(株) パイオラックス 2015年3月期の動向

業績

(単位:百万円)
2015年
3月期
2014年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 59,507 54,712 8.8 -北米や新興国を中心とした拡販活動を継続的に推進。
営業利益 8,080 7,566 6.8 -一層の合理化を推進。
経常利益 9,209 8,441 9.1
当期純利益 6,300 5,722 10.1
自動車関連事業
売上高 55,961 51,413 8.8 -米国をはじめ新興国市場等に、グローバル拡販を積極的に推進。
営業利益 8,592 8,052 6.7 -

受注

-ルノーからファスナーを初受注し、2015年から納入を始める。これまで他の部品メーカーを介した間接的な納入はあったが、一次サプライヤーとして、ルノーと直接取引するのはこれが初めて。英国拠点が窓口となって受注した。ルノーは日産自動車と設計や部品の共通化を進めており、日産系サプライヤーがルノーから初受注する例が増えている。同社は英国、中国、韓国、インドの工場から納入する予定で、2018年3月期にはルノー向けで12億円の売り上げを見込む。 (2015年1月14日付日刊自動車新聞より)

事業計画

-グローブボックス用開閉機構の軽自動車向けの売上高を2017年3月期に2014年3月期の2倍にあたる年間2億円に引き上げる。独自設計の新製品の採用車種が増える見通し。需要が高まっている軽自動車向けの販売を増やし国内売上高の維持につなげる。新開発した軽自動車用グローブボックスの開閉機構は、ロック機構の位置を従来のボックスの中央から左右に変更し、見栄えや収納を改善した。軽自動車にはこれまでほとんど採用されてこなかったダンパー機構を組み合わせてソフトに開閉できるようにし高級感も引き出した。軽自動車メーカー各社から受注しており、生産量が増えていく見通しだ。(2014年6月25日付日刊自動車新聞より)

-2015年6月、2018年3月期までの中期経営計画を発表した。
骨子は以下の通り、

  • 2018年3月期の連結売上高目標: 2015年3月期比15.1%増の685億円、営業利益は同11.1%増の90億円。
  • 2018年3月期の連結売上高に占める海外比率: 2015年3月期の55%から69%に高める。
  • 2018年3月期の営業利益額に占める海外比率: 2015年3月期の35%から53%に高める。
  • 2016年3月期から2018年3月期の3年間の設備投資: 総額190億円とし、過去3年間の153億円に比べ24%増。
  • 2016年3月期の設備投資額: 70億円を計画し、全体の76%の53億円を海外に振り当てる。
  • 2018年3月期の連結売上高に占める日産圏への依存度: 46%から44%に引き下げる。
  • Volkswagenとの取引を目指し、2015年夏からドイツに営業員を駐在させる。

2016年3月期の業績予想

(単位:百万円)
2016年3月期
(予測)
2015年3月期
(実績)
増減率 (%)
売上高 63,000 59,507 5.9
営業利益 8,300 8,080 2.7
経常利益 8,800 9,209 (4.4)
当期純利益* 5,900 6,300 (6.4)

*2016年3月期については、親会社株主に帰属する当期純利益。

>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

研究開発費

(単位:百万円)
2015年3月期 2014年3月期 2013年3月期
全社 559 714 707
自動車関連 414 426 388

研究開発体制

-設計部、各事業部の開発グループ、および子会社の (株) パイオラックスメディカルデバイスの開発部門により推進。

研究開発拠点

拠点名 所在地
横浜テクニカルセンター 神奈川県横浜市


<韓国>
-韓国子会社Piolax Co., Ltd.は、仁川経済自由区域 (Incheon Free Economic Zone) 内に生産拠点および研究開発拠点を開設した。今回の投資は、現代自動車の中国およびインド拠点からの開閉部品の受注が拡大していることに対応するもの。 (2014年12月18日付プレスリリースより)

研究開発活動

精密ばね関連
-変速機、エンジン補器等に用いられるコイルばね等の廉価材材料開発および採用。
-応力や拳動等の解析技術を駆使した最適設計により、変速機ユニットの小型・軽量化・低コスト化に寄与する製品の量産化。
-変速機ユニットへの組付け作業を容易にした複合ばねの開発拡大。
-客先組立工場との連携を密に取り、客先組立工場の意見と同社製品の最適形状を盛り込んだ商品の開発。
-国内自動車メーカー等との開発拡大と共に、新興国の自動車メーカーとの新たな開発・量産化の拡大。

工業用ファスナー関連
-原価低減、作業性改善、品質向上等の課題を解決するため、薄板から厚板まで使用できる製品、取付け力の低減等による車体への組付作業を容易にした製品、高強度な締結機能を有する製品、廃車後の車体解体作業の作業性向上を考慮した製品などが標準タイプとして新型車よりグローバルで横展開している。
-環境問題へ対応した燃費改善のための軽量化取り組み。
-利便性を向上させた内装部品のネットフック等の開発。

小型ユニット関連
-グローブボックスにおいては、ロックハンドルの機構部の樹脂化、サイドロックの開発、ソフトオープンさせるためのダンパーの開発を実施。この結果、国内全乗用車メーカー、海外でも多くの乗用車メーカーで採用されている。

燃料系関連
-樹脂タンク用バルブとしてロールオーバーバルブ、インレットチェックバルブを中心として性能向上、コスト低減を狙った開発を進め、新規顧客、新規車種への採用が拡大。これに伴い、タイ、中国、インドなど海外子会社での生産も拡大。
-金属タンク用バルブとしては、性能向上、コスト低減を狙った標準部品や複合機能部品の開発を進め、新規顧客への採用が拡大。
-燃料供給ユニット関係の部品は、2輪車が燃料噴射装置の搭載を増加させているための需要拡大に伴い、採用が増加。
-環境問題に対しては、代替燃料に対応した製品、ハイブリッド車に対応した製品を拡大。

その他
-電気自動車 (EV) やハイブリッド車 (HEV) 向け部品について、銅材料や難燃性樹脂材料を用いたバッテリーやモーター関連の構成部品が採用された。
-環境問題に対して、欧州廃車指令、欧州ROHS規制の管理を継続するとともに、日本自動車工業会の環境負荷物質に関する自主規制 (車室内VOCの規制等) に対応した活動を推進。欧州REACH規則に対応する取り組みでは、欧州拠点との連携を図って進めている。
-製品価格の低減として、海外廉価材の採用を検討。金属材料および樹脂材料の機械的性質や性能評価を行い、製品への適用を増やす研究を続けている。

技術導入契約

(2015年3月31日現在)
相手先 契約品目 契約内容 契約期間
Norma Germany GmbH
(ドイツ)
自動車用燃料給油関連部品 特許実施許諾 1995年8月18日から2000年8月17日まで
以後1年毎の契約更新
Norma Germany GmbH
(ドイツ)
樹脂製燃料タンク関連部品 特許実施許諾 上記本契約に追加
Norma Germany GmbH
(ドイツ)
樹脂製燃料タンク関連部品 特許実施許諾 2001年12月13日から2006年12月12日まで
以後1年毎の契約更新

主な技術供与契約

(2015年3月31日現在)
相手先 契約品目 契約内容 契約期間
三加産業股份有限公司
[KHK of Taiwan,Inc.]
(台湾)
金属・樹脂ファスナー 製造技術の援助契約 1987年10月6日
から2007年10月5日まで
以後5年毎の契約更新

設備投資額

(単位:百万円)
2015年3月期 2014年3月期 2013年3月期
自動車関連 4,380 5,014 3,892


-2016年3月期の設備投資額: 70億円を計画し、全体の76%の53億円を海外に振り当てる。
-2016年3月期から2018年3月期の3年間の設備投資: 総額190億円とし、過去3年間の153億円に比べ24%増。

海外投資

<韓国>
-韓国子会社Piolax Co., Ltd.は、仁川経済自由区域 (Incheon Free Economic Zone) 内に生産拠点および研究開発拠点を開設した。今回の投資は、現代自動車の中国およびインド拠点からの開閉部品の受注が拡大していることに対応するもの。同子会社は2013年12月期に193億ウォンの売上を記録。2018年12月期には年間300億ウォンの売上を計画している。 (2014年12月18日付プレスリリースより)

設備の新設計画 (自動車関連)

(2015年3月31日現在)
会社名
事業所名
設備の内容 予定金額総額
(百万円)
着手 完成予定 完成後の増加能力
同社 生産設備、金型他 1,074 2015年
4月
2016年
3月
更新・合理化が主で増加能力は軽微。
国内子会社 生産設備、金型他 273 2015年
4月
2016年
3月
更新・合理化が主で増加能力は軽微。
海外子会社 生産設備、金型他 5,721 2015年
1月
2015年
12月
多種目の生産であるため増加能力は軽微

各種データ

  2015年3月末 2014年3月末 2013年3月末
自動車関連等 2,735 2,743 2,369
医療機器 165 140 134
全社 (共通) 35 36 37
合計 2,935 2,919 2,540

部門別売上構成

(単位:百万円)
  2015年3月期 2014年3月期 2013年3月期
売上高 営業利益 売上高 営業利益 売上高 営業利益
自動車関連等 55,961 8,592 51,413 8,052 45,577 5,775
医療機器 3,545 177 3,299 246 2,898 73
調整額 - (690) - (732) - (659)
合計 59,507 8,080 54,712 7,566 48,476 5,189

地域別売上構成

(単位:百万円)
  2015年3月期 2014年3月期 2013年3月期
日本 30,820 33,094 32,095
アジア 13,926 10,351 8,078
北米 10,730 8,378 6,192
その他 4,029 2,887 2,109
合計 59,507 54,712 48,476

(注) 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国または地域に分類。
アジア:中国・タイ・韓国等
北 米:米国・メキシコ・カナダ
その他:英国・スペイン・ハンガリー等

連結

>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)
決算年月 2011年3月 2012年3月 2013年3月 2014年3月 2015年3月
売上高 (百万円) 44,852 46,500 48,476 54,712 59,507
経営利益 (百万円) 5,628 5,182 5,776 8,441 9,209
当期純利益 (百万円) 3,544 3,404 3,757 5,722 6,300
包括利益 (百万円) 2,681 2,993 5,710 8,873 10,046
純資産額 (百万円) 46,703 49,079 54,345 62,737 69,877
総資産額 (百万円) 55,861 58,151 64,109 75,865 82,794
1株当たり純資産額 (円) 3,673.80 3,913.34 4,327.01 4,955.31 5,747.00
1株当たり当期純利益 (円) 280.41 271.61 302.05 460.06 511.31
潜在株式調整後1株当たり当期純利益 (円) - - - - -
自己資本比率 (%) 83.12 83.71 83.95 81.25 82.87
自己資本利益率 (%) 7.85 7.16 7.33 9.91 9.68
株価収益率 (倍) 7.13 8.14 8.25 8.21 9.56
営業活動によるキャッシュ・フロー (百万円) 5,798 3,690 7,220 8,014 7,746
投資活動によるキャッシュ・フロー (百万円) (3,062) (4,092) (4,150) (6,992) (5,001)
財務活動によるキャッシュ・フロー (百万円) (427) (472) (258) (293) (2,476)
現金および現金同等物の期末残高 (百万円) 13,203 12,080 15,049 15,818 16,356
従業員数 (人) 2,128 2,375 2,540 2,919 2,935

 

単独

決算年月 2011年3月 2012年3月 2013年3月 2014年3月 2015年3月
売上高 (百万円) 33,421 33,756 32,765 33,337 32,995
経常利益 (百万円) 3,703 3,778 4,120 5,761 5,658
当期純利益 (百万円) 2,164 3,148 2,775 3,614 3,741
資本金 (百万円) 2,960 2,960 2,960 2,960 2,960
発行済み株式総数 (千株) 13,084 13,084 13,084 13,084 13,084
純資産額 (百万円) 34,736 37,248 39,679 42,831 44,198
総資産額 (百万円) 42,944 45,090 47,238 53,213 53,785
1株当り純資産額 (円) 2,663.49 2,900.57 3,089.88 3,335.35 3,581.30
1株当り配当額 (円) 30.00 32.50 45.00 45.00 60.00
1株当り当期純利益 (円) 165.97 243.35 216.12 281.46 294.03
潜在株式調整後1株当り当期純利益 (円) - - - - -
自己資本比率 (%) 80.89 82.61 84.00 80.49 82.18
自己資本利益率 (%) 6.39 8.75 7.22 8.76 8.60
株価収益率 (倍) 12.05 9.08 11.53 13.41 16.63
配当性向 (%) 18.07 13.36 20.82 15.99 20.41
従業員数 (人) 565 552 543 530 531