東洋ゴム工業(株) 2009年3月期の動向
ハイライト
業績 | (単位:百万円) |
2009年 3月期 |
2008年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 328,371 | 357,233 | (8.1) | - |
営業利益 | (2,964) | 13,168 | - | - |
経常利益 | (6,179) | 9,893 | - | - |
当期純利益 | (10,722) | 6,137 | - | - |
タイヤ事業 | ||||
売上高 | 242,054 | 252,495 | (4.1) | -国内の新車用タイヤは、世界的な景気後退により、特に第4四半期の国内自動車生産台数の急激な減少の影響を受け、販売量、売上高ともに前年度を大幅に下回った。 |
営業利益 | (1,395) | 12,472 | - | - |
ダイバーテック他事業 | ||||
売上高 | 86,555 | 105,014 | (17.6) |
-自動車用防振ゴムは、上期の順調な受注から一転し、特に第4四半期の受注が大きく減少したため、売上高は前年度を大幅に下回った。 |
営業利益 | (1,559) | 690 | - | - |
受注
-トヨタの「3代目プリウス」に新車装着としてタイヤ「PROXES R30A」の納入開始。
事業提携
-ブリヂストンと包括的に資本・業務提携することで合意したと発表。製造技術や調達、生産委託などで強みを持ち寄り、低価格を武器に存在感を増す新興メーカーに対応する。ブリヂストンは、同社の第三者割り当て増資により新株2千万株(発行済み株式の8.72%)を2008年10月に取得し、投資ファンド2社を除くとトヨタ自動車(4.56%)を超える最大株主となる。同社はブリヂストンが保有する自社株390万株(0.48%)を取得する。(2008年5月17日付日刊自動車新聞より)
-ブリヂストンと2008年5月に基本合意を行った業務提携に関する今後の具体的な取り組みについて発表。両社が持つタイヤの革新生産要素をベースとした新たな生産技術を共同開発していくことや、原材料の共同調達を進める。さらに、米州において両社の生産拠点を活用して乗用車用ラジアルタイヤの生産委託を行うほか、バイアスタイヤや補助製品などの相互生産を行い、同製品の生産を集約。2012年に米州で100万本を生産することなどで合意した。両社が持つそれぞれの得意分野や経営資源を有効活用していくことで、さらなる企業価値の向上につなげる。(2008年10月28日付日刊自動車新聞より)
海外事業
<米国>
-米国で生産するタイヤの製品構成を見直す。自動車メーカー向け(OEM)、市販向けともにSUVや大型セダン向けウルトラ・ハイパフォーマンス(UHP)タイヤが中心だったが、ガソリン高などに伴う大型車の販売不振を受けて、ミディアムセダンなどをターゲットとした中口径タイヤに製品構成をシフトする。多品種変量生産に対応できる新工法を全面導入しており、生産品目の見直しに伴う設備投資はなく、2010年度までの中計で盛り込んだ米国での生産能力増強も変更しない。(2008年6月2日付日刊自動車新聞より)
リストラクチュアリング
-景気減速や急激な円高などによる業績悪化を受けて収益改善に向けた構造改革計画を取りまとめたと発表。2010年3月期(09年度)に業績の回復を目指すことを柱として、同期中に生産部門、管理部門、販売子会社で最大2千人を削減するほか、東京モーターショーを始めとしたイベントへの出展中止や人件費の圧縮などで約60億円の経費削減を行う。また、国内・海外の工場や販売会社におけるタイヤ在庫を40億円削減。さらに2010年度を最終とする中期経営計画「中計08」で予定していた北米タイヤ工場の能力増強投資の圧縮やアジア地区における生産拠点の建設を延期する。同社は2009年3月期の業績が営業利益で当初の10億円の黒字から20億円の赤字へ、純損失は26億円から127億円と大幅に拡大する見通し。生産部門においてはタイヤ部門、防振ゴムなどのダイバーテック部門とも国内・海外の生産体制の見直しや操業短縮などを進める。(2009年2月10日付日刊自動車新聞より)
「中期計画08」 | (単位:百万円) |
2009年3月期 | 2011年3月期 | |
売上高 | 328,371 | 300,000 |
営業利益 | (2,964) | 11,000 |
経常利益 | (6,179) | 9,000 |
設備投資額 | 29,221 | 54,000 |
2011年3月期の事業本部別数値計画 | (単位:百万円) |
タイヤ | ダイバーテック他 | |
売上高 | 240,000 | 60,000 |
営業利益 | 9,500 | 1,500 |
設備投資額 | 45,000 | 9,000 |
-2011年3月期、タイヤ2,900万本の販売を計画。
開発動向
研究開発費 | (単位:百万円) |
事業セグメント | 2009年3月期 | 2008年3月期 | 2007年3月期 |
全社 | 8,762 | 9,618 | 9,607 |
タイヤ | 5,567 | 5,829 | 5,783 |
ダイバーテック他 | 2,326 | 2,951 | - |
自動車部品 | - | - | 1,383 |
化工品 | - | - | 1,663 |
共通 | 869 | 837 | 778 |
研究開発体制
-兵庫県伊丹市の「Toyo Technical Center」等でタイヤの研究開発を行っている。
研究開発活動
事業部門 | 研究開発内容 |
タイヤ | -タイヤ技術センターにおいて、タイヤ挙動と車両の挙動の解析を結び付けたタイヤ設計基盤技術および、タイヤ騒音や磨耗性能のシミュレーション技術開発により、商品開発を進めている。 -タイヤ技術センターの敷地に「生産技術工房」を建設し、工法にかかわる要素技術開発、生産技術の改善を推進。 |
ダイバーテック他 -輸送機器 |
-先行技術開発として、最適接地サスペンションシステムへの取り組みから、車両の乗り心地と操縦安定性を高次元で向上させるLF-BUSHを完成させ、市場への投入を目指している。 -エンジンの振動変化に応じた精度の高い相殺振動の発生が可能なエンジンマウントを開発中。今後、本技術を応用した製品の開発を行い、市場展開を目指す。 -環境問題への対応として鉛フリー、6価クロムフリーの製品開発を実施してきたが、現在は製造工程・製品からVOC(揮発性有機化合物)を削減するため、新素材への切替を進めている。 -車の燃費向上のために部品の軽量化および性能向上を目指し、アルミや樹脂材料の採用以外に新工法・新材料の開発を進めている。 |
設備投資
設備投資額 | (単位:百万円) |
事業セグメント | 2009年3月期 | 2008年3月期 | 2007年3月期 |
全社 | 29,221 | 20,153 | 18,610 |
タイヤ | 23,955 | 14,763 | 13,116 |
ダイバーテック他 | 5,266 | 5,389 | - |
自動車部品 | - | - | 4,254 |
化工品 | - | - | 659 |
設備の新設計画(2010年3月期)
事業部門 | 計画金額 (百万円) |
設備等の主な内容・目的 |
タイヤ | 12,047 | 合理化および品質向上、高品位タイヤ需要増への対応 |
ダイバーテック他 | 2,606 | 合理化および品質向上、国内生産拠点再編成 |
全社(共通) | 204 | 基礎研究技術の強化 |
合計 | 14,857 | - |