(株) ファルテック 2014年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2014年
3月期
2013年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 77,393 72,018 7.5 -北米子会社の大幅増収と中国子会社の量産本格化が背景
営業利益 3,326 3,216 3.4 -北米および中国子会社の増収効果が寄与
経常利益 3,502 3,147 11.3 -為替差益の計上等により過去最高益を記録
当期純利益 2,084 2,038 2.3 -
自動車部品事業
売上高 40,100 36,577 9.6 1)
営業利益 431 863 (50.1)
自動車用品事業
売上高 20,546 19,478 5.5 2)
営業利益 2,197 1,766 24.4

要因
1) 自動車部品事業
-売上高は中国子会社工場の量産本格化などにより前年比9.6%増加。
-営業利益は国内の売上減、新車立ち上げ費用の発生、タイ子会社の本格量産準備費用の計上などにより前年比50.1%減。

2) 自動車用品事業
-売上高は北米での新車販売台数の増加を背景に前年比5.5%増加。
-営業利益は米国子会社の増収効果などにより前年比24.4%増加。

タイの合弁会社

-2013年、Guardian Industries傘下のSRG GlobalとタイのGateway City工業団地において合弁会社「FALTEC SRG Global (Thailand) Co., Ltd.」を開設したと発表。この生産拠点では、ラジエーターグリル、ボディーサイドモールディング、リアガーニッシュ、ルーフレールなどの生産に向けて、射出成形・クロームめっき・塗装・組立を行う。従業員数は、現在の約50名からフル稼働時には160名に増員される見込み。納入先には日産、Ford、ホンダ、いすゞ、三菱自動車などが含まれる。(2013年9月27日付プレスリリースより)

日産向け以外の拡販

-日産自動車以外の自動車メーカーに対する売上高比率を、2015年度に12年度の28%から35%に高める。海外提携先との連携によりグローバルでの供給体制を構築するとともに、国内のコンバージョン事業を強化し、日産以外の販売を拡大する。同社は外装部品を主力とし、日産を主な取引先としている。日産のグローバル展開への追従に加え、他社販売を増やすことにより、15年度に売上高850億円を目指す。(2013年5月15日付日刊自動車新聞より)

再上場

-2013年3月19日、東京証券取引所第二部に再上場した。終値は公開価格3940円を585円上回る4525円となった。同社の株式公開は2007年11月の上場廃止以来、5年4カ月ぶり。上場を機に収益力とグローバル競争力の強化をさらに加速させる。 (2013年3月21日付日刊自動車新聞より)

FY14中期経営計画

長期ビジョン
-『業界トップレベルの収益力と高品質を目指す』
  • 圧倒的なコスト競争力
  • 提案力No.1
  • お客様が満足する高品質
長期ビジョン達成に向けて強化する重点戦略
  • グローバル事業の伸展
  • 売上収益構造改革と受注拡大 (高収益商品の拡販)
  • コスト構造変革
目標とする経営指標
-計画最終年度 (2016年度) に連結売上高900億円、連結経常利益率7.0%を目指す。
-その先の目指す姿として連結売上高1,000億円、連結経常利益率10.0%を設定。

2015年3月期の見通し

(単位:百万円)
  2015年3月期
(予測)
2014年3月期
(実績)
増減
(%)
全社
売上高 80,000 77,393 3.4
営業利益 4,200 3,326 26.3
経常利益 4,000 3,502 14.2
当期純利益 2,200 2,084 5.6

>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
  2014年3月期 2013年3月期
自動車部品事業 1,104 1,427
自動車用品事業 349 399
自動車関連機器事業 274 233
合計 1,728 2,060

研究開発活動

自動車部品事業
<研究開発体制>
-グローバル開発部 84名

<開発品目>
-高付加表面加飾技術、樹脂メッキによる新光輝意匠、真空蒸着技術による新光輝意匠、立体感塗装技術の開発
-車両機能向上のための電子電装制御の外装部品の開発
-軽量化技術の開発として高剛性構造化および薄肉化の成形技術の開発と部品への適用、超薄板射出成形による軽量部品の開発
-多材質樹脂成形による部品統合一体化商品
-従来の金属加工技術をさらに拡大し、アルミ、SUS材のプレス、曲げ、絞りに関する新技術の開発
-イルミインフォメーション/カメラ機能商品の開発、イルミネーション付外装部品、後部の視認機能付加カメラ商品

自動車用品事業
<研究開発体制>
-C&A商品部 34名
-グローバル営業部 19名

<開発品目>
-内外装樹脂商品、エアロ・マッドガード外装品、ラゲッジアンダートレイなどの内装品の開発
-電子電装品、省電力LEDを応用した自動車室内イルミネーション・イルミキッキングなどの新機能部品の開発、カメラ技術を応用した視認性向上部品の開発
-外装金属商品、車載工具、SUV&ミニバン用のルーフレールやクロスバーの開発および車両に標準装備される工具の開発
-ケミカル商品、ボディーコートや各種クリーナーの商品企画・開発
-フロントフィニッシャー、デイタイムランニングランプ、LEDフォグランプのコモディティ開発
-LEDインフォメーションの開発
-車の周囲の視認性能をアップするカメラ商品の開発

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
  2014年3月期 2013年3月期
自動車部品事業 4,027 3,880
自動車用品事業 142 312
自動車関連機器事業 60 77
合計 4,230 4,277

中国の新工場

-中国企業との合弁で湖北省襄陽市に新工場を建設し、2014年に生産を始める。樹脂外装部品などを生産し、日産自動車やホンダの合弁工場などに供給する。同社は中国で15年度に12年度比3倍にあたる86億円の売り上げを目指している。用品の生産で提携している現地企業との協業関係を量産部品の生産にも広げ、中国の事業を拡大する。ファルテックが51%、中国でケミカル品や自動車販売を手掛ける広東時利和汽車実業集団有限公司 (TGPM、本社=広東省佛山市) が49%を出資し、襄陽市に「湖北ファルテック」を設立した。日産の中国合弁会社、東風汽車有限公司 (湖北省武漢市) の襄陽工場近くに設置されているサプライヤーズパークに工場を建設し、樹脂外装部品のほか、金属モール、ルーフレールを生産する。(2013年7月18日付日刊自動車新聞より)

設備の新設計画

(2014年3月31日現在)
事業所名 所在地 設備の
内容
投資額
(百万円)
着工 完了
予定
完成後の増加能力
北関東工場
館林地区
群馬県
館林市
めっき設備 735 2014年4月 2014年10月 生産能力100%増