000年5月-
欧州イプシロン車の生産終了まで
DK Austech Co., Ltd. 韓国 ルノーサムスンモーター社の製造する乗用車(日産名ティアナ)用フロントサスペンションメンバー、トランスバースリンク、リアサスペンションリンク等の製造・組立に関する技術及びノウハウを非独占的に供与する契約 2004年3月 -
対象となる乗用車の生産終了まで
Auto chassis International

フランス

スズキが日欧で生産する乗用車(YN2/YN3)のリアビームで、ACIが部品の設計と開発を担当し、ヨロズは製造技術、量産の準備及び日本での部品の製造を担当する契約、ACIは非独占的ライセンスを同社に付与する。 2003年1月 -
対象となる乗用車の量産終了まで
スズキが中国で生産する乗用車(YN5)のリアビームで、ACIが部品の設計と開発を担当し、同社は製造技術、量産の準備及び中国(YBM)での部品の製造を担当する契約、ACIは非独占的ライセンスを同社に付与する。 2005年5月 -
対象となる乗用車の量産終了まで
Jay Bharat Maruti Ltd. インド スズキのYN4車リアビーム用の金型・設備などをJBMLに売却し、技術者派遣などによる技術指導を行う。 2005年1月 -
7年間

設備投資

-2008年3月期の設備投資費は、全体で6,678百万円。


設備投資
<日本>
-主として新車展開のため、2,485百万円の設備投資を実施。

-2008年3月、08年度に愛知工場で塗装設備を増強すると発表。トヨタグループ向け及びホンダ、三菱自動車などへの供給増に対応する。愛知工場の売上高は現在40億円規模だが、生産能力増強などで2010年度には25%増の50億円に引き上げる。中部圏の生産・供給インフラを増強し他社拡販を進めることで、現在60%を占める愛知機械工業向け売り上げ構成比を40%に引き下げる。生産能力を増強するのは05年8月に設立したヨロズ愛知。同年9月に愛知機械の子会社である愛知機工(名古屋市港区)を買収し、同10月から営業を開始した。(2008年3月28日付日刊自動車新聞より)

<北米>
-主として新車展開のため、569百万円の設備投資を実施。

-2007年5月、ミシシッピ工場の内製化率を高めると発表。これまで外部調達してきた小物プレス部品の生産を今夏から開始、主力のサスペンション本体だけでなく構成部品単位での拡販も推進する。テネシー工場から200トン級タンデムプレス機などを移管し、投資額を抑える。移設および付加設備への投資額は6千万円程度の見通し。主力供給先となる日産キャントン工場の減産分を、小物プレスの内製化や他社拡販で補てんする。プレスラインを導入するのは2001年に設立したYorozu Automotive Mississippi, Inc. (YAM、同州ヴィックスバーグ)。これまでアセンブリー及び塗装だけを手掛けてきたが、小物プレス部品の生産開始を手始めにプレスからの一貫工場を視野に入れる。内製するのはブラケットやシャシーの補強部材となるレインホースなど。(2007年5月30日付日刊自動車新聞より)

-2007年6月、2010年をめどに北米で金型・生産設備の内製化に着手すると発表。金型や生産設備の内製化を推進するのは、同社の北米統括会社Yorozu America Corporation(ミシガン州)。米国内で集積度が高い試作メーカーへの発注は今後も続けるが、金型や生産設備については極力内製化することで検討に入った。また、性能実験や評価についてはYorozu Automotive Tennessee(YAT、テネシー州モリソン)など北米生産拠点を活用する。同社は既に、タイの生産拠点では金型・治工具の内製化を、子会社のYorozu Engineering Systems (Thailand)(YEST、ラヨン県イースタンシーボード工業団地)が進めているほか、中国(広州)工場でも09年までに大・小のプレス金型を内製する体制を整えるとしている。10年をめどに日・米・アジア三極で内製率が向上する見通し。(2007年6月19日付日刊自動車新聞より)

<アジア>
-タイでは、2006年度の工場拡張に伴い、2007年度には700トン・400トンタンデムプレスラインの増設を実施。また、型設備の現地化と開発力の強化のため、CADシステムの増強を行い、設計能力を倍増させた。

-中国では、2007年度上期に工場を拡張するとともに800トン・400トンタンデムプレスラインの増設を行い、新車4車種の展開を実施。

-アジア全体で3,623百万円の設備投資を実施。


設備の新設予定一覧(2008年3月現在)
事業所 設備の内容 投資予定額
(百万円)
着手 完了予定
(株)ヨロズ
本社地区
(横浜市港北区)
新車展開用設備 735 2008年4月 2009年3月
子会社
Yorozu Automotive Tennessee, Inc. 新車展開用設備 1,347 2008年1月 2008年12月
Yorozu Mexicana SA. de C.V. 新車展開用設備
汎用設備更新
616 2008年1月 2008年12月
Yorozu (Thailand) Co.,Ltd. 新車展開用設備 1,315 2008年1月 2008年12月
Yorozu Engineering Systems(Thailand) Co., Ltd. 汎用設備更新 672 2008年6月 2008年12月