ユニプレス (株) 2013年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2013年
3月期
2012年
3月期
増減率
(%)
備考
売上高 237,832 239,086 (0.5) 1)
営業利益 16,025 24,631 (34.9) 2)
経常利益 18,153 24,255 (25.2)
当期純利益 11,218 14,529 (22.8)

要因

1) 売上高
-得意先の各拠点における新車展開に伴う増産効果および販売用型設備の販売増並びに新規拠点の本格稼動に加え円安による為替影響はあるものの、中国および国内における急激な減産影響等により微減。

2) 利益
-グループをあげて取り組んでいるユニプレス生産システム活動を柱とした合理化効果はあるものの、各拠点における相次ぐ新車展開に係る費用負担増やインドネシアおよび中国の新拠点の初期投資費用の負担影響により減益。

事業概況

<日本>
-急激な減産影響が大きく、売上高は前年度比13.4%減、営業利益は同44.8%減となった。

<北米>
-得意先の新車展開に伴う量産効果並びに販売用型設備の販売増に加え為替影響もあり、売上高は前年度比36.3%増となった。一方営業利益は相次ぐ新車展開に係る費用負担増により同89.2%減となった。

<欧州>
-得意先の新車展開に伴う増産効果並びに販売用型設備の販売増により、売上高は前年度比13.0%増となり、営業利益は同0.7%増となった。

<アジア>
-中国における急激な減産影響はあるものの、ユニプレス精密広州[Unipres Precision Guangzhou Corporation]およびPT. Unipres Indonesiaの本格稼動により、売上高は前年度比5.4%増となった。一方営業利益は、インドネシアおよび中国の新拠点の初期投資費用の負担影響があり同5.9%減となった。

事業提携

-同社は伊Magnetto Automotiveのブラジルの子会社MA Automotive Brasil Ltdaとの資本・業務提携に関する覚書をMagnetto Automotiveと締結したと発表した。同社がMA Automotive Brasil Ltdaの資本の40%を取得し、ブラジルにおける車体用プレス部品の製造および販売について業務提携を行う。同社とMagnetto Automotiveは、2003年にフランスにおいて合弁会社UM Corporation, SASを設立し、車体プレス部品の量産を開始しておりルノー・日産グループをはじめとした欧州自動車メーカーに納入している。MA Automotive Brasil Ltdaは、PSA Peugeot Citroen Brazil向けに自動車パネル・車体部品の製造、販売を行っている。(2012年9月21日付プレスリリースより)

事業計画

-トランスミッション用部品の売上高を2016年度に11年度比2倍の600億円に引き上げる。CVT (無段変速機) 用の精密プレス部品の海外生産を拡大するとともに、自社開発に取り組んでいるトルクコンバーターの受注拡大を目指す。主力の車体骨格部品に加えトランスミッション用部品の事業展開を積極化することにより、新興国を中心にしたグローバルでの成長を加速する。(2012年11月27日付日刊自動車新聞より)

>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
  2013年3月期 2012年3月期 2011年3月期
全社 3,000 2,400 2,300

研究開発活動

-2013年3月31日現在、研究開発に携わる人数は現在277名。
-2013年3月31日現在、産業財産権を93件保有。

<製品開発>
-製品の強度・剛性の最適化
-製品の小型・軽量化
-プレス技術を応用した製品の設計
-開発期間の短縮化

<材料開発>
-高強度鋼板
-高剛性樹脂材料
-軽量化樹脂材料

<工法開発>
-高強度鋼板プレス加工法
-ホットプレス工法
-金属精密塑性加工法
-軽合金材料のプレス加工法
-軽合金材料の溶接工法
-高強度パイプ加工法
-高強度樹脂プレス加工法
-樹脂複合成形加工法

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
  2013年3月期 2012年3月期 2011年3月期
全社 24,400 17,800 14,400

日本: 得意先のモデルチェンジに対応するための自動車用部品の生産用設備の更新を主な目的として、94億円を投資。
北米: 得意先のモデルチェンジに対応するための自動車用部品の生産用設備の更新を主な目的として、74億円を投資。
欧州: 得意先のモデルチェンジに対応するための自動車用部品の生産用設備の更新を主な目的として、18億円を投資。
アジア: 得意先のモデルチェンジに対応するための自動車用部品の生産用設備の更新および中国における新会社設立を主な目的として、57億円を投資。

国内投資

日産工場内での「オンサイト工場」拡大
-同社の九州子会社、ユニプレス九州は、完成車の車体組み立て工場内に自社のラインを敷設して部品を生産する「オンサイト工場」を日産自動車の九州生産拠点で運営している。新型「Note」「NV350 Caravan」が九州での生産に切り替わり、オンサイト工場もフル稼働の状態が続いている。2013年には日産・栃木工場でもオンサイト工場を稼働する予定。日産は車の製造コストを部品の輸送費も含めたトータルで削減する活動を国内外で推進しており、日産と日産圏の部品メーカーとの間で工場の"近接化"が進みそうだ。(2012年10月20日付日刊自動車新聞より)

-同社は日産自動車の栃木工場内で、2013年から骨格部品の同期生産を始める。日産の車体ラインに近接して溶接などの設備を設置し、車両の組み立て順序通りに部品を生産して供給する。同社は日産工場内での同期生産を九州の子会社で行っている。日産・栃木工場にも工場 (インサイト工場) があるが、自動車メーカーの車体ラインに、さらに近い場所で生産する"オンサイト工場"を新設して同期化し、効率的な生産・供給を一段と推進する。(2012年10月4日付日刊自動車新聞より)

海外投資

<メキシコ>
-同社子会社である Unipres Mexicana, S.A. de C.V.がトランスミッション部品の工場を同市内に新設すると発表した。トランスミッション部品の主要得意先であるジヤトコのメキシコでの生産増強に対応するもので、2014年7月の操業を予定している。ユニプレスではこれまでトランスミッションの精密プレス部品を日本と中国で生産、メキシコには中国から輸出し対応していたが、現地ニーズの拡大に合わせて現地生産を決定した。今後は、自動車市場が好調に推移するメキシコで、ジヤトコ以外の企業への拡販も視野にし、受注活動を推進、現地事業の基盤強化を図る。新工場の敷地面積は10万平方メートルで、建屋面積は2万平方メートル。投資額は53億円で、従業員数約290人で、16年に67億円の売上高を見込む。(2012年10月10日付日刊自動車新聞より)

設備の新設計画

(2013年3月31日現在)
会社名・
事業所名
(所在地)
設備内容 投資予定
金額
(百万円)
着手 完了
予定
完成後の
増加能力
同社 本社および事業所
(神奈川県横浜市、静岡県富士市、神奈川県大和市)
職場環境整備および危機管理強化ほか 1,500 2013年
4月
2014年
3月
-
同社 栃木工場
(栃木県真岡市・小山市、神奈川県横須賀市)
生産体制強化およびモデルチェンジによる生産設備更新ほか 900 2013年
4月
2014年
3月
若干増加
同社 富士工場
(静岡県富士市・富士宮市)
生産体制強化およびモデルチェンジによる生産設備更新ほか 600 2013年
4月
2014年
3月
若干増加
ユニプレス九州 (株)
本社および工場
(福岡県京都郡)
生産体制強化およびモデルチェンジによる生産設備更新ほか 1,300 2013年
4月
2014年
3月
若干増加
Unipres U.S.A., Inc.
本社および工場
(米国)
生産体制強化およびモデルチェンジによる生産設備更新ほか 3,300 2013年
4月
2014年
3月
若干増加
Unipres Southeast U.S.A., Inc.
(米国)
生産体制強化およびモデルチェンジによる生産設備更新ほか 1,500 2013年
4月
2014年
3月
若干増加
Unipres Mexicana, S.A. de C.V.
本社および工場
(メキシコ)
トランスミッション部品事業の工場新設、
生産体制強化およびモデルチェンジによる生産設備更新ほか
5,600 2013年
1月
2013年
12月
年間2百万台相当のトランスミッション部品生産能力
Unipres (UK) Limited
本社および工場
(英国)
生産体制強化およびモデルチェンジによる生産設備更新ほか 3,800 2013年
1月
2013年
12月
若干増加
ユニプレス広州
[Unipres Guangzhou Corporation]
本社および工場
(中国)
生産体制強化およびモデルチェンジによる生産設備更新ほか 1,100 2013年
1月
2013年
12月
若干増加
ユニプレス鄭州
[Unipres Zhengzhou Corporation]
本社および工場
(中国)
新規生産拠点の工場および設備の新設 5,700 2013年
1月
2013年
12月
年間20万台の生産能力
ユニプレス精密広州
[Unipres Precision Guangzhou Corporation]
本社および工場
(中国)
生産体制強化およびモデルチェンジによる生産設備更新ほか 600 2013年
1月
2013年
12月
若干増加
PT. Unipres Indonesia
本社および工場
(インドネシア)
生産体制強化およびモデルチェンジによる生産設備更新ほか 1,100 2013年
1月
2013年
12月
若干増加