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テイ・エス テック (株) 2019年3月期の動向

注)2019年3月期よりIFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」を適用。売上高に53,174百万円減の影響を受けた。
要因
1) 売上高
-日本における、新機種立ち上がりによる主要客先からの受注台数増加があったものの、中国、アジア・欧州における受注台数の減少及び米州における金型売上の減少、また為替影響等により前期同基準で3.0%の減収となった。

<日本>
-ホンダ新型N-VAN、新型CR-V及びINSIGHT用シートの生産を開始。

ｰ売上収益：前期における日米間APA合意に基づくロイヤリティ売上による価格調整の解消による減少があったものの、主要客先からの受注台数増加及び機種構成の良化により、前期同基準で9.9%増。
ｰ営業利益：上記の減収要因があったものの、原価低減活動等により23.6%の増益。

<米州>
-ホンダ新型INSIGHT用シート及びACURA新型RDX用シートの生産を開始。

ｰ売上収益：新機種立ち上がりによる主要客先からの受注増加があったものの、金型売上の減少、また為替換算の影響等により前年同基準で0.9%減となった。
ｰ営業利益：増収効果はあったものの、日米間APA合意に基づくロイヤリティ費用による価格調整の解消による増加や原価低減等の効果があったものの、材料値上げ影響等により前年比1.5%減。

<中国>
-ホンダ新型ACCORD用シート及びACURA新型RDX用シートの生産を開始。

ｰ売上収益：主要客先からの受注台数の減少により前期同基準で12.4%減。
ｰ営業利益：前期における広州工場の移転完了に伴う補償金の解消及び減収により32.4%減。


<アジア・欧州>
ｰインドにおいてホンダ新型CIVIC及びAMAZE用シートを、またハンガリーにおいてVW新型SUV3列目シートの生産を開始。
ｰTS TECH BANGLADESH LIMITEDにおいて生産能力拡大のための増築を開始。

ｰ売上収益：部品売上の増加があったものの、主要客先からの受注台数の減少及び機種構成の変化等により前年比12.1%減。
ｰ営業利益：原価低減活動等に取組んだものの、減収影響により前年比32.9%減。

2019年3月期の主な生産開始機種

ｰホンダ「INSGHIT(米国・日本)」：2018年6月販売機種。フロントシート及びドアトリムを受注。前モデル比でシートサイズを拡大し、同社主力フレームを搭載。前モデル比16%の軽量化を実現。また、最新電装部品を搭載し、快適性を向上させた。

中期経営計画

-2020年ビジョン 「INNOVATIVE QUALITY COMPANY」 の実現に向け、2018年3月期より 「ESG経営の基盤構築」 を目標とする、第13次中期経営計画 (2018年3月期～2020年3月期) に取り組む。「継続的な事業成長」「ダイバーシティマネジメントの実践」「社会環境との共生」の3点を重点施策とし、世界No.1品質体質の実現や部品競争力世界TOPの実現、経営の現地化に向けた人材育成などに注力する。

>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

ｰセルロースナノファイバー(CNF)を添加したポリプロピレンで従来比17%の軽量化を図ったドアトリムの成形に成功したと発表した。CNF強化樹脂は剛性に優れ、自動車部品の軽量化の手法として期待されている。一方で破断しやすく成形が難しい。だが、テイ・エス テックではCNFを質量中10%添加したポリプロピレンを用いてドアトリムを成形することに成功。板厚は2ミリメートルから1.5ミリメートルとなり軽量化を実現。同社はCNF強化樹脂を自動車部品に適用するための評価を行うアドバイザーの立場としてNEDOからCNFのサンプル材の提供を受けた。実用化に向けては「耐衝撃性などの課題は残る」(同社)ものの、今後はドアトリム以外の部品での成形を試すなど、早期実用化に向けて検証を進めていく方針。(2018年12月7日付日刊自動車新聞より)

研究開発拠点

-2020年3月期の設備投資額は、9,000百万円の見通し。