日本プラスト 2006年度の動向

ハイライト

業績
(単位:百万円) 2007年3月期 2006年3月期 増減率(%) 要因
売上高 98,277 93,639 5.0 下記1)参照
営業利益 2,949 2,620 12.6 下記2)参照
経常利益 3,003 2,687 11.8
当期純利益 2,165 2,771 (21.9) 下記3)参照

要因
1)日本・北米・中国における2006年3月期立上げ車種の年間を通した生産効果や2007年3月期立上げ車種の生産増加等(側面衝突エアバッグモジュール)により、増収。

2)国内は労務費を始めとした開発費や新車立上げ費用等のコスト増により、減益。海外はタイ子会社の先行投資負担があったものの、米国子会社の増収効果や原価低減効果及び中国子会社の持続的高収益に支えられ、伸長。

3)2006年3月期の保有投資有価証券の売却益計上の影響や国内金型製造子会社の清算に伴う関係会社整理損失引当金の計上等により、減益。

<地域別動向>
1)日本
売上高:主要納入先のモデルチェンジによるエアバッグモジュール受注増加等により、57,116百万円。
営業利益:増収効果はあったものの、開発体制強化のための労務費増加や新車立上げ費等のコスト増加により、770百万円。

2)北米
売上高:主要納入先のモデルチェンジによるエアバッグモジュール受注増加等により、42,727百万円。
営業利益:増収効果により、1,553百万円。

3)その他の地域
売上高:中国での新車種立上げ等により、6,696百万円。
営業利益:中国子会社の好業績持続により、627百万円。

業務・資本提携の解消
同社とスペインのダルフィメタル社の両社は2006年7月12日付けで業務提携および資本提携の解消に合意した。同社は保有していたダルフィメタル社株式を2006年8月30日付けでオートモーティブホールディング(スペイン)エス・エル社に売却した。(2006年8月31日付け同社プレスリリースより)

開発動向

研究開発費
(単位:百万円) 2007年3月期 2006年3月期 2005年3月期
安全部品部門 964 917 733
樹脂部門 728 688 802
総額 1,692 1,605 1,536

<研究開発体制>

技術開発部、設計部及び北米子会社ニートン・オート・プロダクツの実験室等により推進され、研究開発には全体で166名が従事。


安全部品部門
・ハンドル製品:
①マグネシウム芯金や低比重ウレタンによる軽量化や、フローティング機構による低ホーン操作荷重などによる高性能化開発に加え、金属調別体エンブレム付エアバッグカバー、高触感ハンドル、高品位木目加飾ハンドル等の高品質化開発を推進。
②インフレーターガスのクリーン化や、生産に使用するウレタン、塗料、革などからの有機溶剤低減等、環境への影響を極力減らす開発を実施。

・助手席エアバッグモジュール製品:
①切削テア加工によるハードタイプエアバッグを開発しシームレス化への展開を行い、表面加飾要求に対してはウレタンRIM工法を基にした独自NPSS(Nihon Plast Soft Surface)工法を開発、更にソフト感を増す工法検討にも取り組み、 成長分野のエアバッグ一体パネルの品揃えを拡充。
②同時に、加害性低減を狙った独自のバッグ構造、折り構造を開発。

・側突対応エアバッグモジュール製品:
①縫製部のシール技術による車両横転時の長時間圧力保護タイプのカーテンエアバッグの開発や、膝を守るニーエアバッグの開発も推進。
②製造方法において、カーテンバッグ自動折り機を完成させ、車両に搭載されるすべてのエアバッグの性能向上開発とともに、製造工程の合理化開発も推進。

樹脂部品部門
・外装樹脂製品:
超簿肉の射出成形によるフェンダープロテクターを開発し大型射出成形への展開を図り、特殊スライド構造金型を使った2色射出成形による柔軟性ラバー一体のカバーカウルトップを開発し、組立工程を無くすことによる品質の安定化を図る。

・内装樹脂製品:
①空調部品類であるベンチレーターのルーバー完全シャット機構、集中拡散切替機構、薄型化などによる品揃えを拡充し、自動組立ベンチなど合理化開発にも取組んでいる。
②樹脂パネル類に対しては、ソフトな表面触感が得られるクッション層付シートの射出プレス工法、接着工程無しで布貼りピラーが生産できる布インモールド工法等、多彩な加飾技術を開発し低コスト高品質化要望に応え、多部品の組合せによる高機能化設計が要求されるグローボックス、コンソール等を開発。


技術供与(2007年3月時点)
名称 国名 契約内容 契約期間
ホンダ・ベルギー社 ベルギー 自動車用部品の開発、製造及び販売に関する技術の供与 2006年11月~2007年11月
ニートン・オート・プロダクツ アメリカ 自動車用部品の設計、実験、製造、検査技術の供与 2007年1月~2007年12月

業務提携(2007年3月時点)
名称 国名 契約内容 契約期間
モラーグループKG社
(Morrar Group KG)
ドイツ 自動車の内外装樹脂部品の開発、設計、生産に関する業務の提携 2000年7月~2007年12月

カルソニックカンセイ

日本

自動車の内外装樹脂部品の開発、設計、生産に関する業務の提携

2006年9月~2007年9月

設備投資

設備投資費

(単位:百万円) 2007年3月期 2006年3月期 2005年3月期
安全部品部門 3,193 2,825 2,769
樹脂部門 3,871 2,445 2,940
その他事業 24 9 28
総額 7,088 5,281 5,739

2007年3月期は生産工場の増改築、モデルチェンジに対応した金型投資を中心に設備投資を実施。

安全部品部門:
モデルチェンジ及び受注確保、生産工場の増改築に3,193百万円の設備投資を実施。

樹脂部門:

モデルチェンジに対応した金型投資等に3,871百万円の設備投資を実施。


重要な設備の新設

事業所名
所在地 設備内容 投資予定額
(百万円)
着手年月 完了予定年月
富士工場1地区 静岡県
富士宮市
ハンドル・エアバッグの生産設備 286 2007年4月 2008年3月
富士工場2地区 静岡県
富士宮市
エアバッグ生産設備 346 2007年4月 2008年3月
伊勢崎工場 群馬県
伊勢崎市
樹脂部品の生産設備 1,237 2007年4月 2008年3月
九州工場 福岡県
築上郡
ハンドル・エアバッグ及び樹脂部品の生産設備 727 2007年4月 2008年3月
テクニカルセンター 静岡県
富士宮市
ハンドル・エアバッグ及び樹脂部品の試験研究用設備 235 2007年4月 2008年3月
中山富拉司特工業有限公司
(Zhongshan Plast Industry Co., Ltd.)
中国
広東省
ハンドル及び樹脂部品の生産設備 1,243 2007年1月 2007年12月
Neaton Auto Products Mfg., Inc. 米国
オハイオ州
ハンドル及び樹脂部品の生産設備 1,197 2007年1月 2007年12月
Nihon Plast Thailand Co., Ltd. タイ
ラヨン県
ハンドル及び樹脂部品の生産設備 1,188 2007年1月 2007年12月