古河電気工業(株) 2009年3月期の動向

ハイライト

古河電気工業(株) - 業績 ( 単位:百万円 )
2009年
3月期
2008年
3月期
増減率
(%)
主な要因
全社
売上高 1,032,807 1,174,247 (12.0) 前半はアジア・南米などの新興国における伝送インフラ事業が好調で、自動車関連製品も堅調に推移したが、後半に電子機器部品や自動車関連製品等における急激な在庫調整に加え、銅・アルミ地金価格急落の影響もあり減収。
営業利益 9,752 48,447 (79.9) 前半は原油価格の高騰による影響があったものの新興国における需要の伸びに支えられ前期比で増益となったが、後半に売上の急激な減少により損益が大幅に悪化。
経常利益 (14,788) 40,831 - 上記に加え、円高による為替差損186億円が発生したこと等。
当期純利益 (37,405) 15,291 - カナダおよび米国の子会社清算に伴う為替換算調整勘定取崩益などにより総額265億円の特別利益を計上する一方、固定資産の減損損失や環境対策費用などの特別損失426億円が発生したほか、繰延税金資産の取崩しによって法人税等調整額が増加したため。
電装・エレクトロニクス
売上高 223,797 268,561 (16.7) 同社製品を搭載した軽自動車等の車種の販売が順調であったことからワイヤーハーネスの売上が堅調に推移したものの、後半の電子機器部品市場の低迷による巻線やメモリーディスク用アルミブランク材、ヒートシンク(電子機器用放熱部品)の需要減少等により減収。
営業利益 2,482 9,072 (72.6) -


事業再編(電装・エレクトロニクス部門)

同社と古河ASは、2009年4月6日、リア・コーポレーション(米国ミシガン州)との合弁会社リア・フルカワ・コーポレーションの出資比率を20%から80%に引上げ、リア・フルカワの経営権を取得した。

会社名 Furukawa Lear Corporation
本社所在地 米国 テキサス州 エルパソ市
出資比率 同社 48%、古河AS 32%、リア 20%
資本金 8百万米ドル(約8億円)
2008年売上実績 約100百万米ドル(約100億円)
従業員数 約1,500名(2008年末現在)


巻線事業

2009年4月、同社、理研電線株式会社および東京特殊電線株式会社の同事業を同社が設立した古河マグネットワイヤ株式会社に統合することに合意した。

設備投資計画

部門

2009年3月期 実績 2010年3月期 予想 主な投資内容
設備投資額
(百万円)
割合
(%)
設備投資額
(百万円)
割合
(%)
電装・エレクトロニクス 7,300 18 6,200 20 自動車部品増産
情報通信 6,200 15 5,200 17 光部品増産
エネルギー・産業 5,600 14 4,100 13 電力部品増産
金属 9,200 22 4,000 13 銅箔増産
軽金属 10,100 24 8,100 26 圧延用モーター更新
サービス他 2,900 7 3,700 11
41,300 100 31,300 100  

電装・エレクトロニクス部門 業績見通し ( 単位:百万円 )
2009年3月期
実績
2010年3月期
予想
営業利益の変動要因
通期 売上高 223,800 180,000 (+)ガラス基板立ち上げ
(-)ワイヤーハーネス、ELC低調続く
(-)電池、需要減と鉛市況下落分価格下げ
営業利益 2,500 200
上期 売上高 123,100 82,000
営業利益 3,900 (2,300)
下期 売上高 100,700 98,000
営業利益 (1,500) 2,500

開発動向

古河電気工業(株) - 研究開発費 ( 単位:百万円 )
2009年3月期 2008年3月期 2007年3月期
全社 19,895 19,789 19,976
電装・エレクトロニクス 4,313 4,288 3,603

研究開発体制


拠点名 所在地 概要
古河電気工業(株)
自動車電装技術研究所
神奈川県
平塚市
自動車内のパワーと伝送システム技術の研究開発を行っている。

主な開発テーマ:
-自動車用電源マネジメントシステム
-車載センサ
-次世代ワイヤーハーネスシステム
-自動車部品関連シミュレーション技術

研究開発活動 (電装・エレクトロニクス部門)

-超広帯域(UWB)技術を応用したレーダーの開発。このレーダーは、自動車周辺の小物体の位置を高精度に計測することができ、衝突予防安全システムでの採用が期待できる。
-自動車用バッテリーの充電状態や劣化状態を高精度に検出するセンサーを開発。
-多機能自動車用アンテナの開発を進め、実装性の優れたコンパクトアンテナの完成を目指す。
-次世代巻線の商品開発として、高耐電圧、皮膜の薄肉化に向けた研究開発を実施。
-ワイヤーハーネスのアルミ化や細径電線の採用など、自動車を軽量化するための技術開発活動を実施。
-GaN(窒化ガリウム)を使った高耐圧かつ低消費電力のパワーデバイスの開発を実施。

設備投資

電装・エレクトロニクス