株式会社パイオラックス 2006年度の動向
ハイライト
単位: 百万円 |
2007年 3月期 |
2006年 3月期 |
増減率(%) | 要因 |
売上高 | 42,418 | 41,083 | 3.2 | 海外拠点の好調に支えられ増収。 |
営業利益 | 2,340 | 2,337 | 0.1 | ・樹脂を中心とする原材料価格上昇の影響、投資増強に伴う償却負担が売上増の効果を相殺 |
経常利益 | 3,114 | 3,081 | 1.1 | |
当期純利益 | 1,981 | 1,645 | 20.4 | - |
<地域別業績>
(日本)
売上高は34,176百万円と、単体及び医療関係子会社の増収を主因として前年度と比較して679百万円増収。
営業利益は素材価格の上昇や減価償却費など固定費の増加により、1,920百万円と、前年度と比較して3百万円の減益。
(北米)
米国子会社が、主要日系カーメーカー・米国BIG3及びTier1メーカーへの拡販の強化に努めた結果、売上高は6,215百万円と前年度と比較して79百万円増収。
営業利益は、素材価格の上昇、メキシコ工場増設による一時費用等により199百万円と、前年度と比較して68百万円の増益に留まった。
(その他)
その他地域の子会社全体の増収により、売上高は4,682百万円と前年度と比較して989百万円増収。
営業利益は、その他地域の子会社全体の増収を主因として177百万円と、前年度と比較して102百万円の増益。
生産体制強化
国内では、精密ばねなどの生産集約を進めながら、燃料系、開閉機構部品などの増産に備える体制整備を実施。海外では、メキシコ拠点の拡張を実施、また、中国拠点の07年度上期での拡張移転に向け用地を取得。
海外OEM向け部品供給の拡大
06年3月期は韓国現代自動車向け、および米フォード・モーター向けが前期比1・5倍に増加した。日産向け、しかも国内が9割近かった日産リバイバルプラン当時と比べ、海外売り上げは2倍強に拡大した。内訳は、北米が15%、欧州・アジアなどの合計も初めて2けた台に乗る。海外売上金額も00年度の倍に伸びる。2007年3月期から始まった中期計画では今後3年間でアジア圏の売り上げを05年度比2・2倍の40億円規模に引き上げ、特に、2006年で進出10年を迎える韓国は需要の大きな伸びを見込み、2007年3月期10億円の売り上げを目指す。(2006年6月9日付日刊自動車新聞より)
子会社化
持分法適用関連会社であるサンキョー発条株式会社(東京都青梅市)の全株式を取得して100%子会社とし、100%子会社である株式会社ピーエヌエス(神奈川県横浜市)と合併することを決議した。線ばね生産の集約によってグループ生産効率の向上を図る狙い。合併期日は2007年4月1日。(2007年2月6日付プレスリリースより)
開発動向
開発体制
・各SBUの開発グループ、設計部、子会社のパイオラックス オーシーシステムズ及びパイオラックス メディカル デバイスの開発部門により推進。
・大学との共同研究も実施。
・2007年3月期の研究開発費は、421百万円
・自動車関連に関わる研究開発費は、306百万円
自動車関連の研究開発
(1)精密ばね関連
・エンジン、変速機等に用いられる圧縮コイルばね等の材料開発。応力や挙動等の解析技術を駆使しての最適設計により、ユニットの小型・軽量化に寄与する製品の量産化。
・ユニットへの組付け作業を容易にした複合ばねの開発拡大。
・六価クロムを含有しない表面処理のばね材への適用開発を推進、欧州廃車規制に対応した表面処理の六価クロムフリー化を完了し、欧州RoHS(ロース)規制、REACH規制や、国内の日本自動車工業会の環境負荷物質に関する自主規制(六価クロム・塩ビ・VOC)等の規制にも対応した切替を推進。
・従来の国内カーメーカー等との開発拡大と共に、韓国のカーメーカーとの新たな開発も拡大している。また、中国での日系メーカーとの開発品の量産化も進みつつある。
(2)工業用ファスナー関連
・薄板から厚板まで使用出来る製品、車体への組付作業を容易にした製品、高強度な締結機能を有する製品、廃車後の車体解体作業の作業性向上を考慮した製品などを開発。
新車から順次展開され、現行車へも拡大採用が進んでいる。
・素材面では車室内の臭いを低減する材料グレードへの転換を検討。
・高強度で利便性を向上させた内装部品のネットフック等の開発も推進。多くのフック類が採用されつつある。
(3)小型ユニット関連
・グローブボックス用のサイドロック機構は、2003年1月発売以来採用車種の増加とともに性能向上や作業性改善等を盛り込みながら開発を続けている。あわせて、国内外の主要カーメーカー数社からも引き合いが続いており、採用車種が増大する見込み。
・新型ダンパーの開発も進めており、国内向けにとどまらず欧米韓を中心とした海外メーカーとの開発も増え、着実にシェアを伸ばしている。
・コンソールボックスリッドや後部荷物室のフロアボードを開閉するためのヒンジ機構部品を開発しており、滑らかな動きで高級感を出すためにオイルダンパーを用いたものや、ボードをどの位置でも止めることができ利便性を向上した製品などが採用されている。
・自動変速機内に用いられる油濾過器は、性能向上に向けた濾材の開発、流れの可視化、流路抵抗等の机上解析技術の向上を推進させると共に、昨今多様化する変速機の用途に合わせ、小型化等図っている。
(4)燃料系関連
・北米エバポ規制対応として開発した金属タンク用インタンク方式のエバポシステムの採用車種及び採用客先が拡大中。安全性の向上、コスト低減にも効果があり海外タンクメーカーでも採用され始めた。
・樹脂タンク用バルブとしてはロールオーバーバルブ、インレットチェックバルブを中心として性能向上、コスト低減を狙った開発を行い新規車種へ拡大中。
・燃料供給ユニット関係の部品は、2輪車が、燃料噴射装置の搭載を増加させているための需要拡大に伴い、採用が増加中。
・環境問題に関しては、代替燃料としてのバイオディーゼルやアルコール燃料に対応した製品の採用も決定。
技術導入契約 (2007年3月現在 )
相手先 | 契約品目 | 契約内容 | 契約期間 |
ノーマジャーマニー ゲイエムべーハー (ドイツ) Norma Germany GmbH(Germany) |
自動車用燃料給油関連部品 | 特許実施許諾 | 1995年8月18日から以後5年毎の契約更新 |
ノーマジャーマニー ゲイエムべーハー (ドイツ) Norma Germany GmbH(Germany) |
樹脂製燃料 タンク関連部品 |
特許実施許諾 | 上記本契約に追加 |
ノーマジャーマニー ゲイエムべーハー (ドイツ) Norma Germany GmbH(Germany) |
樹脂製燃料 タンク関連部品 |
特許実施許諾 | 2001年12月13日~以後5年毎の契約更新 |
技術供与(2007年3月現在 )
相手先 | 契約品目 | 契約内容 | 契約期間 |
三加産業股份有限公司 (台湾) Piolax of Taiwan Inc. |
金属・樹脂ファスナー | 製造技術援助契約 | 1987年10月6日から1992年10月5日まで 以後10年毎の契約更新 |
台湾厚木工業股份有限公司 (台湾) Taiwan Houmu Industrial Co., Ltd. (Taiwan) |
自動車用クラッチ用プレッシャースプリング及びトーションスプリング、エンジン用バルブスプリング | 製造技術援助契約 | 1978年11月1日から1983年10月31日まで 以後5年毎の契約更新 |
パイオラックスコーポレーション (米国) Piolax Corp.(USA) |
自動車、電子工業などに使う各種プラスチック精密スリップ、各種精密スプリング、関連組み立て部品等 | 製造技術援助契約 | 1993年4月1日から無期限 |
パイオラックスリミテッド (英国) Piolax Ltd. (UK) |
自動車、電子工業などに使う各種プラスチック精密スリップ、各種精密スプリング、関連組み立て部品等 | 製造技術援助契約 | 1995年8月8日から無期限 |
パイオラックス株式会社 (韓国) Piolax Co., Ltd. (Korea) |
自動車、電子工業などに使う各種プラスチック精密スリップ、各種精密スプリング、関連組み立て部品等 | 製造技術援助契約 | 1995年6月20日から2006年6月19日まで 以後1年毎の契約更新 |
パイオラックス(タイランド)リミテッド (タイ) Piolax (Thailand) Ltd. (Thailand) |
自動車、電子工業などに使う各種プラスチック精密スリップ、各種精密スプリング、関連組み立て部品等 | 製造技術援助契約 | 2000年8月10日から無期限 |
東莞百楽仕汽車精密配件有限公司 (中国) Dongguan PIOLAX Co., Ltd. (China) |
自動車、電子工業などに使う各種プラスチック精密スリップ、各種精密スプリング、関連組み立て部品等 | 製造技術援助契約 | 2004年7月1日から2014年6月30日まで 以後1年毎の契約更新 |
設備投資
設備投資費用
2007年3月期の設備投資は自動車関連部品生産設備を中心に全体で3,986百万円。
国内関係で3,006百万円、海外関係で980百万円。
会社名 事業所名 |
所在地 | 設備の内容 |
予定金額 総額 (千円) |
着手 | 完成予定 |
(株)パイオラックス 横浜テクニカルセンター |
横浜市 保土ヶ谷区 |
設計・開発用設備他 | 49,811 | 2007年4月 | 2008年3月 |
金型 | 441,100 | ||||
(株)パイオラックス 真岡工場 |
栃木県 真岡市 |
建物等 | 100,750 | 2006年11月 | 2008年3月 |
生産設備他 | 459,973 | ||||
金型 | 434,500 | ||||
(株)パイオラックス 富士工場 |
静岡県 庵原郡 |
建物等 | 1,000 | 2007年4月 | 2008年3月 |
生産設備他 | 188,950 | ||||
金型 | 114,400 | ||||
(株)パイオラックス 九州工場 |
福岡県 飯塚市 |
生産設備他 | 150,555 | 2007年4月 | 2008年3月 |
金型 | 53,900 | ||||
Piolax Corp. 本社・工場 |
米国 ジョージア州 |
建物等 | 9,900 | 2007年1月 | 2007年12月 |
生産設備他 | 185,460 | ||||
金型 | 91,850 | ||||
Piolax Ltd. 本社・工場 |
英国 ランカシャー州 |
建物等 | 88,400 | 2007年1月 | 2007年12月 |
生産設備他 | 19,700 | ||||
Piolax Co. Ltd. (PK韓国) 本社・工場 |
韓国 仁川広域市 |
生産設備他 | 55,200 | 2007年1月 | 2007年12月 |
金型 | 83,000 | ||||
Piolax (Thailand) Ltd. 工場 |
タイ ラヨーン県 |
建物等 | 360 | 2007年1月 | 2007年12月 |
生産設備他 | 106,607 | ||||
金型 | 112,226 | ||||
東莞百楽仕汽車精密配件有限公司 (Dongguan PIOLAX Co.,
Ltd.) 本社・工場 |
中国 東莞市 |
建物等 | 30,339 | 2007年1月 | 2007年12月 |
生産設備他 | 280,610 | ||||
金型 | 193,943 |