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テイ・エス テック (株) 2017年3月期の動向

要因
1) 売上高
-主要客先からの受注台数の増加があったものの、円高による為替換算影響等により、前期比で減収減益となった。

<日本>
-新型モデルの立ち上がりはなかったものの、鈴鹿地区における軽自動車等の小型機種へ特化した高効率生産体制の確立、その他国内拠点の自動供給・運搬装置による効率化とその内製化、溶接工程ラインのレイアウト見直し等により、原価低減に取り組んだ。
-売上収益は円高による為替影響により、前期比0.3%減の91,830百万円 (内部売上高を含む)。
-営業利益は為替影響に加え、開発費の増加等により、前期比19.8%減の7,343百万円。

<米州>
-北米でホンダCR-V用シート及び内装品やホンダNSX用シートなどの生産を開始。
-生産性の向上を目的として新型一括溶接設備を、CR-Vのモデルチェンジに合わせ、各拠点に導入。
-TS TECH ALABAMA, LLC.において、増築した建屋でフォルクスワーゲン新型SUV向け３列目シートフレームの生産を開始。
-ブラジルにおいて、フォルクスワーゲン向けトリムカバーを受注。
-売上収益は円高による為替換算影響や機種構成の変化により、前期比13.8%減の213,008百万円 (内部売上高を含む)。
-営業利益は減収影響及び為替換算影響等により、前期比13.7%減の12,365百万円。


<中国>
-ホンダAVANCIER用シートやホンダGIENIA用シートなどの生産を開始。
-広州市増城区の都市開発計画に伴う広州提愛思汽車内飾系統有限公司の工場移転が完了し、稼動を開始。同工場は、一貫生産ラインによる製造物流導線の最適化や、当グループ最速での生産が可能となった新型一体発泡成型機の導入など、生産効率の改善に取り組んだ。
-売上収益は主要客先からの受注台数の増加や、機種構成の良化はあったものの、円高による為替換算影響等により、前期比1.6%減の94,000百万円 (内部売上高を含む)。
-営業利益は為替換算影響や労務費等の増加はあったものの、機種構成の良化等により、前期比1.6%増の16,425百万円。


<アジア・欧州>
-英国においてホンダCIVIC用シートを、インドにおいてホンダBR-V用シートなどの生産を開始。
-同社グループのトリムカバーのグローバル補完基地として、裁断・縫製を行うTS TECH BANGLADESH LIMITEDが稼動開始。
-売上収益は円高による為替換算影響はあったものの、主要客先からの受注台数の増加等により、前期比1.0%増の59,825百万円 (内部売上高を含む)。
-営業利益は新機種モデルへの切替費用や諸経費の増加に加え、当期一過性費用の発生や為替換算影響等により、前期比29.1%減の3,313百万円。

2017年3月期の主な受注

中期経営計画

-2020年ビジョン 「INNOVATIVE QUALITY COMPANY」 の実現に向け、2018年3月期より 「ESG経営の基盤構築」 を目標とする、第13次中期経営計画 (2018年3月期～2020年3月期) に取り組む。「継続的な事業成長」「ダイバーシティマネジメントの実践」「社会環境との共生」の3点を重点施策とし、世界No.1品質体質の実現や部品競争力世界TOPの実現、経営の現地化に向けた人材育成などに注力する。

業績見通しの前提

• 日本：　機種構成の変化はあるものの、主要客先からの受注台数増加により増収の見込み
• 米州：　主要客先からの受注台数増加により増収の見込み
• 中国：　主要客先からの受注台数増加はあるものの、機種構成の変化等により減収の見込み
• アジア・欧州：　主要客先からの受注台数増加に加え、機種構成の良化により増収の見込み

>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

-2018年3月期の研究開発費は、前期比8.2%増の13,400百万円の見通し。

研究開発拠点

-同社は、コンピューター解析などの開発支援業務をフィリピンに集約する。2017年度からスタートする「第13次中期計画」の中で、日本や米国を始めとする開発拠点から段階的に業務移管を進める。フィリピンに昨年春に新設したビジネスセンターの人員体制も中期計画終了までに現状比5倍増の200人超体制に引き上げ、開発支援機能を強化する。製品開発に必要な一般的な業務をフィリピンに集約することで生まれる日本などの開発リソースの余力を、先進技術の研究開発に集中する。競合他社をリードする新たな商品を効率的に生み出し、生き残りを目指す。(2017年1月18日付日刊自動車新聞より)

研究開発活動

四輪事業
1) 安全技術
-自動車の安全性能向上のため、世界各国の安全に関する法規・アセスメントの動向調査、実際の事故データによるシート・内装品に関する情報解析等を行い、それらの結果を踏まえ、より高い安全性能を備えた製品を開発している。
-全方向からの衝突に対する乗員への衝撃軽減機能や、眠気を低減することによる事故防止等の研究を行い、製品開発へ展開している。

2) 環境対応技術
-環境に配慮した材料の開発や、最適設計による部品の統合、新たな加工技術の開発により製品の軽量化を図っている。

3) 魅力・快適技術
-ユーザー目線に立った使い勝手の良い多彩なシートアレンジ機構の開発
-安全・快適をサポートする各種電子制御デバイス部品の開発
-製品に高質感を与える加工技術、加飾技術の開発
-快適性の追求として産学共同で生理学の基礎研究等を展開
-新たな商品創出の取り組みとして、ユーザーが求める「魅力」を模索する社内プロジェクトを発足させ、活動を進めている。

-2018年3月期の設備投資額は、前期比55.6%減の9,300百万円の見通し。