鬼怒川ゴム工業株式会社 2006年度の動向
ハイライト
業績 | (単位:百万円) |
- | 2006年3月期 | 2005年3月期 | 増減率(%) | 要因 |
売上高 | 60,881 | 64,822 | (6.1)% | 下記1)参照 |
営業利益 | 76 | 1,388 | (94.5)% | 下記2)参照 |
経常利益 | 143 | 1,635 | (91.2)% | |
当期純利益 | (1,397) | 316 | - | - |
要因
1)新規自動車メーカーへの拡販に注力したが、国内及び米国・アセアンの自動車生産の減少などにより、60881百万円(前期比6.1%減)。
<車体部品>
・受注の減少及び連結子会社の減少により28,363百万円(前期比10.8%減)
< 防振部品>
・受注の減少により10,378百万円(前期比10.6%減)
< ブレーキ部品>
・受注の減少により13,236百万円(前期比4.7%減)
2)前年度から新たにスタートしたNP-Ⅱ活動(第二次購買コスト削減活動)は計画を達成したものの、操業度の減少、原油価格高騰に伴う原材料価格の上昇、北米子会社の営業損失継続などにより、営業利益は76百万円(前期比94.5%減)、連結経常利益は143百万円(前期比91.2%減)。
地域別業績
<日本>
・売上高は、主要得意先の生産台数減少による影響を、その他の自動車メーカー向け及び非自動車商品の増加で補うことができず、48,474百万円(前期比3.5%減)。
・営業利益は、操業度の減少や材料市況影響等により、1,953百万円(前期比23.8%減)。
<北米>
・売上高は、主要得意先の生産台数減少により、8,615百万円(前期比12.3%減)。
・今年度は、アルティマ(北米専用車)のモデルチェンジ準備期間と重なったこともあり、全面的なトラブルの解消には至っておらず、営業損益は1,547百万円の損失(前年同期は1,252百万円の損失)。
<東アジア>
・売上高は、中国の子会社「福州福光橡塑有限公司」の売上が増加したが、中国の「天津星光橡塑有限公司」が前年度に子会社から持分法適用会社となったこと及び台湾における生産台数の減少などにより、3790百万円(前期比20.3%減)。
・営業損益については、台湾の操業度減少による影響が大きく、490百万円の損失(前年同期は112百万円の利益)。
企業買収
タイの自動車用防振ゴム部品メーカーであるCPRゴム工業(アユタヤ)の発行済み株式の48・99%を取得し、子会社化すると発表した。現地で公開買い付けを実施するが、すでに創業者一族を始めとする大株主や取締役会の賛同を得ているとしている。防振ゴム部品メーカーを関連会社に組み入れることで、東南アジア地域での事業拡大に結びつける。(2007年3月15日付日刊自動車新聞より)
海外事業
- 中国・広州市の生産拠点を拡張し、車体シール部品などの生産能力増強。
- 中国の自動車用ゴム部品などの生産拠点である福州福光橡塑有限公司の花都分工場を独立法人化すると発表。同時に自動車生産の一層の拡大が見込まれる現地事業の強化に向けて、中国事業全体を統括する新会社を設立することを決定。
⇒詳細は設備投資
開発動向
研究開発費 | (単位:百万円) |
- | 2007年3月期 | 2006年3月期 | 2005年3月期 |
研究開発費 | 1,976 | 2,023 | 2,104 |
車体部品部門 | 1,531 | 1,561 | 1,583 |
ブレーキ部品部門 | 176 | 200 | 247 |
・高性能・高品質・高付加価値等顧客ニーズを先取りした商品開発に取り組んでおり、特に地球環境問題を考慮したエラストマー材料・加工技術の開発に注力。
・新規分野への参入を図るべく、大学をはじめとする研究機関との産・官・学による共同研究開発活動を推進。
主な開発内容
1.車体部品部門
・揮発性有機溶剤規制に対応した有機溶剤を使用しない塗料・接着剤の開発
・改質用コーティング不要のハイブリッドゴム材料の開発
・リサイクル性を考慮した高機能性樹脂材料の開発
・軽量化を目的とした金属代替樹脂材料や低比重ゴム材料の開発
・意匠性向上を目的とした高光沢、金属光沢を持つ外装部品の開発
・静粛性向上のための高遮音性シール部品の開発
2.ブレーキ部品部門
・ブレーキカップの高液圧下での耐久性向上を目的とする高硬度化製品の開発
・ピストンシールの新工法開発
相手方の名称 | 国名 | 内容 | 契約締結日 |
技術導入 | |||
(株)アルティア橋本 | 日本 | ウィンドモールディング及びその製造方法 | 2000.04.01より 当該製品の製造期間 |
技術供与 | |||
Metzeler 社 | 英国 | 自動車用ウェザーストリップの製造技術 | 1988.11.25より 当該製品の製造期間 |
CHAIYAPHON RUBBER CO.,LTD. | タイ | 自動車用防振ゴムの技術援助契約 | 2005.08.04より 2015.08.03まで |
AIA社 | 韓国 | 車体シール部品の技術援助契約 | 2003.09.02より 2008.09.01まで |
設備投資
設備投資費 | (単位:百万円) |
- | 2007年3月期 | 2006年3月期 | 2005年3月期 |
設備投資 | 約2,300 | 約3,300 | 約4,400 |
車体部品部門 | 約1,600 | 約2,000 | 約2,500 |
防振部品部門 | 約200 | 約300 | 約400 |
ブレーキ部品部門 | 約300 | 約300 | 約700 |
中国での生産力強化
中国の自動車用ゴム部品などの生産拠点である福州福光橡塑有限公司の花都分工場を独立法人化すると発表した。合わせて、自動車生産の一層の拡大が見込まれる現地事業の強化に向けて、中国事業全体を統括する新会社を設立することを決めた。法人化後の花都分工場の名称は「鬼怒川橡塑(広州)有限公司」とする。設立は2006年10月、資本金は350万ドル(約4億1千万円)で同社が全額出資する。また、中国統括会社は、鬼怒川橡塑(広州)有限公司の中に設立する方針で、活動開始に向けて早期に詳細を詰める。(2006年8月31日付日刊自動車新聞より)
中国・広州市の生産拠点を拡張し、車体シール部品などの生産能力を2倍以上に引き上げると発表。投資額は6億円。日系自動車メーカーの現地調達ニーズの高まりと、欧米市場への輸出へ対応するのが狙い。これまでは、中国国内向けがメーンだったが、今回の工場拡張を機に、今後、欧米向けにも輸出し、事業拡大を図る。今回の拡張により生産能力は従来の2倍強に達する見通し。売上高は、今年が15億円、06年は21億円を見込んでいる。(2006年6月29日付日刊自動車新聞より)
設備の新設 | (単位:百万円) |
部門別 | 設備の内容 | 投資予定総額 (千円) |
着手 | 完成予定 | 完成後の 増加能力 |
(株)キヌガワ郡山 (福島県郡山市) | |||||
車体部品部門 | 車体部品 製造設備 |
93,730 | 2007年4月 | 2008年3月 | * |
(株)キヌガワ大分 (大分県中津市) | |||||
車体部品部門 | 車体部品 製造設備 |
205,320 | 2007年4月 | 2008年3月 | * |
(株)キヌガワ防振部品 (栃木県真岡市) | |||||
防振部品部門 | 防振部品 製造設備 |
93,500 | 2007年4月 | 2008年3月 | * |
本社 (千葉県千葉市稲毛区) | |||||
管理部門 | 試験研究 設備他 |
567,065 | 2007年4月 | 2008年3月 | * |
帝都ゴム(株) 本社工場 (埼玉市入間市) | |||||
ブレーキ部品部門 | ブレーキ部品 製造設備 |
319,000 | 2007年4月 | 2008年3月 | * |
Kinugawa (Thailand) Co., Ltd. (タイ国アユタヤ県) | |||||
車体部品部門 | 車体部品 製造設備 |
296,000 | 2007年1月 | 2007年12月 | * |