日鍛バルブ (株) 2010年3月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万円) |
2010年 3月期 |
2009年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 27,753 | 31,693 | (12.4) | - |
営業利益 | 369 | 1,279 | (71.1) | - |
経常利益 | 762 | 1,201 | (36.6) | - |
純利益 | (189) | (255) | - | - |
自動車部品 | ||||
売上高 | 23,169 | 24,576 | (5.7) | 1) |
営業利益 | 731 | 995 | (26.5) | - |
要因
1)
自動車部品
<四輪車用エンジンバルブ>
-欧米向け製品が減少する一方で景気刺激策の効果や新興市場での需要の高まりにより受注は回復傾向にあり、また一部のエコカー向け製品の好調、北米子会社の連結効果などにより増収。
<自動車用精密鍛造歯車>
-下半期以降回復基調にあるものの欧米需要の低迷により減収。
<バルブリフター>
-国内生産は海外向け製品の需要回復により増加したものの韓国関連会社の連結除外により減収。
<NT-VCP(可変バルブタイミング装置)>
-北米需要が低迷する一方で搭載車種のモデルチェンジに伴う受注増により横ばいとなった。
>>>次年度業績予想(売上、営業利益等)
開発動向
研究開発費 |
(単位:百万円) |
2010年3月期 | 2009年3月期 | 2008年3月期 | |
全社 | 1,391 | 1,346 | 1,194 |
研究開発活動
-内燃機関の性能向上に大きな影響を有する動弁系部品の高性能化と軽量化、並びに耐熱合金、新素材の開発も合わせて継続的に取り組む。-自動車用駆動部品を主とした、精密鍛造部品の鍛造方法及び鍛造工法改善の開発。
-排ガス規制及び燃費改善に対応するNT-VCP(可変バルブタイミング装置)の高性能化、製造方法の改善。
-エンジンバルブのリフト(開度)量の調整を低コストで実現する可変機構の実用化にめどをつけた。2011年から12年の供給開始を目指し、日米欧で強化が予定されている二酸化炭素(CO2)排出規制のクリアに取り組む自動車メーカーに提案する。バルブリフトの可変機構は燃費や排ガスとともに出力特性の向上に効果を示す。しかし機構が複雑になりがちなため一部を除きスポーツタイプを始めとした高級車への採用にとどまっていた。新製品は原価を量産車に採用可能なレンジに抑え、新規ニーズの吸収に結びつける。シンプルな機構での可変制御に重点を置くことによって、幅広い車両に搭載可能な原価レベルを実現する。(2009年4月14日付日刊自動車新聞より)
-バルブタイミングの可変機構「ヴァリアブルカムフェイザー(VCP)」の大幅な小型化にめどをつけた。従来型に比べ体積は3、4割小さい。VCPとしては第四世代にあたるもので、小型化による軽量化に加え、VCPの性能にあたる応答性の高さと変換角の大きさも改善した。同社は電磁制御式を採用しており、エンジン回転数や温度環境に性能が左右されにくいという特徴を訴求した。第四世代ではさらに高性能化を進める。(2009年11月10日付日刊自動車新聞より)
-エンジンが発生する油圧を使用せずに、バルブクリアランスを調整できる新機構を開発する。周囲の潤滑状態に影響されることなく動弁機構部品のすき間を自動調整できるバルブリフター「メカニカルオートラッシュアジャスター(MALA)」の開発にめどをつけた。バルブリフター内部で油圧を保つ構造で、適正なすき間を維持する機能を単体で完結できる。エンジン軽量化やコストダウンにつながる技術として自動車メーカーに提案し、新規受注を開拓する。短冊状の微小な板ばねを数十枚組み合わせ配列を工夫、油圧なしで適正な状態を保つことを実現する。(2009年11月24日付日刊自動車新聞より)
ライセンス契約・技術援助契約等
(2010年3月31日現在)
会社名 (国名) |
契約内容 | 契約期間 |
Eaton (米国) |
小型エンジンバルブに関するライセンス契約 | 1996年09月01日 - 2010年12月31日 |
Eaton (米国) |
油圧式バルブリフターに関するライセンス契約 | 1996年09月01日 - 2010年12月31日 |
P.T. Federal Nittan Industries (インドネシア) |
小型エンジンバルブに関するライセンス契約 | 2005年06月01日 - 5年間 |
新和精密(株) [Shinwa Precision Co., Ltd.] (韓国) |
油圧式バルブリフターに関するライセンス契約 | 2005年08月01日 - 5年間 |
Nittan (Thailand) Co., Ltd. (タイ) |
小型エンジンバルブに関する技術援助契約 | 2003年01月01日 - 10年間 |
新和精密(株) [Shinwa Precision Co., Ltd.] (韓国) |
メカニカルタペットに関するライセンス契約 | 2002年12月05日 - 10年間 |
北京柳成新和汽車部件有限公司 [Beijing Yoosung Shinhwa Automobile Parts Co., Ltd.] (中国) |
ラッシュアジャスターに関するライセンス契約 |
2006年12月07日 - 10年間 |
北京柳成新和汽車部件有限公司 [Beijing Yoosung Shinhwa Automobile Parts Co., Ltd.] (中国) |
メカニカルタペットに関するライセンス契約 | 2008年01月01日 - 10年間 |
Nittan Euro Tech sp.zo.o. (ポーランド) |
自動車用エンジンバルブに関するライセンス契約 | ライセンス対象製品の出荷を開始した日から5年間 (2008年8月29日締結) |
設備投資
設備投資額 |
(単位:百万円) |
2009年3月期 | 2008年3月期 | 2007年3月期 | |
全社 | 880 | 3,233 | 3,647 |
自動車用部品事業 | 804 | 2,671 | 2,633 |
自動車用部品事業の投資内訳 |
(単位:百万円) |
生産拠点 | 投資額 | 投資内容 |
同社 | 279 | エンジンバルブ製造設備の更新・合理化 |
P.T. Federal Nittan Industries (インドネシア) |
425 | 工場の移転による建屋の新設等 |
設備の新設計画(自動車部品事業)
(2010年3月31日現在)
事業所 | 設備の内容 | 投資額 (百万円) |
着手 | 完了 予定 |
完成後の 増加能力 |
本社工場 (神奈川県秦野市) |
エンジンバルブ NT-VCP他 生産設備 |
280 | 2010.04 | 2011.03 | 合理化、更新が 主な目的であり、 生産能力に ついては大きな 影響なし。 |
山陽工場 (山口県山陽小野田市) |
エンジンバルブ バルブリフター 生産設備 |
630 | 2010.04 | 2011.03 | |
本社工場 (神奈川県秦野市) |
エンジンバルブ 歯車他 生産設備 |
790 | 2010.04 | 2011.03 | |
U.S. Engine Valve (partnership) 本社工場 (米国) |
エンジンバルブ 生産設備 |
487 | 2010.01 | 2010.12 | 合理化、更新 が主目的 |
Nittan (Thailand) Co., Ltd. 本社工場 (タイ) |
エンジンバルブ 生産設備 |
255 | 2010.01 | 2010.12 | 合理化、更新 が主目的 |
Nittan Euro Tech sp.zo.o. 本社工場 (ポーランド共和国) |
エンジンバルブ 生産設備 |
495 | 2010.10 | 2010.12 | 生産設備の 新規取得が 主目的 |